目次
1.製品紹介
2.書籍紹介
3.ブレイクタイム
4.青ちゃんの言いたい放題
5.経営学コラム
6.やまのひとりごと









1.製品紹介

  輸送機器業界においても、自動車の内装部品やテープ補強材など、いろいろと紙・板紙・樹脂フィルムや布製品が使用されています。本装置はそういった素材の引裂強度や糊・接着剤の粘着強度を試験するための試験機です。
 素材(小片)を固定側と可動側の二つのトグルクランプで挟み、リニアロボットで一気に引き離し、その時の引裂き荷重を計測します。引張速度は任意に設定可能で、素材の把持角度も簡単に調整可能です。装置自体はコンパクトで、制御はお客様所有のノートPCで設定・操作・解析可能なソフトを同梱提供しています。


 
 
※このほかの特注仕様にも対応いたします。
詳細はweb-info@spacecreation.co.jpまでお気軽にお問い合わせ下さい。




2. 書籍紹介
『物価とは何か』
渡辺 努 著 講談社選書メチエ 2022年1月発行


 モノの値段も給与も上がらないデフレが長年にわたり続いてきた日本。コロナ後の昨今、給料はさておき?物価は着実に上がりはじめたように思います。
いまになって物価はなぜ上がりはじめたのか。そもそも物価とは何なのか。そんな謎を、人々の”期待”という切り口から解説した一冊。
これを読めば、企業が価格値上げより、内容量を減らすサイレント値上げを採用しがちな理由や、政府・日銀が行動を伴わないにもかかわらず、頻繁にメッセージ発信する思惑が見えてきます。
実際の行動なしに、人々の”期待”を活用し、狙った結果を引き出す技術は、様々な局面で応用できそうです。そんな気付きを与えてくれる2022年度日経・経済図書文化賞受賞作。
















3.ブレイクタイム
【竜ヶ岩洞】
 総延長1000m超!!東海地方最大級の鍾乳洞をご紹介します。
静岡県浜松市浜名区にある竜ヶ岩洞は年間平均気温が18℃で、避暑地として人気のスポットです。特に暑い夏の日は、洞内のひんやりとした空気が心地よく、爽やかなひとときを過ごせます。また、鍾乳洞の不思議な形や大滝の神秘的な景観は、まるで冒険の世界にいるような気分を楽しめ、お子さま、そして大人の皆さまにもお勧めです。
 公式HPによると、洞内には約50ヶ所の見学ポイントがあり、そのうち45ヶ所には「鳳凰の間」、「竜宮」、「龍の腹」等の名称がつけられています。その中で、ポイントNo.13の名称は「コウモリの間」。いったいどのような景観なのでしょうか。天井から無数のコウモリがぶら下がる、暗くて湿った場所?各ポイントのネーミングが魅力的で、よりいっそうドキドキ・ワクワク感を味わいながら探検できそうですね。
 夏の涼しい冒険にぴったりのスポット竜ヶ岩洞をご紹介いたしました。今年の夏休みに是非訪れてみてはいかがでしょうか。洞内は滑りやすい場所もあるため、歩きやすい靴を履いていくことをお勧めします。浜名湖周辺の美しい自然もぜひお楽しみください!!




















4. -コラム-
ドクターイエローの思い出」
                                   /青木邦章


 東海道・山陽新幹線の線路点検車両(検測車)がJR東海では2025年1月に引退、JR西日本でも27年以降をめどに引退するとのニュースが話題になっています。
 黄色い独特の車両で「ドクターイエロー」として親しまれ、子供たちにはプラレールなどで人気を博し、鉄道ファンや若い人達からは「見ると幸せになる」と噂されているようです。
 通常の営業車両の間隙を縫って、高速走行で線路や架線の状態をチェックするのが役割。時刻表などで運行ダイヤが公表されておらず、神出鬼没なことからそんなジンクスが生まれたようです。
 新幹線の整備工場であるJR東海浜松工場まで3㎞、そこへの引込線までは350mの距離にある当社周辺ではその勇姿を頻繁に見かけるので、他地域の方々より幸福度が高いのかもしれませんが(笑)、見慣れるとありがたみも減ってくるのが正直なところ。

 そんな新幹線について、今から四半世紀以上前のことですが、当社に架線点検の相談がありました。その当時は検測車の天井部に設けられた覗窓から検査員が架線の摩耗具合を目視チェックしていたのですが、それを自動化できないかとの相談。あるセンサメーカと連携して反射式レーザセンサでなら非接触計測が可能ではないかとの提案をして、プリテストなども行ないました。
 もともと丸い導線がパンタグラフでこすれていくと平面部分(Dカット断面)ができてくるので、下から帯状にレーザ光を投射して、反射強度の高い部分を受光器で計測すれば摩耗の幅がわかるといった原理です。言葉にすると簡単ですが、実際の架線は線路に並行に張られているわけではなく、パンタグラフのソリ部全体を均等に摩耗させ交換寿命を延ばすため、ジグザグに配置されているので、それなりの工夫が必要です。
 JR案件は参入障壁が高く受注までには至りませんでしたが、おそらく現在では同様のシステムが採用されているのではないかと推測しています。

 昨今話題のリニア新幹線についても、山梨実験線で橋梁通過時の車体と構造物のクリアランスを非接触・高速で測りたいとのことで、いろいろと検討したこともあります。
 日頃、乗用車を中心とした輸送機器の開発絡みの試験機製作が中心ではありますが、建機・農機・船舶や航空機からロケットまで、開発試験に関してはあらゆるジャンルの案件を手掛けています。試験環境や運転条件が異なると新たな課題が浮かび上がり大変な側面もありますが、新しい発見にわくわくすることも多い毎日です。
 























5.経営学コラム
「産学官、意図せぬ結果を意図して狙う」
                              /一橋大学 特任講師 青木哲也

  七夕の時期、夜空では織姫と彦星の二人の物語が紡がれますが、地上では史上最多の50人を超える立候補者間で都知事の椅子が争われるようです。首長選挙といえば少しまえには、静岡県知事戦も話題となりました。こちらは元副知事だった大村氏を破り、元浜松市長の鈴木康友氏が当選という結果でした。今回は、当選を果たした康友市長が浜松市長時代に力を入れていた産学官連携に注目してみたいと思います。
 産学官連携に皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。企業の方からすると、良いパートナーを探すのが大変。見つけたとしてもクセのある先生が多く、時間ばかりかかって、なかなか商売につながらない。そんな悪い印象をお持ちのかたも少なくないかもしれません。しかし、そんな企業の皆さんに対して、アカデミア側から産学官連携を分析した研究をご紹介します。

 オーストラリアの過去15年の産学連携事業を対象とした補助金データを分析したメルボルン大学のJensen教授によれば、産学連携補助金事業は、採択後に企業売上を高める効果があるのです。特にこの効果は大企業ほど大きく、具体的に言えば、補助金採択年度の翌年・翌々年にかけての企業売上は18-21%も増加します。中小企業の場合、補助金採択による売上向上効果は大企業ほど大きくないものの、産学連携事業補助金に応募することそのものによる売上向上効果が見込まれます。採択されなかったとしても、事業に応募した中小企業は、応募していない企業群と比べて12.7%売上が向上するのです。

 この研究では売上向上がもたらされる詳細なメカニズムまでは明らかにされていません。しかし、補助対象となる研究開発事業そのものが直接売上に貢献しないとしても、(1)補助金への応募書類を作成する中で、事業計画・中期経営計画が明確化される、(2)研究開発のパートナー探し、実際に共同事業に取り組む中で、社内のメンバーが技術知識やモチベーションを高める、(3)共同で事業を進める相手先の研究室から人材採用が出来る、(4)パートナーを組んだ先生の教え子の勤め先を客先として紹介してもらえるなど、産学官連携の試みの中で、売上向上につながる間接的な経路が存在するのかもしれません。意図せぬ結果を意図して狙ってみる、そういった観点から産学官連携へ挑戦するのはいかがでしょうか。




























6.やまのひとりごと
 現在放送中のNHKの朝ドラ、「虎に翼」が最近の楽しみになっています。
主人公の寅子が問題にぶつかるたび、一緒になって「はて?」と考えながら視聴しています。
1話15分と言う短い作品にもかかわらず、かなりの頻度で号泣してしまうやまなのでした。