目次
1.製品紹介
2.書籍紹介 
3.ブレイクタイム
4.青ちゃんの言いたい放題
5.経営学コラム
6.やまのひとりごと









1.製品紹介

弊社は輸送機器用パワートレイン開発試験機が主力商品となりますが
建機・農機・一般産業機械向けラインナップも用意しています。

 輸送機器は年々高回転化が進み、出力軸はほぼ水平なのが特徴となりますが、産業機械はそれとは異なり、比較的低回転ながら高トルク。また、出力の方向は水平・垂直・角度付等さまざまなケースが存在します。
 用途による製品バリエーションが豊富なため、極低速から高速域まで広範囲での試験計測が要求されます。
そのような幅広い試験ニーズにお応えするため、都度、お客様と協議を重ねて最適システムを提案させていただきます。


 
 
※このほかの特注仕様にも対応いたします。
詳細はweb-info@spacecreation.co.jpまでお気軽にお問い合わせ下さい。




2. 書籍紹介
『知の体力
永田和宏著 新潮新書 2018年5月発行


 手近な答えを追い求め、「ヤバい」といった汎用的な言葉で何でも表現する「時短」・「タイパ:タイムパフォーマンス」を重視する現代人こそ、知の体力を鍛えることが必要です。

 答えの集合でもある知識を修め、自分の中に溜め込むことは必要です。しかし、(1)その知識を生み出した議論と反証の歴史に思いを馳せ、(2)知識そのものを問い直すプロセスを繰り返すことで、知の体力を鍛えなければ、「想定外」に対応可能な人材にはなれません。
 細胞生物学者であり歌人でもある著者が、深淵な知の世界を印象深いエピソードを交えつつ、豊かな言葉で読者に垣間見せてくれる一冊です。







3.ブレイクタイム
【キンモクセイ】
 キンモクセイは、江戸時代に中国から渡来したといわれています。江戸時代に書かれた書物にキンモクセイの名前が明確に登場していることがその理由です。

中国では月の中にキンモクセイのような大きな木があると信じられており、秋になるとその木が花をつけ、花色は月を黄金に染めるといわれています。黄金の輝きから甘くやさしい香りが想起され、とても情緒的ですね。 
そんなキンモクセイの香りには癒しの効果があるといわれており、心を落ち着かせ優しい気持ちへと変化をもたらしてくれます。また、安眠効果もあり就寝前にかぐことでゆったりとした気持ちで眠りにつくことができるそうです。

人間の五感のうち、もっとも記憶に長く残るものは嗅覚といわれています。キンモクセイのあの特徴的な香りにふれた時、皆さんにはどのような記憶が思い出されるでしょうか。私の場合は、下校時間帯の通学路と少し悔しさがまじる思い出です。今秋もキンモクセイの香りを楽しみたいと思います。





4. -コラム-
「町のモータース
                                   /青木邦章


 休みになると自転車やクルマで、自宅周辺や県内外の郊外をぶらぶらしている青ちゃんですが、そこで目につくのは自動車整備工場の多さです。町なかでは商店街や学校近くにある自転車店から、農山村地域では農機具修理工場からの発展形のように見受けられ、多くは個人経営で自宅兼用(隣接)の店舗です。
 日本自動車整備振興会連合会の調査によると、全国の事業場数は約9万2千、ひところ日本中の歯医者(約7万軒)は、コンビニの数(約5万店)よりも多いと話題になりましたが、それを超える数は驚きです。

 町のモータースは地方の軽自動車・小型自動車市場を下支えしてきた存在で、おそらく小型自動車メーカが意図的に育成してきたことは店先の看板にあるメーカのロゴからも類推されます。前述の連合会によると、その数や売上はこの10年ほぼ横ばいで大きな変化はないようですが、実際の店舗の様子を見ていると、いろいろと心配な面があります。
 第一は技術面・設備面での実態と要求水準の乖離。車のメンテと言うと大昔はキャブセッティングや点火時期調整主体で、工具一本の職人技中心。設備よりも腕。それが近年は全て電子制御の世界。電子コントローラの導入とその修得が必須。IT設備導入がなければ手も足も出ない状況です。逆に、それさえあれば、比較的初心者でもマニュアルベースでの対応が可能で、修理も部品交換が中心。エンジニアではなくチェンジニアと揶揄される所以です。これからの小規模事業者は、IT全盛時代にどうやって生き残るのでしょうか?
 第二は、人材面での高齢化・後継者不足。団塊世代の若者が腕一本ではじめた事業も、現役引退・世代交代の時期。しかし、家族経営ゆえ身内が承継しないと事業が途絶えてしまう危惧を抱えています。ただ、今の若者が地方に残り、小規模経営を継いでくれるのかどうか?
 そして、第三は大手ディーラやカー用品店・ガソリンスタンドの整備業への進出(浸食)。二・三十年前に電気業界で経験した家電量販店増加による街の電気屋の衰退・廃業問題が、自動車業界にも押寄せています。家電量販店の場合、売切り中心でメンテ・フォローをないがしろにし、ITに弱い高齢消費者が置き去りにされている例をよく目にしますが、自動車整備の場合も同様の怖れがあります。昨今、マスコミを賑わしている悪徳中古車ディーラほどではないにしろ、技術に疎い消費者を食い物にする会社もないとは言い切れません。やはりこじんまりでも家族ぐるみで地域密着して誠実に経営し続けている町のモータース。その存在は地方生活者にとってかけがえのないモノであると思います。

 自動車業界、100年に一度の変革の時期。CASE(コネクティッド・自動化・シェアリングサービス・電動化)と呼ばれる先端技術を追いかけるのも大切ですが、それぞれの土地に密着して自動車産業を支え続けている町のモータースが今後も安心して事業運営していける仕組みづくりを行なうことも大切なこと。その仕組みがやがてグローバルサウスに波及して、自動車産業の明日を作ることになるかも知れません。

 



5.経営学コラム
[新しい「見える化」の在り方]
                              /一橋大学 特任講師 青木哲也

 先日、世界陸上開催記念として、900機のドローンによる空中ショーが神宮外苑で行われました。走り高跳びや、やり投げをする光の巨人が空に映し出される姿は圧巻です。オリンピックでのショーも記憶に新しいドローンエンターテインメント。実は、人々の目を楽しませるばかりでなくドローン技術の錬磨、一般普及にも一役かっているのかもしれません。

 武石ら(2008)によれば、イノベーションの実現には(1)アイデアの創造と、(2)アイデアの事業化プロセスへの資源動員が必要です。どれほど優れた技術・事業計画であっても、ステークホルダーからの注目を集め、継続的な投資、法整備を実現しなければ世に出ることはありません。新技術であるドローンにとってオリンピックのようなステージは、大衆にアピールする絶好の機会だったと考えられます。
 優れた技術がエンターテインメントを活用する事例は古くからある話です。江戸の華といわれた花火も、戦争のない徳川時代にあって、火薬を扱う技術の伝承・練磨と、技術者たちの生計維持に寄与していました。

 日本ものづくりの空洞化がさけばれて久しい現在、いよいよ技術者や企業の体力も限界に近づき、熟練の技術が失われる危機に瀕しています。カイゼンのための製造現場の見える化ばかりでなく、YouTubeや3Dプリンタなどを活用した、大衆に向けての技術の見える化(=エンターテインメント化)を推し進め、技術を守る必要があるのではないでしょうか。




6.やまのひとりごと

今年もなんとか、夏を乗り越えることができました。
毎年、夏になるとあまりの暑さに命の危険を感じてしまいます。
気温を通年20度から25度くらいにしてほしい、やまなのでした。