目次
1.製品紹介
2.試験機コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.マーケティングコラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
モータ及びジェネレータのN-T 特性から効率試験が可能です。
また、環境試験も考慮した耐久性の評価もできます。
 




2.試験機コラム
[開発試験機の企画立案方法]

 さて実際に開発試験機を新規に導入する場面とは?

 一般的には従来使用している試験機の老朽更新と、新技術・新商品の開発に伴い既存試験機で対応できずに新規導入する二つに分かれます。単純に従来機種と同一性能を作り直すのであれば、それほど問題はありませんが、老朽更新においても多くは何らかのグレードアップを望まれます。高機能・高性能であったり、省スペースであったり、またメンテ性の観点でパワーソースを油圧から電動に変更などということもあります。

 ここで企画立案の肝となるのは、試験機に要求される品質Q・コストC・納期Dの全般、特にQについて、箇条書きできっちりとまとめ上げると共に、その優先順位付けをユーザの手で明確化することです。

 基本的にQとC&Dは二律背反する関係にあり、Qの中でも機能・性能と耐久性も同じくトレードオフの関係となりがちです。営業過程でお客様にQCDを尋ねると、「性能はなるべく高く、コストはなるべく安く、納期は今すぐにでも」といった回答をされることが多くあります。そんな時は、4人乗って高速道路を時速100kmで走れるクルマと言っても、軽自動車もあれば高級外車もあり、当方としてはリコメンドのしようがないと答えるのですが、何か禅問答のようでなかなか話が進まないこともままあります。

 そんな時の解決策はベンチマーキング!現有試験機でもコンペチタ―所有の試験機でもなんでも構いません。お客様のイメージしている試験機を具体的に提示いただき、それに対してどこをどう高めるのか?逆にどこは不要なのか?を明らかにすると、一機に現実的な話に持っていけます。
 身近に現品があればベスト。なければカタログ・スペック表や写真でも構いません。それを元に要求仕様書や青写真(構想図)を描き上げると、発注側と受注側の試験機要求仕様の齟齬を減らすことができ、その後の作業がだいぶ楽になります。仕様がほぼ出来上がれば、コストや納期は自ずと明らかになり、その叩き台を元に高低や増減を加えていけば、よりお客様の描いている漠然としたイメージを具現化することが可能となります。

 あいまいなWantsをより具体的なNeedsへと高める共同作業。それが理想だと考えます。




3. 書籍紹介
2022年の次世代自動車産業』  
田中道昭著 PHPビジネス新書 2018年6月発行

 「自動車産業、100年に一度の大変革期」毎日のようにどこかのメディアで叫ばれている言葉です。本書はその具体的事例を国内外の自動車メーカ・IT系大手企業等に分けて、詳細に解説しています。

 自動車対IT企業の新旧勢力対比、欧米・中国そして日本の三つ巴の構図、輸送機器・エネルギー・通信産業間の関連、所有に対するサービス利用という新しい構図等々。2022年というポスト東京オリンピックを見据えて話を展開しているのも味噌。

 発行からやや時間経過があり新鮮味には欠けるものの、逆にこの1年半の実社会の推移と本書の指摘事項を比較しながら真偽を確かめながら読めるといった楽しみもあります。




4.ブレイクタイム
【ねずみ】
 ある年の暮れ、神さまが動物たちへこうお話をしました。「元旦に御殿にくるように。1番についたものから順番に12番目までをその年の大将にしよう…。」そして元旦、1番に御殿にあらわれたのはねずみでした。

 明けましておめでとうございます。2020年がスタートいたしました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。冒頭は皆さまご存知の十二支のお話の一部。そう、今年の干支はねずみ(子)ですね。お話の中のねずみは賢く知恵が働きます。明るく懸命に働き愛嬌もある。きっと神さまからかわいがられたのでしょう…(?)。そして、なんとしても!嫌われても!「一番になるぞ~!!」と覚悟を決めたねずみの潔さ。思い切りよくかっこいいですね。さらに、干支占いでもねずみ(子年生まれの人)は称賛されています。頭脳明晰で心優しく、友達や同僚・家族をとても大切にする人だそうです。そして正直で働き者。自然と周りに人があつまるし、人を惹き付ける力があるようですね。みなさんの周りにはねずみ年の方はいらっしゃいますか?

 賢く頭脳明晰なねずみが大将の年。覚悟を決め知恵を働かせ、どんどん突き進む、すばらしい一年にしましょう。
                                                            



5. -コラム-
「フランチャイズ展開
                                             /青木邦章
 営業と言う仕事柄、日本の地方都市をいろいろとクルマで移動することが多いのですが、最近はどこに行っても街並みが同じように思えてなりません。その理由としては、地方のバイパス道路が画一的に整備されていることと、その両側に広がるロードサイト店の看板が見慣れたモノだらけということかもしれません。

 レストランにしろ、小物雑貨店にしろ、一昔前はその土地ならではのユニークな店舗がありました。看板や品ぞろえなど思わずニンマリとして、ほのぼのと旅行気分に浸ることができたのですが、最近ははるばる数百㎞運転してきても、隣町の風景とほとんど変わらず、出張の達成感が得られにくい状況。ちょっとがっかりです。
 また、コンビニやファミレスでチェーン店独特の造作の建物が空き家となっていたり、関係のない事務所にリユースされたりするモノもちらほら。これも街の風情をなくし、賑わいをなくす原因かと思います。
 確かにいち早く流行を捉え均一で豊富な品揃えのため、短期間でどんどん増殖していくフランチャイズ店ですが、消費者の反応次第ではすぐさま見切る撤退の速さもそれなりです。

 情報化社会で日本中あるいは世界中が、同一嗜好・同一文化になりつつある現代、それも当然のこと。水は高きから低きに流れ、エントロピーは増大するのが自然の摂理。そうなのかも知れません。
 しかし、人間の営み、特に「創造」というものはそれに反してとんがっていくことも非常に大事。「小粒でもキラリと光る唯一無二の存在感」そんなモノがますます大切になる2020年のように感じます。



6.マーケティングコラム
[マーケティングに王道なし?]
 顧客ニーズに応える企業活動が大きな利益獲得につながることをここまでの連載でご紹介してきました。しかし自社が対応可能な顧客ニーズを知ることは簡単ではありません。
 顧客に直接ニーズを尋ねても、どんな製品が必要なのか、顧客自身、何かのきっかけがないと気づかないためです。顧客のひらめきを引きだすためには、どのような手段が考えられるでしょうか。一つの方法は、顧客側の人間を自社内に取り込んでしまうことです。

 たとえば、アセンブリメーカーに部品納入する企業であれば、顧客企業のOBを雇うことが考えられます。顧客視点の部品開発はもちろん、完成した部品の魅力を顧客企業に伝えることもスムーズになるでしょう。顧客側の企業にとっても、OBが競合他社に再就職し技術流出するリスクを回避できたり、サプライヤーからニーズに合った部品を購入できる可能性が高まるといった利点があります。大学に試験機を販売しているメーカーであれば、大学の研究室からインターンを招くことも一案です。日頃製品を使っている顧客を製品開発に参画させることで、自社資源の思いもよらぬ活用法が見いだされるかもしれません。招いたインターンが活躍しなかったとしても、当該インターンを介して、他の顧客の考えを把握することにもつながります。

 顧客を自社内に取り込むことの有用性は、データからも裏付けられています。アメリカのB2B企業350社を対象に2019年にヒューストン大学が実施した研究によれば、顧客企業関係者を社内に招聘した企業のほうが、通常の企業と比較して、平均11.7%も企業価値が高まると指摘されています。この傾向は、需要の変化が激しい業界や、社内にマーケティングの専門家がいない企業の場合に顕著で、最大で35%企業価値が高まりました。
 顧客のニーズ把握にあたっては、昔ながらの飲みニュケーションも有効かもしれません。しかし、コンプライアンスが厳しくなった昨今、そのような搦手がいつも使えるわけではありません。 

 遠回りに見えても、顧客を知恵袋として正式に囲い込むことが一番の近道なのかもしれません。





















7.やまのひとりごと

 あけましておめでとうございます。
2020年も読み応えのある紙面を皆様にお送りできるよう、努力してまいります。
SpaceCreationNews(略してSCN)を何卒よろしくお願いいたします。