目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
自動車用エンジンを一定潤滑条件でモータリング運転し
無負荷状態において各回転数でのフリクションを測定する装置です。




2.技術コラム
[測定学]
 測定学では各種の物理量の単位および単位系の選定と標準の設定から始まり、測定の不確かさとその評価、データ処理と統計解析処理へと進み学ぶこととなります。先回も述べたところですが、測定の正確さは最終的に複数の測定結果をグラフに重ね書きすることで、そのばらつきから統計的に証明されます。これも測定学の一部です。

 ただ測定の確からしさは得られても、グラフデータを妄信すると本当の物理現象を見失ってしまうことがままあります。グラフ化するデータはセンサからのアナログ信号をAnalog/Digital変換していますが、ここで連続的現象をコンピュータに取り込むために離散化サンプリングしているので、本来の周波数現象を取りこぼす場合があるからです。
 得られたグラフデータを眺めると、理論的な周波数と比べて違う周波数の繰り返しが見られる事や、理論よりも小さな振幅しか得られない事があります。このような時は、サンプリング周波数を変えて再測定する必要があります。ゆらぎのような振幅変調や周波数変調が見られる場合も同様で、サンプリング周波数を変えて測定してみると全然違う波形が得られることが多くあります。

 これらについては、いずれもサンプリング定理を知っていれば適正なデータを得て間違った判断を回避することができます。サンプリング定理とは、物理現象の持っている周波数の最低2倍のサンプリング周波数でデータを取得しなければならないというもので、コンピュータ測定学情報処理理論で非常に重要な定理のひとつです。

 得られたデータを漠然とFFT処理して、基本周波数や高次周波数成分を見ている場合も間違った判断をすることがあります。サンプリング周波数を十分高くしてデータ集録をしたから、解析結果は問題ないだろう、と思いがちです。ですがFFT処理は繰り返される波形が前提ですので、データ取得数がサンプリング周波数に見合っていないと適正な計算が出来ないこともあります。さらに周波数分解能を得るには、データ取得数を十分確保することが必要です。

 選択する窓関数なども知識を持って選ぶと確実な結果が得られるものです。ぜひ測定学をかじってみてください。






3. 書籍紹介
『サブスクリプション』  
テイエン・ツォ / ゲイブ・ワイザード 著 
桑野 順一郎 / 御立 英史 訳  ダイヤモンド社 2018年10月発行
 この1~2年の間に一般社会にも、購入から有償利用へといった経済形態の変化が急激に広まってきたように思います。まだまだ若者中心かもしれませんが、新品と中古の間の価値観の差もほぼなくなってきており、モノに対する執着というものが薄れているといった背景もあるようです。

 製造業の社会でも、「モノづくりからコトづくりへ!」などというキャッチコピーをそこかしこで見かけるようになりました。
 本書は、そういった「製品からサービスへ」という“サブスク”を推進する第一人者がその特徴・産業領域・ビジネスモデル・成長戦略についてわかり易く解説した啓蒙書。全編を貫く「製品中心から顧客中心へ」の発想に共感を覚えます。





4.ブレイクタイム
【春】
 花や木々、蝶や鳥などがますます美しく感じられる季節となりました。うららかな春の日をどのようにお過ごしでしょうか。
春は別れと出会いの季節。空は晴れ日差しは心地よいのに、心は淋しい…。このような春の日が誰しもあったのではないでしょうか。遠い昔のことでしょうか。
 さて、別れは淋しいものですが、今はSNS等で人と人とがすぐに繋がることのできる社会。別れも出会いもスピードがはやく、メソメソしている人は少ないかもしれません。
 そして私たちは想像する力・創造する力を持っています。このすばらしい能力を、生活に、仕事に、芸術等にどんどん使っていくのなら、メソメソしたりボーっとしている暇はありませんね。
 ボーっとしていたり、ときにメソメソし周りを白けさせてしまうわたしですが、なにがあっても動じない才能あふれる人になりたいと日々考えております。
 目指すところをかなり高くし、今年度もスタートいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。




5. -コラム-
SCN 季刊化のご案内」
                                             /青木邦章
 25年前、インターネットも普及していない頃、ワープロ+手書きイラストでの郵送配信から始めた広報誌「スペースクリエイションニュース(SCN)」。2005年からはITブームに乗っかり、メールマガジン中心での展開へ。さらに、2010年からは内容刷新によりお客様のご理解・ご支援も進み1400部以上の配信に発展しました。

 一方でコンテンツ充実には常に悩みを抱え、苦悶の日々が続いております。メインの製品紹介では弊社商品ラインナップ確立に伴いあまり新しい情報を提供できなくなり、また技術的に高度な取組みも機密保持の観点から素直に情報開示できなかったりと、新鮮さに欠けることもしばしば。
 各コラムもだいぶネタ切れ状態で、本筋から脱線しつつあるようにも思えます。書籍紹介も月に1冊の提供ながら、それを探すために年間100冊以上の本を読み漁るなど、かなり体力的にはしんどい状態が続いておりました。
 さらに、今春からは求人目的で若者向けインスタグラム版を並行リリースしたこともあり、なかなか収拾がつかない状態に突入しつつあります。

 そこで、今春からは四半世紀前の創刊時に戻り、季刊発行とさせていただくことになりました。SCNを楽しみにされている方もおられ、励ましの言葉や内容へのコメントをいただくことも多く申し訳ない気持ちもありますがペースダウンしてゆとりを持ったご提供とさせていただきます。 

 今後も随所に工夫を凝らした紙面を心がけて参りますので、引続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。




6.技術コラム
[ハッカースペースとハッカソン]
 「ハッカースペース」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ハッカーという単語には、コンピュータウイルスをまき散らしたり、企業のネットワークへ不正にアクセスしたりと悪事を働くコンピュータマニア、というイメージがあるかもしれません。ですが、本来はコンピュータや電気回路に深い技術的知識を持つ人達を「ハッカー」と呼んでいました。

 そしてその「ハッカー」たちが集まる場から発展したものを「ハッカースペース」といいます。もともとは共通の技術的興味・知識を持つ仲間が自然発生的に集まったアパートの一室などをそう呼んでいましたが、現在はより幅を広げテクノロジー全般やデジタルアートなどに興味を持つ人が集まり、コラボレーションしてイベントを立ち上げたり、ベンチャー企業の基になったりと、様々な展開を持つ場として世界中に広まりました。

 「ハッカソン」というのは、ハックとマラソンを合わせた混成語で、ハッカースペースなどで開かれるイベントを指します。特定のテーマに沿って集中的に議論や作業をして、何か価値のあるものを作り上げる、という事を行っています。多くの企業で新しい発想や製品開発に苦慮している現状で、外部から自由な発想でアイデアを出していくオープンイノベーションのひとつとして注目されています。

 医療・健康に関するものや、行政機関による街づくりについてのハッカソンなども開催されており、参加者を一般から募集していることもあります。自由な発想を持つ人たちと交流しながら自分の技術を生かす場として、企業に勤めるエンジニアにも是非参加することをおすすめします。





















7.やまのひとりごと
 先日、中学生の頃からの友人4人と久しぶりに集まりました。
 友人の一人にお子さんが生まれたので、そのお祝いに行ったのですが、まるで学生の頃に戻ったように夢中でおしゃべりしてしまいました。会うのが数年ぶりの子もおり、話したい事が次から次へとあふれ出してきて時間が経つのがあっという間。子供の頃のように、「また明日!」とはいかなくても、もう少し頻繁に集まれたらいいな、と思うやまなのでした。