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1.製品紹介 |
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本製品は、トランスミッションAssy の無負荷モータリング運転を行い
トルク特性等を計測する装置です。
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2.技術コラム |
[構造化] |
構造化プログラムと言われると、どうしても実装する処理が階層的となるよう分割してプログラミングすることに注目されがちです。実際の設計で最初に手をつけるのも制御を中心とした構想であり、フローチャートで記述されるような制御構造化に時間を掛けることに慣れると、それが済めば設計は終わった気になってしまいます。
アルゴリズムとデータ構造はセットだと言われます。弊社で製作する装置ではモータを制御することが多く、PCよりも長期安定動作するPLCのラダープログラムがその役割を担います。応答性や耐久性の特性データを採るのに長時間動作できることが装置の必須機能で、パターン運転する中で物理量を取得することになります。
PLCは繰り返し動作の安定性には威力を発揮するのですが、後処理には向かないのでPCがPLCと通信してデータ処理を受け持ちます。ユーザインターフェース画面の作成に優れるPCの方が、自動運転のパターンを組んだり、取得したデータのフィルタ処理や計算処理をしてシミュレーション運転した現象の様子を観察するのには適しています。このように役割を分担しながら、通信で連動させるのが一般的に試験機用に設計された装置となります。
PCとPLCを補完的な位置づけとするのか?それともそれぞれが独立して互いに完全な動作をするものとして仕上げるのか?独立性を持たせた方が、並列した開発ができるので納期の短縮につながります。また、連動動作のシミュレーションができるようなデバッグ動作も可能になるので、結合後の工数も少なくて済みます。
単独で連動シミュレーションするには、通信で共有するデータをいかにして模擬生成できるかが決め手となります。PCとPLCが共有するデータは、「状態データ」・「運転パターンデータ」・「アナログデータ」が3大データですが、これらのデータを設計時に構造化しておくと、デバッグする時だけでなく同様な機能を別の装置に転用する際にも改造が容易となります。これらの再利用を可能とするのもデータ構造化次第と言えます。
LabVIEWでは、構造化する際データのクラスタ化やタイプ定義することで簡単かつ自動的に再利用でき、大変便利です。
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3. 書籍紹介 |
『「心の掃除」の 上手い人 下手な人』
集英社文庫 斎藤茂太著 2008年2月発行 |
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歌人で精神科医である斎藤茂吉を実父、またおなじく小説家で精神科医の「どくとるマンボウ」こと北杜夫を実弟とする著者の晩年の作(単行本の文庫化)。著者自身も愛称「モタさん」として軽妙な語り口で多くのエッセイを遺していますが、一方で戦中・戦後、激動の昭和期を精神科医として過ごし、多くの人たちの病める心と向き合ってきました。
そんな氏の人生の集大成ともいえる本書。平易な言葉で内容的にもごく当たり前な展開ではありますが、豊かな経験に裏付けされた人生哲学は、スポーツ選手をはじめとした多くの著名人に支持されています。
政治も経済も社会全体が不安定で見通しの利かない今日、安らぎと元気をもらえる一冊です。
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4.ブレイクタイム
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【節分】
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2月と言えば節分ですね。
節分とは、季節の節目である「立春・立夏・立秋・立冬」の前日を言います。季節の変わり目には邪気(鬼)が生じやすいと考えられていたため、その邪気(鬼)を払うため豆まきが広まったとされます。立春の前の節分のみ今でも残っているのは、旧暦では立春と正月は同じく新年ととらえられており、その前日である節分は年越しの日として大切にされてきたからだそうです。
鬼を払うために豆をまく由来ですが、穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっていると信じられてきたことや、語呂あわせで「魔(ま)を滅(め)する」からきているとか。
節分といえば、恵方を向いて食べる恵方巻きもありますね。こちらも古い歴史があるのかと思いきや、関西の一部で親しまれていた、節分に太巻き寿司を食べる風習を大手コンビニエンスストアが広めたのがはじまりだそうです。そもそも巻き寿司を食べるようになった由来も諸説あり、近年になって急激に浸透した理由についてもはっきりとはしていないようです。
食べるときは無言で完食する決まりがありますが、地域によって目をつぶって食べる説や笑いながら食べる説などがあり、個人的には細かい事は気にせず美味しく食べるのが正解なのではないかと思います。
春が待ち遠しい寒い季節、古くからの行事を生活に取り入れて元気に過ごしたいですね。きっと昔の人々も、何かと理由をつけてイベントを開催しては賑やかに楽しんでいたのではないでしょうか。
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5. -コラム- |
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「ものしり博士の絶滅」
/青木邦章
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近頃とんとお目にかからなくなりましたが、およそ半世紀前、日本のいたるところに「ものしり博士」なる人種が存在していたように思います。当時流行していたNHKのテレビ番組によるところが大きかったのかもしれません。「ケぺル先生」と呼ばれる学者然とした人形が、子供向けに社会のあらゆる疑問に答える番組。それに由来して、いろいろな雑学を持ち合わせた人物を「ものしり博士」と称して、巷では一定の尊敬を集め一目置かれる扱いでした。
しかし最近では、単に豊富な知識を持ち合わせているだけではなかなか尊敬の対象とは見られず、またそういった状況では人に頼るのではなく、スマホの検索サイトに依存するのが早く確実な状況。賢者の威光は地に落ちてしまったように感じます。
今でもアジアやアフリカなど途上国の田舎では、村長や長老がその経験に基づき様々な困りごとに対応し村社会を回しているところもあるようです。ただ、先進国、とりわけ都会の生活ではほとんど出番がありません。社会のしくみや科学技術の変化が激しく、数年前の経験さえもあまり役に立たないということも背景にあります。しかし、単に情報を知識として保有するだけではなく、常に物事の本質に迫る深い思考を心がける習慣が希薄になっているせいかもしれません。
最近、NHKの「チコちゃんに叱られる!」という番組が流行っているようです。見たことがないのでよくわかりませんが、半世紀前の番組の焼直し(変形版)なのかも?こういった番組が支持されている裏には、現代の情報化社会が薄っぺらで、それに危機感を持っている方が多いことがあげられるのかもしれません。しっかりと物事を捉える習慣を身につけていかなければ、「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんに叱られてしまいそうですね。
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6.技術コラム
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[MIT発の新しいモノづくりの形] |
エンジニアを目指す学生のあこがれでもあるMIT(マサチューセッツ工科大学)は、単に一流の技術系教育機関というだけではなく、社会に向けた次世代のモノづくりに関する様々な発信も行っています。
MITのカリスマ的な存在でもあるニール・ガーシェンフェルド教授は、現在のメイカームーブメントの火付け役ともいえる存在で、「How to Make (Almost) Anything (ほぼ何でもつくる方法)」という講座を開き、大きな反響を呼びました。
これは当初少数の大学院生向け講座で、研究用の3次元プリンタやカッティングマシン、ミリングマシン等、 機材の利用方法を教えるための演習のつもりでした。しかし、開講してみるとMIT内外から100人を超える受講希望者が殺到。その後オンラインで世界中から受講できる「ファブアカデミー」や、地域のモノづくり愛好家が集って機材を共有できる「ファブラボ」など、世界的なパーソナルファブリケーション・デジタルファブリケーションブームの流れにつながっていきました。
ちなみに、最初の受講生が作った『スクリーム・ボディ』は「人に迷惑をかけることなく中に叫び声を「蓄積」しておける防音・録音機能付きのかばん」という突拍子もないものでしたが、MIT客員教授の田中浩也氏の説明文がこういったパーソナルファブリケーションの意義を良く表しているので、紹介しておきます。
“この突飛なアイデアのプロダクトは、彼女自身が自分で作らない限り、他の誰かが作ってくれる可能性は全くないものである。しかし彼女は他の誰のためでもない、自分のために自分でこれを作り、そして使用者ともなった。”
私たちもモノづくりに関わるエンジニアとして、心のどこかにこういった自由な発想を持ち続けていたいものです。
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7.やまのひとりごと |
寒い日が続きますね。そんな時、あったかいコーヒーと甘いチョコレートが恋しくなります。
スーパーやデパートでも、バレンタイン商品が並び始めました。
誰かにあげるよりも、自分で食べる分の調達に忙しい今日この頃です。 |
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