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1.製品紹介 |
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この試験機は、ピストンとライナの摩擦力測定と
ピストンスカート部油膜の可視化・油膜厚測定を目的とした装置です。
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2.技術コラム |
[遠隔化] |
今回は、年度末案件での怪我の功名についてひとつ。
何事であれ、余裕ができて安心してしまうと失敗を招くことがあります。落とし穴は連続的録画にありました。LabVIEWでのカメラ録画はあまり一般的ではなく、どちらかと言えば画像認識に技術が寄っており、アルゴリズムについても充実しています。事前情報では、難易度高との見方が7割超で、その忠告を尊重し検証を重ねていればよかったのです。
ベースプログラムは簡単で早々に完成、録画も一見問題なくみえました。ですが、装置に組み込んで動画として再生するとコマ落ちばかり。録画と再生を試行錯誤で繰り返すも、解決出来ない状態が続きました。
結局チェコのアライアンスのライブラリが良いとの情報を得て、入手。初めはそれ程の期待もなく進めていたところ、途中から画期的に再生スピードがアップして完成に至ったのです。よくぞ突然の無茶振りにつきあってくれたものだ、とチェコの国民性に感謝しています。
難解な局面ではリモートデスクトップで情報交換。現実の開発状況を共有しつつ、ある時はチェコ担当者にまかせ画面を覗いていた時期もありました。チャットを画面上で行い、厳しい場面での英語力不足を感じながらもどかしく論議した事もありました。今振り返れば、大きな収穫があったように感じます。
これまで実用性をあまり感じていなかったSkypeを初めとする遠隔化操作やテレビ会議等のチャットシステムですが、うまく利用できると絶大なる効果を得られるものです。Skypeの開発がエストニア、今回のアライアンスがチェコ、NIのハードはハンガリー製でもあります。東欧&北欧の技術力や恐るべし、助けられました。
こんな風に遠隔化の恩恵を得たのですが、この技術をデバッグにうまく利用できないか?と思い始めています。弊社のようにお客様が関東や関西にあり簡単には出張できない事情を踏まえると、リモートデスクトップで遠隔的にデバッグできれば…との気持ちになります。
それには信頼関係をはじめとした諸条件が揃うことが前提となりますが。
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3. 書籍紹介 |
『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』
ロバート・キンセル マーニー・ペイヴァン著 渡会圭子 訳 文藝春秋 2018年3月発行 |
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子供の将来なりたい職業上位にユーチューバーがあがっているとか。先日、ニュースで取り上げられていました。シニア世代にはそれっていったいどんな職業なの?といった感覚ですが、YouTube上に自主製作した動画を継続的に掲載して、閲覧者数に応じて支払われる広告収入や、動画上で紹介する商品のスポンサー収入で生計を立てている人のようです。新しいマスメディアといったところ?
本書はYouTubeの成り立ちとそんなユーチューバーの存在を詳しく紹介しています。翻訳本ゆえか、あるいは新しい文化・産業からか、なかなか理解しにくい本ではありますが、読み終えると身近になりつつある新しい世界がおぼろげながら理解できるようになります。 |
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4.ブレイクタイム
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【ジンジャーエール】
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先日見ていた映画の中に、登場人物がジンジャーエールを飲むシーンがあったのですが、その様子にどうしてもジンジャーエールが飲みたくなり手作りしてみました。
スーパーでしょうが200gとレモン1個、シナモンパウダーを買ってきて、はちみつ(もしくは砂糖)と小さめの鍋を用意。しょうがをよく洗い、2㎜くらいの厚さにひたすらスライスしていきます。皮はレシピによって剥いたり剥かなかったりと決まりは無いようですが、皮が厚くて気になる部分だけスプーンで削りとりました。水とスライスしたしょうが、はちみつを2:1:1の分量で鍋に入れ、火にかけて煮詰めていきます。大きな泡がぶくぶくとわいてきたら、お好みでレモン汁を絞って味を引き締めて、ジンジャーエールの素の完成です。
シナモンパウダーと先ほどの素をグラスに入れよく混ぜ、炭酸水で割れば出来上がり。市販のものとは違った、しっかり辛口の香り高い味わいです。
出来上がったジンジャーエールの素は、お湯割りでホットジンジャーにしても楽しめます。保存は煮沸消毒した瓶に入れ、冷蔵庫で1週間ほどだそうです。煮出したしょうがの方は、取り出して豚のしょうが焼きや煮魚に使いました。
雨が続く今の時期、家の中で美味しいジンジャーエールをお供に映画や読書を楽しむのもいいですね。
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5. -コラム- |
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「インターネットが創出した新しい世界」
/青木邦章
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インターネットが商用開始されてから、ほぼ30年。その後に生まれたネット世代は当然のこと、今や我々シニア世代にとっても、ビジネスからプライベートまで、非常にポピュラーでなくてはならない存在です。
当初はTELやFAXの代替機能としてのE-mail、企業情報・商品情報の発信手段としてのHPなどで、新たな通信手段・広告媒体が追加された程度の認識。
それがブログ・チャット・各種SNSの出現により、市民の意見交換・発言場所、各種事業者の交易場となり、なんとなく古代ギリシャ(ポリス)におけるアゴラ(市場兼集会場所)のよう。政治・経済の鍵を握るまでに進化しています。
さらには、アマゾン(US)・楽天(日本)に代表される通販サイト、エアビーアンドビー(US;民泊サイト)、ウーバー(US;配車サービス)、メルカリ(日本;フリーマーケット)など、新たなビジネス形態を多数輩出している状況。
その急激な普及には、世界的なネット通信網整備もさることながら、携帯電話を進化させたスマホ(スマートフォン)の存在も大きく貢献しているのでしょう。
今ではインターネット無視のビジネスは考えられず、そのプラットフォームをいち早く支配したものが一人勝ちする異常なビジネス構造。
このように、はじめは通信・マスメディア対象のものが、B2C(事業者⇔消費者取引)中心の販売・サービス(金融機能含む)に展開され、徐々にB2B(事業者間取引)にも広がっています。対象商品も、ソフト事業からハード事業に急速に拡散しつつあるようです。
われわれのようなモノづくり産業においても、2016年から本格提唱されたIOT(モノのインターネット)なる概念から、「つながる車」・「つながる機械」・「つながる〇〇」となってきて、開発環境も様変わり。機械装置中心から制御ソフト中心の開発に急シフトし、戸惑いを隠せません。
「未来の商品展開を予測し、それに相応しい開発環境を提案する」など、夢のまた夢。せめて時代に置いて行かれないよう、必死についていくのが精一杯の今日この頃です。
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6.技術コラム
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[潤滑] |
自動車などの機械を円滑に動かすためには「潤滑」が必要です。
樹脂や摩擦係数の低い材質を利用したり、素材に潤滑剤を含浸させたり、一部の条件下では無潤滑・無給油で動く機械もあります。ですが、一般的に金属同士が接触しながら運動する場合には、グリースや油などの潤滑剤が介在しないと摩擦による発熱や摩耗による早期損傷などの問題が発生します。
自動車のエンジンオイルやミッションオイルを定期的に補充・交換するのも、スムーズな運転と長く安定した動きをさせるためです。
「潤滑」とは、その名の通り「潤って滑らせる」ことで、金属同士の接触面に薄い油膜となって境界層を形成し、金属同士を直接接触させずに滑らせるのがその役割です。
当社の製品である摩擦摩耗試験機は、ベアリングなどの機械部品の評価のほか、潤滑油の性能を評価するためにも使われています。トランスミッション内の歯車の潤滑を例に考えると、相対する歯車の歯面が接触して相互回転する事で動力を伝達します。この際、歯と歯の間にごく薄い油膜が形成されることで、歯面が摩耗することなく滑らかに回転できます。
この時、潤滑油が不足していたり、不純物が多く混ざり質が落ちていると、歯面の接触圧力に負けていわゆる「油膜切れ」による金属接触が起こります。そして、発熱や騒音、摩耗による歯車の破損などにつながってしまいます。
摩擦摩耗試験機による潤滑油試験においては、温度を変えたり、わざと不純物を混入させたりして実際の走行状態と同じ条件でフリクショントルクを計測することで潤滑油の性能(摩擦低減効果・耐久性・温度特性など)を評価しています。
次回は、潤滑油の性能についてもう少し詳しく解説したいと思います。
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7.やまのひとりごと |
今年も「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」に出展いたしました。
ご来場くださいました皆様、お忙しいところ足を運んで下さいまして
ありがとうございました。
当日模型展示しておりました装置以外にも、弊社製品についてご質問等ございましたら
お気軽に下記メールアドレスまでご連絡ください。
web-info@spacecreation.co.jp
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