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1.製品紹介 |
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エンジンのシリンダヘッドアセンブリをモータで駆動させ
回転数・トルク・流量等の計測を行う装置です。
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2.技術コラム |
[装置IoT] |
先月号では、日常生活におけるIoTの基本的な概念について考えてみました。弊社では、製造した装置を研究部門や品質評価部門を中心に提供させていただいております。これらの装置についても、IoTに絡めてビジネス化、発展させていくことが今後の課題となるものと考えています。またその上で、どのようにIoTにつなげるかは様々なアプローチがあると思われます。
すでにおわかりのように、IoTではすべてのモノをインターネットにつなげていくことが始まりです。それには、次のサイクルが基本的な流れとなります。
①「センサー」でモノから情報を取得⇒②インターネットを経由して「クラウド」にデータを蓄積する⇒③クラウドに蓄積されたデータを分析する(この際、ほとんどのデータがAIで分析され学習されています)⇒④分析結果に応じて何らかのアクションが実行され、フィードバックが行われる⇒⑤結果、IoTに投資しただけの対価が得られる。
装置をIoTにつなげるには、上述での「モノ」を「装置」と言い替えればいいだけです。注目しないといけないことは、膨大な量となるデータからのフィードバックです。IoTビジネスを考える場合、「フィードバック」を意識することが要です。単に装置がインターネットにつながることで「モノから情報を取得できる」だけでなく、それを利用してどうフィードバックするか?で装置システムの成否が決まります。どのようにすれば装置で得られたデータから今まで以上に付加価値を得ることができるか?を考えないといけないのです。
結論的に言えば、データをフィードバック利用することでコスト削減や利便性を考えれば良いわけです。装置を直接操作することなく遠隔地からデータを利用することが出来るようになれば、かなりのコスト削減につながります。
最近では、安全性の確保された遠隔装置システムの構築さえできれば、離れたところからも装置を操作することができ、リアルタイムにデータの集録と解析をすることも可能となっています。IoTによって、データの利用は無限に広がりつつあります。
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3. 書籍紹介 |
『構想力の方法論』
日経BP社 紺野登・野中郁次郎著 2018年7月発行 |
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平成が終わり新しい時代が始まろうとしている時。四度目の日本での五輪開催を迎えようとしている時。国全体に何か新しい動きを期待する気配が満ちています。しかしその一方では、世界の政治経済バランスが不安定になりつつあり、また国内では気候や地殻の変動に起因する災害が多発するなど、先行きの見えない時代になってきているとも言えます。
情報化社会の急激な進歩により、世界が極端に狭くなって一体化しつつある今日、日本の果たすべき役割は間違いなく非常に大きいと考えられますが、その割にはうまく立ち回ることもできず、大国間の思惑に振り回され右往左往しているようにも見受けられます。
本書はそんな中での日本のあるべき姿を、場当たり的な行動ではなく、本腰を据えた思考に基づく「構想力」という軸で理論展開しています。
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4.ブレイクタイム
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【カニ】
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日本の童謡「里の秋」を想いだす季節になりました。平和を願い家族を想う詞と美しいメロディ。秋の風景が目に浮かびます。皆さましずかな秋をお過ごしでしょうか。
秋頃から旬をむかえるカニ。茹でるときれいな赤色になりますね。これはカニに含まれるアスタキサンチンという色素が、加熱後結合していたたんぱく質から離れ、本来の赤色を発色させるからだそうです。
カニに含まれるアスタキサンチンは抗酸化作用の働きがあり、私たちの身体の酸化を防ぎ老化を抑制してくれるそうです。
アスタキサンチンの健康効果
・眼精疲労を改善
・強力な抗酸化作用
・美肌効果 など
仕事や勉強に励まれなにかとご多用でいらっしゃる皆さまと思いますが、秋の長い夜ご自宅で待つご家族のため、今日はいつもよりお早めに帰宅されるのはいかがでしょうか。温かい食事を囲みながらご家族でゆっくり過ごせると良いですね。もしリクエストできるならカニ鍋を…。会話は多くなくてよいそうです。一緒に過ごす時間を大切するその気持ちはいずれ相手に伝わるそうです。
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5. -コラム- |
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「問題対応力の低下」
/青木邦章
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先日、日本列島を駆け抜けた台風24号は静岡県にも大きな爪痕を残し、ここ浜松も市内の大半が長時間停電に見舞われるという被害。当社周辺は丸二日、場所によってはほぼ三日間停電という所もありました。そのため、照明もなく、PCも動かず、電話も通じず、臨時休業せざるを得ない状況。当地で仕事について40年以上の青ちゃんですが、これほど長時間にわたる停電は初めての経験です。
地球規模の気候変動で、日本も温帯から亜熱帯地域に変化の兆し。台風の強さは風速60m以上ともいわれ、走行中の新幹線の屋根に立っているような状況でしたから、やむを得ないのかもしれません。
ただ、一般企業や個人住宅の建物被害がほとんどなく、古い家の屋根やカーポートのパネルの破損や、錆びた看板の倒壊に限定されているのに比べ、電力網は脆弱すぎるようにも感じます。以前から東海地震が叫ばれている当地域は、他地域に比して建造物は丈夫な造りのせいもあるでしょう。
しかし、そういった環境だけではなく、電力会社側の体制にも一因があるのかもしれません。具体的な根拠は何もありませんが、以下の三点を勘ぐっています。
①原発の安全性向上対策などに設備投資が偏っており、電力供給網の老朽化対策更新は後手にまわっていた。
②IT監視体制の充実に慢心して故障原因・故障個所の特定などの現場スキルが劣化し、さらに実際の復旧人員の配置手立てもなおざりになっていた。
③働き方改革の推進普及により、無理な残業・休出体制は取りにくく、また作業員のプロ意識・頑張りもかつてほどの矜持を保ち得なくなってしまった。
今回の災害時に際し、復旧に全力を尽くして働いておられる方も多かったとは思いますがそれを承知の上で、あえてこのように指摘させていただきます。
ひるがえって、われわれ開発試験機の業種でも同様なことは言えるのかもしれません。昔であれば、何か問題が発生した時には、夜遅くや日曜・祝祭日も問わず、解決のために全力を尽くしたもの。しかし、最近では仕事は仕事として、休みは休みでしっかりと取る傾向。反省することが多いかもしれません。
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6.技術コラム
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[マンハッタン計画と潜在意識] |
兵器と技術の進歩は密接な関係を持ちますが、アメリカと旧ソ連の原子爆弾の実用化に関して興味深い話があります。
第2次世界大戦中、アメリカ・イギリス・カナダが原子爆弾開発・製造のために、科学者や技術者を総動員した「マンハッタン計画」と呼ばれる計画がありました。結果的に広島・長崎の悲劇を生むのですが、それは当時の金額で約22億ドルというとてつもない予算と、多くの技術者が動員される大規模なものでした。6年という歳月をかけ、とにかく大変な苦労をして原子爆弾が実用化された時、アメリカは「自分たちがこれだけの金額と人員を投入して6年かかったのだから、ソ連が同じものを開発するにははるかに多くの時間がかかるだろう」と予想していました。
しかしその予想に反してソ連は4年後に原子爆弾の実験を成功させ、アメリカの原爆独占状態を終結させました。
これにはスパイが情報を流した、という説もあり真相は明らかになってはいませんが、マンハッタン計画が「できるかどうかわからない」状態で進められたのに対し、ソ連の方は既に前例があり、「できると分かっている」状態で進められたことが、はるかに少ない予算と時間で成功した大きな理由ではないか、とも言われています。
つまり、人間はゴールが見えている(あるとわかっている)状態の方が大きなエネルギーを発揮できる、ということです。人間の普段意識している顕在意識は5%程度、95%の潜在意識はコントロールできませんが、実は潜在意識が行動や判断に大きく影響していることが分かっています。
普段の仕事も、「できるかどうか」ではなく、「できるはず」という強い気持ちを持つことで結果も変わってくるのかもしれません。
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7.やまのひとりごと |
少しずつ気温も下がり始め、かぼちゃ・栗・芋と言った秋の味覚が野菜売り場に並び始めました。
江戸時代から、いも・くり・なんきん(主に関西でのかぼちゃの呼び方)といえば女性の好きなものの代名詞として親しまれていたようです。「現代の人も変わらず、大好きなんだなぁ」と、コンビニに並ぶかぼちゃや栗・芋のお菓子を眺めながら思う、やまなのでした。
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