目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
本装置は、一般的な四球式摩擦摩耗試験装置です。
JIS はもちろん、ASTM 規格(1,800rpm×10sec) での試験も可能です。
                             ※ASTM(アメリカ材料試験協会)




2.技術コラム
[数値化]
  最近メディアを賑わしているIoTですが、「IoTとは何か?」の問いかけに対しては単語が漠然としているので明確に答えようとすると躊躇する面があります。「Internet of Things」の略で直訳すれば「モノのインターネット」となります。パソコンやスマホなどの情報通信機器に限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながることで、ビジネスモデルが変わり生活の質を向上させたりコスト削減などで利益を得たりできると言うものです。

 漠然としていて理解に難しい方も多いかと思いますが、今現在も世界はIoTを使って革新的に前に進んでいます。具体的には、個人の生活において冷蔵庫や洗濯機がインターネットにつながることであり、製造現場においては工場のラインや物流トラックがインターネットにつながることです。「モノ」とは「ありとあらゆるモノ」を指しており、IoTとはありとあらゆるモノがインターネットに接続される世界のことを言っています。
 強調すべきことは、情報通信機器に限らず「ありとあらゆるモノ」だということであり、安直に「モノ」を定義づけようとすると視野を狭めビジネスチャンスを逃すことになります。一見インターネットにつながる意味がなさそうであっても、例外なく繋がる「モノ」だと考えることがIoTを理解する上では重要です。

 IoTと並んで使われているのが、ビッグデータです。人工知能も深層学習の核はデータの大きな塊です。インターネットを使ってGoogleで検索していると、いつの間にか使っている人の嗜好に合わせた画面になっていることを感じます。これも検索データを集めビッグデータとしてIoT化していることの現れです。

 突き詰めるとIoT化の核技術は「モノ」の数値化と言うことになります。弊社では研究部門向けに評価装置を提供していますが、これもセンサーを使ってテスト品のデータを集め数値化、評価担当者の見やすい形に加工してグラフ化や表化をすることでデータ処理ビジネスとしてIoTの一環を担っています。

 次回も引き続き、装置ビジネスのIoT化について取り上げたいと思います。




3. 書籍紹介
the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』  
東洋経済新社 スコット・ギャロウェイ著  渡会圭子訳   2018年8月発行  
  IT業界の四強:GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)について、自らもかつて起業家でありベンチャーキャピタリストでもあったニューヨーク大学スターン経営大学院教授の著者が、冷静にシニカルに分析しています。

 それぞれの企業の歴史と現状を多数のデータによる客観的分析と、豊富な人脈を元にした主観的分析により徹底的に解説。そして、それらに共通する企業行動と浮かび上がる戦略、さらには今後のビジョン、またGAFAに続くであろうIT系企業についても、氏なりの予測見解を披露しています。

 そういった激変する世の中で、われわれ一般人がどのように生きるべきか蘊蓄のある示唆も与えてくれます。
 なんと言っても、最終章の表題「少数の支配者と多数の農奴が生きる世界」という言葉が、IT社会を象徴するキーワードとして衝撃的です。





4.ブレイクタイム
【秋の七草】
 七草と言われて思いつくのは、正月明けに七草粥として食べる「春の七草」かと思います。しかし、秋にも「秋の七草」があります。こちらは食べることはなく、主に鑑賞用として秋の風情を楽しむためのものです。「秋の七草」は万葉集からきていると言われます。

 萩・ススキ・くず・なでしこ・おみなえし・ふじばかま・桔梗、以上が秋の七草です。名前を聞いて、いくつ花の姿が思い浮かびましたか?最近では花屋やスーパーでも売られているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。しっとりと咲く日本の花、という印象です。

 もうすぐ十三夜があります。一年の中でも中秋の名月(十五夜)に続いて月が美しく見えると言われています。2018年の十三夜は10月21日です。別名、栗名月や豆名月とも言います。

 秋の七草のススキや栗などお供えして、月を見ながら秋を感じるのもいいかもしれません。




5. -コラム-
購入・所有についての価値観の変化」
                                             /青木邦章
  先日、運転中に聞き流していたFMラジオの話題。若者にファッションの購入先をアンケートしたところ、1位はZOZOTOWNで、2位は古着屋とのこと。真偽のほどは不明ですが、高級ブティックや専門店は売上不振に陥っているとか…。

 古着屋については、ビンテージ物の高級ショップと、中古の安売が混在している数値であり、必ずしも消費者が衣服にお金をかけないかどうかは不明ですが、いずれにしてもバブル華やかなりし頃のような高級ブランド志向でないことは確かなようです。
 服飾コンサルタントのコメントでは、個人の自己主張の場がインスタグラムでの旅行・食事・レジャー体験の発表・共有になり、ファッションそのものの価値が低下しているとのこと。

 確かに多くの若者のクルマに対する関心も同様。われわれの若かりし頃とは全く異なっており、単なる移動手段としてしか捉えていないように感じます。そのため、軽自動車で十分であり、また自己所有でなくても必要な時にレンタカーを借りれば良いといった感覚。
 音楽やゲームソフトのようなコンテンツビジネスにおいては、サブスクリプションなる配信形態(一定期間使い放題・借り放題)が全盛。腕時計・バッグ・アクセサリー・家具から車まで、所有するのではなく、一定会費や比較的少額費用で好きなものを好きな期間借りるといったスタイルがポピュラーになりつつあるようです。

 もはや物を所有するといったことに価値を見出せない時代になったのでしょうか?

 そういえばわれわれ開発試験機の業界でも、お客様から「購入する予定はないが、レンタルはできないのか?」とか、「委託試験をしてもらえないか?」といった問い合わせが急増しているように感じます。こちらはB2B(ビジネス同士の取引)であり、ちょっと意味合いは違うかもしれませんが、根底にはエンジニア層の多くが日常でそういった感覚を普通に持っていることも影響していると思います。

 試験機業界もビジネス形態を考え直す時期かもしれません。

 



6.技術コラム
[自動運転の究極の選択]
  世界各国で進められている自動運転技術開発ですが、安全に走行するためのセンシング技術や制御技術は実用化に向けてあと少し、というところまできています。しかし、そういった技術課題とはまったく違う分野で最終的にクリアしなければいけない「究極の選択」があることをご存知でしょうか。

 それは、ある危機的状況、例えば目の前に歩行者が現れてブレーキによる停止が間に合わない場合、そのまま歩行者に突っ込むのか(歩行者が犠牲)ハンドルを切って壁に激突するのか(乗員が犠牲)をAIにどう判断させるのが正しいか?という倫理観の問題です。

 歩行者と壁以外にも、子供と老人、医者とホームレス、妊婦と子供を抱いた母親、さらには犬と猫など、様々な状況が考えられます。また仮に、年齢が若い方を優先する、男性よりも子供を産める女性を優先する、などのルールを決めたとしても、もし優先順位の高い方が信号無視をしていたらどうするか?など他の要因も考慮すると更に複雑化します。

 もちろん明確な正解はありませんが、最終的には何らかの答えを出さなければいけない問題であることは理解できます。
 これについて、MITが現在興味深い調査を行っています。「モラル・マシン」で検索すると誰でも参加(回答)できるウェブサイトが見つかりますが、まさに上のような様々な究極の選択の場面で、「あなたならどうする」を選択し、その統計をとっているのです。

 回答すれば、全体の統計に対し自分がどの様な判断をしたのか(交通ルール重視なのか、年齢重視なのか、職業重視なのか…など)が表示されますので、興味のある方は回答し、AIにどの様な判断をさせるべきなのか考えてみるのも面白いと思います。
7.やまのひとりごと
 あっと言う間に10月がやってきましたね。

 10月くらいから年末に向けてスケジュールを組まないと、ハロウィーン、クリスマス、年賀状準備、大掃除、おせち準備、お正月を落ち着いて進めることができないことに昨年気がつきました(ただ作業が遅いだけ…?)。みなさんも、各イベントを悔いなく楽しめるように早めの準備をおすすめします。