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1.製品紹介 |
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操安系部品・自動運転・走行安全システムの
開発試験を行う装置です。
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2.技術コラム |
[一義的] |
このところ稲田防衛相の答弁が色々と話題になっています。虚偽が疑われることのみならず、あいまいな表現で多義的な受け答えが多く、いろんな受け取られ方をされてしまっているからです。ご本人は弁護士であり、法廷での論争をどのように進めるべきか熟知されているはず。政治家となってしまったからなのか、本心が見えない答弁には残念な歯がゆさを感じます。
本来言葉には、いろいろな意味があり多義的なもの。そこで専門書では、キーワードに定義が示されていることが普通です。そうすることによって解釈の方向を定め、作者の考えていることを一義的に伝えるよう工夫されています。特許なども同じですが、あまりに定義的な文章の連続で、理解するのに時間がかかるのはご存知の通りです。
弊社では、装置を受注する前にお客様から要求書をいただき検討。次に見積仕様書を作成して持参し、説明させていただいた上納得された金額と仕様内容で受注となります。その後製作仕様書を提出し、形式上疑義の無い流れの中で装置を製作していきます。
製作段階でチェックすべきは、予算通りに利益が出るか?お客様の満足度は如何か?といった点となります。金額面は経験的な要因も多く、どうにかまとめられるのですが、満足度を満たすには、経験を含めた総合的力量が必要となります。
結論的に、満足度は装置製作工程の最終立会でテストされます。製作仕様書にあいまいな表現が多いと、要求と実態との間に食い違いが生じることが多くなります。当然いくつかの修正が必要となり、利益の圧縮や納期の遅延を引き起こしてしまいます。そしてそのたびに、製作仕様書の不備を痛感する事となります。
立会において、お客様から要求されている事と装置との食い違いを潰していくことは、それほど難しいものではありません。大概は過去に製作された装置で要求されたことの延長線上にあります。製作仕様書の取り交わし段階で、一義的に表現されていない言葉が、解釈の違いで行き違いを生じさせてしまっているだけです。
忖度も必要ですが、きっぱりと解釈の方向を定めることも大切だと感じます。
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3. 書籍紹介 |
『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』
山口周著 光文社新書 2015年1月発行 |
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日本人ブルーカラーの生産性は非常に高いが、ホワイトカラーのそれは概して低い。久しくそう言われてきておりますが、そんな日本人の弱点に解決手法を提示しています。
哲学や美術史を専攻し、BCG・ATカーニーといった超一流外資系コンサル会社を渡り歩いている著者は、発想も日本人離れ。
知的生産のための戦略構築、そして①インプット、②プロセッシング、③アウトプット、さらにはそれらを知的ストックと、非常に論理的で明快なシステム思考。人文科学と経営科学の交差点にポジションを取る、と標榜する著者らしい展開の一冊です。
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4. ブレイクタイム
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【桜餅】
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春といえばどんな食べ物を思い浮かべますか?ひな祭りのちらし寿司・菜の花・花見団子に草餅…等々ありますが、私は桜餅を思い浮かべます。
桜餅には大きく分けて2種類あります。一つは関東風の長命寺。小麦粉と白玉粉を混ぜ水で溶き、クレープ状に焼いた皮でこし餡を巻いたお菓子です。もう一つは関西風の道明寺。道明寺粉(蒸したもち米を干して、粗く挽いたもの)で皮を作り、大福のように餡を包んだお菓子。どちらも桜の葉の塩漬けが巻かれており、桜餅と呼ばれています。
皆さんの地域では、どちらが桜餅として親しまれていますか?ここ浜松では、道明寺の桜餅が主流のようです。あのつぶつぶした食感がおいしいですよね。しかし、私は浜松出身ではないため、長命寺の桜餅の方が馴染み深いです。あの味が恋しくなってもなかなか近所のお店では販売されておらず、残念です。
ネットで通販されていないか調べてみても、お取り寄せできるのは道明寺の方が多い様子。クレープ状の生地が乾燥しやすく宅配には向かないのかもしれません。そもそも宅配をいやがる所もありますし、お店で購入しても「本日中にお召し上がりください」と書いてあります。
この時期にしか食べられない桜餅。ぜひ、満開の桜の下でいただきたいものです。
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5. -コラム- |
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「仕事に追われず、追いかけろ!」
/青木邦章
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例年、年度末の3月はスタッフ一同東奔西走、納品・検収対応で大騒ぎの状態。商社もお客様も同様にみなさん幾分殺気立っているように見受けられます。「毎年、決算時期は同じなのにどうして計画的に予算執行できないのだろう?」この時期には、そんな嘆きとも憤りともつかない“つぶやき”が、そこかしこから聞こえてきます。
しかし、そんな状況の中でも涼しげにマイペースで仕事を進めている輩も、チラホラとは存在します。
そんな人の多くは決して負荷量が少ないというわけでもなく、むしろバタバタ駆け回っている人たちよりもよりたくさん仕事をこなしている人もいるようです。果たして、この差はどこから来るのでしょうか?
観察してみると、有能な人は一様にデミングサイクル(Plan・Do・Check・Action)をきれいに回しています。手帳や電子媒体を駆使して、その日のDos and Don’ts(やるべきこと、やってはいけないこと)を着実にきちんとこなしているといった印象。それに対して要領の悪い人たちは、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、行きつ戻りつしながらも一向に前進しません。
前者はPDCAの中でも、とりわけPlan段階に時間をかけて、課題を整理し入念な工程表を作成していることに気づきます。計画段階ではいろいろなケースを予想し、実際の実行段階になってから、いわゆる想定外の事態が発生することを防いでいるようです。だから突発的な変化に対しても、涼しい顔で泰然自若。大物ぶりを見せつけるのでしょう。
また、そういった人たちは、概して朝は早く出社し、帰りも比較的早くに退社しているように見受けられます。まさに仕事(期限)に追いかけられるのではなく、一周先回りして仕事を追いかけているような行動です。
毎日、毎日、悲壮な顔でバタバタと走り回っているあなた。今年度からは意識的に行動パターンを変えてみてはいかがですか?
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6.技術コラム
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[流体力学] |
今回は機械工学の4力学「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」のうちの最後、流体力学についてです。
空気・水・オイル・溶液などの各種流体を扱う力学ですがこれも熱力学と同様に目に見えない流れの状態やエネルギーを扱うために概念として捉えにくい部分があり、学生時代も苦手とする人が多かった様に思います。アルキメデスの原理やパスカルの原理などを入門編としベルヌーイの定理あたりまでは比較的理解しやすいのですがオイラー方程式やナビエ-ストークスの式になるとレイノルズ数・ラグランジュ微分・デカルト座標といった言葉が教科書に並んでいるのを見ただけでうんざりした記憶があります。
自動車開発の現場においては、わかりやすい例では車体の空気抵抗を解析する風洞実験などがあり、テレビで映像を見た事がある方も多いと思います。その他、ガソリン・エンジンオイル・ミッションオイル・ブレーキオイル・冷却水など自動車にもいろいろな流体が使われており、それぞれ専用の試験装置があります。
当社でも燃料やオイルの温調・流量制御を行う装置やブレーキ試験機、泥水環境下でのブレーキやプロペラシャフトの耐久試験を行う装置など、流体に関わる装置を多数制作しています。
流体を扱う場合に難しいのは、粘性というものがあること。特にオイルは温度が高いとサラサラですが-20℃以下の低温になるとドロドロのマヨネーズ状になるものもあり、ポンプや使用機器の選定が非常に難しくなります。粘度が低い高温だと隙間からのリークが増えるため圧力を上げにくくなり、粘度が高い低温では抵抗が大きくなり流量を上げにくくなる、という二つの相反する悪条件をクリアする様なシステムを作る必要があるのです。
こういった技術的課題をクリアするためには計算がもちろん重要となります。しかしそれだけではなく、失敗も含めた経験で培われたノウハウがいろいろなところに活かされているのです。
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7.やまのひとりごと |
先日、映画「ラ・ラ・ランド」を見てきました。アカデミー賞6部門受賞も納得の大変素敵な作品でした。
こちらの映画の監督をされた方はまだ32歳と聞き、非常にお若いことに驚きました。
ちなみに、昨年のアカデミー賞を賑わせた「マッドマックス~怒りのデスロード~」の監督さんは現在72歳!続編を制作中とのことで、なんともパワフルですね。素晴らしい作品をつくるのに年齢は関係ないのだなぁ、と改めて思いました。
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