目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
自動車走行駆動用モータ及びスタータジェネレータなどの
高効率性能試験を行う装置です。
 〈出展:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 高効率モーター用磁性材料技術研究組合〉




2.技術コラム
[語彙力]
 読書推進運動協議会が発表している「若い人に贈る読書のすすめ」で、斉藤孝著「語彙力こそが教養である」が挙げられています。3万部を超えればベストセラーと言われるビジネス書の中で、14万部を越え一流の部類に入る発行部数となっています。この中で、語彙とは「教養」そのものであり、会話の表現力や説明力に直結するものとされ、語彙力を持つか持たないかによってその人の知的レベルが映し出されてしまう、と書かれています。知識と教養とを比較しながら、ビジネス書らしく知識人のプライドをくすぐりながら語彙の身につけ方を展開しているところにベストセラーとなりうる秘訣が見える本です。

 同書によれば、日本語の90%を理解するために必要な語彙数はおよそ1万語。それに引き換え英語が3000語、スペイン語やフランス語に至っては2000語足らずで理解できてしまうとのこと。受験勉強で十分な単語数を持つ日本人が、その割に英語を話すことが出来ないのは日本語的なロジックで英語をしゃべろうとするからかと考えさせられるデータでもあります。

 工学系に置き換えて考えてみると、語彙力=技術用語力と言えるのではないかと思います。弊社のビジネスにおいても、案件獲得時の要件抽出から始まり要求事項の仕様書への反映。受注後には、仕様書を読み砕いての装置への落とし込み。いざ装置が組み上がってからは、仕上がった装置の取扱いの説明や、要求を満たしているかを検収に向けて整合させる作業。いずれも技術用語力が足りないと深い議論も出来ずに回り道をするか、消化不良な装置として仕上がってしまいます。用語力が無いと、いろんな場面での議論も通り一遍の空論に収まりがちです。

 上述では、語彙力をつけるために如何にしてインプットのレベルを上げるかを紹介。論語から始まりインターネット検索や良質なテレビ番組まで、知的生産向上の方法を列挙しています。場面に応じた表現を用いることが語彙力をつける訓練となり得ることや、その訓練の成果が聞き手を説得する早道となることを説いています。参考となりますね。 




3. 書籍紹介
『イノベーションはなぜ途絶えたか』  
山口栄一著 ちくま新書 2016年12月発行  
 日本のものづくり力低下の危機が叫ばれてから、だいぶ年月が経過しています。物理学研究者からイノベーション戦略研究者へ、さらにはベンチャー投資家へと転身した著者が、文理両方の視点から独自の理論を展開し、日本経済再生のための提言を熱く問いた書。
 自身の経験や大手の失敗事例、日米の彼我比較を元に、日本の文部科学・経済産業政策の問題点、社会変化と教育などに論理的に鋭く切り込んでいきます。 
 著者の熱い思いが書面を通じて激しく伝わってくるとともに、イノベーションや商品開発について、あらためて考えさせられる一冊です。





4. ブレイクタイム
【春キャベツ】
 冬の間、家計と献立を助けてくれていた白菜の値段が上がるころ、特売なら1玉150円前後という大変お求め安い価格でスーパーに並び始めるのが春キャベツです。白菜といえば、お鍋に入れて火を通しても、生のまま刻んでサラダや浅漬けにしても美味しく万能ですが、春キャベツも同様。煮てよし焼いてよしサラダでよし、と大変頼りになるお野菜です。また栄養価も優れており、風邪予防や美白に効果があるビタミンCが多く含まれているそうです。健康のためにも積極的に食事にとり入れたいですね。

 暦の上では春とは言え、まだまだ寒い日が続く3月、春キャベツを芯ごとざくざく切ってポトフなんていかがでしょうか。実家で暮らしていた頃、母がよく土鍋でポトフを作ってくれたのを思い出します。大きく切ったキャベツに、ジャガイモ・ブロッコリー・玉ねぎ・人参・ブロックベーコンやハーブのきいたソーセージなど、とにかく具沢山で、野菜の甘みが溶け出したスープが大好きでした。いつもの汁椀ではなく、大きなドンブリにたくさんよそってお代わりしたものです。お味噌汁に煮魚、なんて献立の時とは違って、コンソメとローリエの香りがする台所はちょっと特別な気がしました。

 春キャベツがお安く手に入ったら、大きなお鍋で具沢山のポトフを作ろうかな。母のあの味には及びませんが、大きなドンブリによそってたっぷりいただきます。
 




5. -コラム-
忍び寄る主役交替」
                                             /青木邦章
 最近、観光業に大きな変化が起きているように感じます。伊豆・箱根といった知名度抜群の観光地でも、老舗旅館が次々と店じまい。テーマパークや有名リゾートも閉鎖されるところが目立ちます。しかし、その一方でそれらの旅館やリゾート施設を買収や委託管理し、見事に再生する例が数多くあるのも事実。
 確かにリフォームやシステム変更はなされるものの、基本的施設はそのままで、もちろんロケーションも変わりません。なぜ、運営主体が変わるだけで、業績が急激に持ち直されるのでしょうか?

 長年の垢を一掃し、人心一新。目新しさが話題を生むといった効果もあるでしょうが、どうもそれだけではないようです。人間というものは、急激な事件や環境変化には危機感を持って立ち向かっていけるものの、長い年月をかけてのゆっくりとした衰退には対応しにくいのかも?受け継がれてきた確固たるブランドや、かつての栄華を忘れられず、明日こそ、明日こそといたずらに時を浪費してしまいがち。知らず知らずのうちに体力が低下し、気が付くとすり鉢の底から這いあがれなくなってしまうのかもしれません。

 一方、新規参入グループはいろいろなシガラミに無頓着、義理人情とは無縁の世界。果敢に勝負を仕掛けるため、顧客本位の営業にいとも簡単にシフトチェンジできるのでしょう。
 わが自動車産業も、開発の中心が内燃機関⇒HEV⇒EVと、また制御やセンシング技術の刷新に注力。さらには自動運転化と、徐々にではありますが、時代が移ろいはじめています。気を付けないと、100年以上の歴史を持つメガ自動車メーカが、グーグル・ソフトバンクといったITベンチャーに主役交替となる可能性も秘めています。
 そして、既存自動車メーカ主体に営業活動を集中しているわれら試験機屋も、気が付いたら巨艦と共に海の藻屑となって消え去ってしまうといった恐れも…。
 他業界の平家物語を参考とし、これからは常に危機感を持って、企業の方向性を模索していかなければいけないのかもしれません。






6.技術コラム
[熱力学]
 前回までに、機械工学の柱となる4力学「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」のうちの材料力学、機械力学について身近な例をあげてご説明しましたが、今回は熱力学についてご紹介したいと思います。熱力学とはその名の通り、熱を扱う物理学の一分野です。学問としては非常に幅が広いのですが、ここでは自動車や当社の開発試験機において扱う部分を中心にお話したいと思います。

 熱というのはエネルギーの一種で、私たちの生活のあらゆるところに存在し利用されています。エアコン・暖房・調理器具なども全て熱をコントロールする事で快適な生活に役立てられているのですが、自動車技術においても様々な場面で熱の取り扱いが重要となります。多くの場合、熱は厄介者として扱われ、いかに熱を発生させないか(またはどのように発生した熱を冷却するか)について技術者は頭を悩ませているのです。人間も熱いモノに触れると火傷をしますが、機械部品も過度な温度上昇は膨張や変形を伴い、液体であれば蒸発や発火など、自動車を安定して走らせるためにはあまり良くない状態になることが多いためです。

 当社の開発試験機に関連する技術としては、ベアリングテスタやピストン摺動試験機などの摩擦摩耗試験機が摩擦熱などの発生を低減させるための研究開発に使われていますし、エンジンやトランスミッションのモータリング試験機に付帯する恒温槽では、マイナス40℃~150℃までの環境を作り出しています。また、供試体内部を循環させるオイルやロングライフクーラント(冷却液)を温度調節する装置も多数製作しています。

 材料力学や機械力学と違い、この力学は「熱」という目には見えないものを扱うため直感的に理解しにくい部分もあります。発熱によって装置が故障しない様、物体の比熱や熱伝導率などから使用するヒータやクーラを選定したり、各種計算を行いながら装置設計を行っています。

7.やまのひとりごと
 ホワイトデーのお返し、女性の皆様は何が嬉しいのでしょうか?
男性の皆様、お渡しする際には「いつもありがとう」と一言添えてみると
よりいっそう喜んでもらえるかもしれないですね。

女性の皆様は次回のバレンタインに感謝の言葉を追加してみましょう。
特別な日でなくてもありがとうの気持ちを伝えることを習慣にしたいですね。