目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
発進駆動を模擬した極低速で、モータトルクの計測ができる装置です。
振動を抑制する制御の効果検証も可能です。



 




2.技術コラム
[個人差]
  個人差を評価するのに、学習曲線のパラメータがよく用いられます。練習量と反応時間の関係を表したもので、RTを反応時間、Nを練習量とするとRT=a×N^(-b)といった式で表せるとの経験則です。この式のaとbとによって個人の学習度が評価できます。ここでのaは物事に対する適応性、bは習熟の早さを代表するパラメータとなっています。
 別の見方で評価したものとして、y=A(1-B^x)と表現されることもあります。この場合はAが習熟の限界値、Bが習熟の早さを表現しています。いずれも、人間の特徴として物事を繰り返して経験すると、指数関数的にそれをマスター出来る。しかし、そこには限界点がある、との法則を数値化したものです。
 さらに学習の概念を業務に広げて、タスクがより頻繁に行われるようになるとコストが飛躍的に減少することに言及。商品やサービスの分野にまで適用したものが経験曲線として、同じ経験則で表現されています。装置の開発においても、リピート回数が多くなっていけば開発費用が推定できる、との予測曲線となります。
 これらが意味することを理解しながら物事に相対していくと、壁にぶつかった時に支えとなります。初めての事に対して初心者であればあるほど壁は高く見えるのに比べ、何回か同じことを経験していくと、壁は始めの頃よりも低く感じられてきます。

 個人差ともなる、経験のパラメータをどのように捉えるか?限界点にはそれほど個人差がないことは、経験則の中でも証明されています。如何にして習熟性のパラメータを上げるか?個人差を無くすようにするにはどんな方法があるか?これらを意識していくことは装置の設計にも繋がります。
 装置を如何に使い易くするか。ソフト画面設計に着目すれば、画面の階層が深いと習熟性の妨げになることになります。従って、最近では1画面の中に機能を盛込んで判り易く操作に慣れやすい構成が好まれる傾向にあります。
 まわりを見渡すと、今どの階層にいるかわからない画面構成の装置が多くはありませんか?





3. 書籍紹介
『世界を変える100の技術』  
日経PB社 日経PB社編 2016年10月発行  
 世の中全体、政治も経済も不安定な方向へと進んでいるようですが、技術革新の面でも大きなうねりが押し寄せつつあるように感じられます。
 本書は日経新聞社系列の各ジャンル専門誌の編集者たちが、それぞれ担当分野の技術動向を予測したものです。非常にざっくりとした内容ではありますが、全体の傾向を俯瞰するには最適の一冊かもしれません。

 それにしても、どのジャンルにおいてもキーテクノロジーとなるのは「IT技術」。これからの世の中を象徴しているようにも思えます。





4. ブレイクタイム
【チョコレート】
 寒い日が続いていますが、体調はいかがでしょうか。東京の2月の過去平均気温を調べてみたところ、最低気温の平均は3度、最高気温は9度でした。まだまだ寒い日が続きそうです。外出されるときは暖かいコートにマフラー・手袋をして、からだを大切にしてくださいね。
 最近は自ら進んで家事・育児、そして介護に協力する男性が増えていると聞きます。ですが皆様、仕事は忙しいまま家族への思慮・対応が増え…責任感からストレスを感じてはいないでしょうか?家族に関するささいな悩みこそ、実はストレスの要因になっていることもあるそうです。安らかな気分を保つため、日々思っていることや不満・愚痴などどんな話も否定しないで聞いてくれる、そんな相手がそばにいたらいいですね。

 今月はバレンタインデーがあります。おいしいチョコレートでストレス解消はいかがでしょうか。甘いチョコレートに心が癒され、さらにストレス解消・疲労回復にも効果が期待できます。チョコレートの効能については既によく知られていると思いますが、生活習慣病の改善などの健康効果を期待するには、1日に200~500mgぐらいのカカオポリフェノールを毎日何回かに分けて摂取することがおすすめだそうです。

今月チョコレートをいただけたら、最高の励ましになりますね。

(参照:日本チョコレート・ココア協会)  




5. -コラム-
「大河ドラマと町おこし
                                             /青木邦章
 NHKの大河ドラマや朝ドラによる地方の産業振興が時々話題になります。昨年はご縁があって訪問した長野県上田市で「真田丸」のフィーバーぶりを目の当たりにし、今年はご当地浜松が「井伊直虎」で盛り上がっています。女性活躍の時代を受けてか、あるいは視聴者の半分以上を占める女性を意識してか、史実はともかくとして女性にスポットライトを当てた展開も特徴的です。

 行政機関・商工団体・地元商工業者はキャラクタや土産物、そしてイベントづくりに躍起になっており、それはそれでかなりの効果も生んでいるようです。しかし、反面怖いのはいずれの場合も一過性のブームに終わり、多くは長続きせずに知らないうちに忘れ去られていくといった事実です。確かに毎年それぞれ新しい場所が取り上げられていく中で、本物でないものは早晩消えてしまうのはある種の宿命。仕方のないことなのかも?

 そもそも、歴史は事実関係をヒントに時の為政者やブームメーカが意図的に創り上げ、大衆がそれを支持追認するといったのが構図。そこに感動を生むストーリーが隠されていたり、わくわくする仕掛けが随所に織り込まれていないと長続きしないもの。そのためには仕掛け人の綿密かつ周到な準備と、深い洞察力・実践力が鍵となってくるのでしょう。過去、いろいろと町おこしイベントに絡んだこともありますが、いずれも安直に二匹目のどじょうを狙ったり、他力本願でおこぼれのみを期待するような輩が多いのも事実。

 本当の意味で町を愛し、長く続く文化を創造・発信する人材が求められている時代だと考えます。






6.技術コラム
[身近な機械力学]
 前回は機械工学の柱となる4力学「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」のうち、材料力学について身近な例をあげてご紹介しました。今回は機械力学について簡単に解説してみたいと思います。

 機械力学というと漠然としていて具体的にどんな学問なのかわかりにくいですが、機械の動作に関する様々な現象を扱うもので、材料力学では物体は変形することを前提としているのに対し、機械力学では物体は剛体(変形しないもの)であることを前提としているのが特徴です。「作用・反作用の法則」「ニュートンの運動方程式」「単振動」「慣性モーメント」「フックの法則」などは全て機械力学で扱うキーワードです。
 当社での開発試験機設計において機械力学は、リンク機構や歯車などの機械構成要素における運動状態・力・エネルギーなどを計算し、必要とされるスペックを満たす機械構成を設計したり、機械の振動を解析したりするために必須の学問です。

 こういった機械要素の身近な例を少しあげると、電車のパンタグラフは4節・2自由度のリンク機構でできており、時計やミニ四駆にはたくさんの歯車が使用されています。また、カメラの三脚の上下調整機構もラック&ピニオンという歯車の1種で構成されています。この他、身の周りにあるいろいろなバネやレバー機構なども機械力学を使って設計されるものです。
 この様な機械要素を組み合わせて1台の機械装置が出来上がる訳ですが、要求される機能(目的)を実現する機構(手段)には無限の選択肢があります。そして、どの様な機械要素を組み合わせるかが設計者の腕とセンスの見せ所であり、機械設計の面白い所です。

 複雑に作ろうと思えばいくらでも考えられますが、シンプルで無駄の無い機構こそがQCD(Quality・Cost・Delivery)全てにおいて優れている設計なのではないでしょうか。また例にあげた身のまわりで良く見かける機械要素というのは、こういった条件をクリアして時代とともに洗練されて生き残ってきた機構であると言えるでしょう。

7.やまのひとりごと
 やまの住む愛知県には、バレンタインの催事場の売り上げが日本一の百貨店があります。なんと期間中1ヶ月程の間で約15億円もの売り上げがあるとか。
 毎年その百貨店でバレンタインチョコのカタログを貰ってくるのですが、なかなかのお値段に怯んでしまい、結局買えずに眺めるだけでシーズンが終わってしまいます。 
 誰か買ってくれないかなぁ…と、毎年思っているやまなのでした。