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1.製品紹介 | |||||||||
【建設機械用車軸負荷装置】 |
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本装置は、建設機械の前後輪の左右に負荷吸収装置を接続し 出力軸に衝撃負荷、一定連続負荷、変動負荷を加える無人耐久試験及び性能試験を行う装置です。 |
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●装置イメージ図 |
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2.技術コラム | |||||||||
[単純化] | |||||||||
問題点がなかなか解決できないとき、茫然とただ壁の高さに圧倒されていると、前に進むことができなくなることがよくあります。数学で複雑な数式を前にいきなりXにある数を代入して計算するようなもので、因数分解をすれば単純化して計算できるのも知らずに苦労して無駄を行っているがごとくです。 制御プログラムで、解決できないような問題をかかえた時も、因数分解の単純化を思い出すと糸口が見つかることが多いもの。その実践的な手段が、とにかくデータを掻き集めることです。制御している対象の制御操作量から、目標値やプロセス値など採れるデータをすべて時系列に並べながら眺めていると、プログラムのどこに問題があるのかが見えてきます。 論理的に考え抜いて実装すると、ついつい複雑な制御フローになり、チェックポイントが見えなくなることがプログラマーの陥りやすい落とし穴です。今回も走行抵抗制御において、実走のトルク値と台上値が一致せず、解決の糸口が見つからない場面に遭遇。こんな時こそ、と時間を掛けてデータ取りを実行。時系列に操作量と制御値、センサ値を眺めていると物理モデルの解釈に違いのあることが証明されました。 初心者ほどこのスキルを持ち合わせておらず、いたずらにプログラムをさわり結果的に煩雑な実装となり、余計に解決できないプログラムを作りあげる傾向にあるようです。でも、それは誰もが通過する道であり、解決する道筋も多様なので、踏ん張って苦労してみるほかに技術は身につかないものです。 データを整然とならべ分析することが出来るか。分析の結果、制御する物理モデルと制御実装理論が違っていることを見つけることが出来るか。地道な事を行いながら踏ん張って解決法を見つけられるか。これらを習得できるのは、常日頃因数分解が出来ているか、単純化が出来ているか、が重要だと考えます。 |
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3. 書籍紹介 | |||||||||
『ビッグバン・イノベーション』 ラリー・ダウンズ、ポール・F・ヌーネス著 ダイヤモンド社 2016年2月発行 |
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マイケル・ポーター(5フォース)、ジェフリー・ムーア(キャズム)、クリステンセン(イノベーションのジレンマ)、ミンツバーグ(戦略サファリ)、チャン・キム(ブルーオーシャン)などなど、経営学の世界ではこの30年北米を中心として競争戦略・イノベーションについて、さまざまな理論が打ち立てられてきました。 しかしながら、現在の経済進歩・技術革新の変革はそれ以上にめまぐるしく、理論はどうしても社会経済情勢の追認となってしまいがちです。この数年IoTが話題になって、新たな製品やネットサービスが出現していますが、本書はそれらを包含する最新理論。 商品ライフサイクルもベルカーブ(釣鐘状)から、さらに鋭利な曲線のシャークフィンに変わってきていると言う破壊的イノベーション論です。さまざまな例を挙げながらシャークフィン理論を解説するとともに、その対処法について言及しています。 |
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4. 自動車開発最前線 |
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【自動運転はAI(人工知能)が決める】 | |||||||||
自動運転に関するソフト開発会社は、一体何社あるのでしょうか? 自動運転の課題が見つかるごとに、その課題の解決で一世風靡したいと考えるソフト開発会社は“雨後の筍”の様にどんどん誕生しています。自動運転ソフトメーカとセンサメーカが世界各国で凌ぎを削る。飛びぬけて素晴らしいセンサやソフトが開発できれば世界各国の自動車メーカとの取引に結び付き、ビジネスチャンスは限りなく広がります。しかし、ヒット作が生み出せない会社などは淘汰されるでしょうし、優秀な人材流出にも神経を尖らせる必要があります。 そう考えれば、必然的に自動車メーカは他社の後塵を拝することの無いよう、資本注入や囲い込みなどで開発の基盤を固めていく事でしょう。 では、肝心のソフト力とはそもそも何か。電車と違って、決められたコースを走行することは無いため、常に瞬間に判断し次の行動へとつなげられることが安心して走行できる重要課題です。車や人の予期せぬ動作への対応、悪天候時の動作への対応、高精度な位置情報と地図情報最新アップデート、車両実走行からの膨大データ処理としてのディープラーニング、ドライバ自身の感情や状態に左右されないシステム、法整備の充実…など、数えあげたらきりがありません。 昨今、燃費に関する問題として企業姿勢まで取り沙汰されていますが、これも開発競争が引き起こす産物の様に思えてなりません。燃費問題、排気ガス問題など企業間競争が激しさを増していますが、燃費は実走行ではドライバの技術、感情、性格などが支配的で、殆んど参考にならないように思えます。しかし、燃費の良し悪しは車購入の決め手になっていることから、不正も起こりやすのでしょう。 JC08モードの自動運転版の数値として、燃費だけでなく安全率(定量的表現が難しいですが)などに注目すべきではないか、と考える昨今です。 |
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5. -コラム- | |||||||||
「情報整理 /青木邦章 |
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この2~3か月、マイPCの調子がいまいちで、なかなか電源が入らなかったり、キーボードやマウスがうまく作動しなかったり…。ついに完全に動かなくなってしまいました。やはり海外の怪しげな国で製造しているものは、信頼性に欠けるのでしょうか?CPUそのものは完全自動化ラインでの生産で、日本製などハイテク機器構成ゆえに、どこの国の工場でも一定品質が確保されますが、スイッチやキーボードなど、メカ機構を伴う安価な部品は製造メーカの実力如何で、かなり信頼性に差が出るようです。 業務ファイルなどは共用データフォルダに保管しているし、マイPCのドキュメントフォルダも定期的にバックアップを取っているので、大きな被害はありませんが、それでもちょっとしたファイルや日々のE-mailのやりとりなど、参照できないと不自由なことも多々あります。 この頃は、業務はもちろん全生活のツールとして、あらゆる局面でPC依存の毎日ですが、今回の件でどうも初期の使用法に比べるとだいぶぞんざいになってきていたこと、あらためて思い知らされました。昔はデータメモリも小さく高価で、またCPUの処理速度も遅かったためデータはきちんと人間側が階層構造で自己管理していたもの。 ところが最近は、とにかくドキュメントフォルダに適当に放り込んでおいて、必要に応じフリーキーワードなどで検索をかける。そのため情報全体に関しての体系的把握がなおざりになっていたかもしれません。 PCデータだけならばともかく、もしかしたら仕事に対する取組み姿勢、情報に対する管理意識にも、そういった場当たり的な面が表れているかもしれません。人間はPCと違い、CPUもメモリもおのずと限界があるもの。その分、大局的かつ直観的に意思決定をおこなうのが得意技。しかしそれも日頃の外部情報に対する咀嚼力があってこそ。これを機にもう一度仕事に対する姿勢を見直してみたいと思います。 |
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6.技術コラム |
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[技術開発の本質 |
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様々な分野での技術者が関わったデータ改ざんや不正のニュースは、同じ技術者として他人事ではありません。ですが、問題の根底にあるのは技術云々以前に、それに関わったそれぞれの人の仕事に対する姿勢であり、使命感であると感じます。 技術開発とは、仮説と実験と検証を繰り返して曖昧模糊とした様々な現象の成り立ちを解明し、再現性のあるものとして確立していく作業、と言えます。しかし、全ての仮説が当たらない事は当然であり、ある仮説が間違っているという事を確認するのもまた成果のひとつであるのです。そしてその先には、新しく生み出した技術を世の中のために役立てるという目的があるはずです。 誰もが知っているその本質から考えれば、データの改ざんや不正は本来起こりえない事ですが企業の中で業務としてそれを行っていく中で、限られた時間で「成功」という結果を出すことを強く求められ、いつの間にか本質を見失ってしまったことが問題の根本にあるのではないかと感じます。 技術開発に関わる人であれば思うような結果がなかなか得られない時の苦しみは誰しも経験している事であり、時にはデータ改ざんの誘惑に駆られることもあると思います。そして一度でもその誘惑に負けてしまうと、底なし沼に沈むが如く不正に不正を重ねていく結果となります。では、そこで踏みとどまる人と誘惑に負けてしまう人とは何が違うのでしょうか。それはやはり「自分は何のためにこの仕事をしているのか」を常日頃から意識しているかどうかではないでしょうか。 組織の中のしくみやルールで不正が行われないか監視することも必要かもしれませんが、それはあくまで対処療法でしかなく、今の時代に必要なのは、理念や哲学、使命感を共有し、目先の利益や安楽にとらわれないような組織・企業作りをしていく事。互いにそれを確認し合えるようなコミュニケーションの充実や雰囲気つくりであるように思います。 当社も常日頃から難しい技術への挑戦、価格競争や納期に追われるプレッシャーなど、それぞれの立場で様々な困難と向き合う日々ではありますが、小さな会社だからこそ技術開発の本質を忘れずにいられた事が評価され、ここまで成長できた要因のひとつなのかもしれません。そしてこれからも変わらずに道の真ん中を歩くような企業でありたいと思います。 |
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7.やまのひとりごと | |||||||||
ポートメッセなごやで6/29(水)から7/1(金)行われました「人とくるまのテクノロジー展2016名古屋」に出展いたしました。 お忙しい中ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。 展示内容や製品に関するご質問は、web-info@spacecreation.co.jpまでお気軽にお問い合わせ下さい。 |
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