目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.自動車開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介

【動弁系試験装置】

エンジンヘッドをモータ駆動し駆動トルク・回転数・潤滑油流量等を測定記録する試験機です。

 

2.技術コラム
[LabVIEW展望]

 NIアライアンスメンバー認定されております弊社、アライアンス総会に参加するとともに今年はNIDaysでのセッションを聴講して、大いに啓発されてきました。ずっと右肩上がりの売上高を達成し続けるNI社、今年からはIoTをキーテクノロジーにRealTime系のPXIを前面に押出して、今まで以上の売上増強を計画されているとのことです。システムインテグレータ各社はプレゼンを聴きつつ気が引き締まる思いで、戦略を考えていたのではないかと思います。

 このところ、ニュースで自動運転関連を耳にすることが多くなってきています。カメラやレーダセンサを組合せて安全運転を実現しています。一昔前の運転中のレーンキープ、衝突防止などと比べて情報量は膨大ですが、これもIoT技術のひとつです。ここでの検証には、LabVIEWが大いに威力を発揮しています。

 LabVIEWが誕生して30年。RealTimeに対応して18年、FPGA対応で12年となります。たかが10年余りの間にWindowsベースから大きく進歩しています。その進化を基本搭載するPXIは、様々な制御や計測、データ処理に広く対応できるようになっています。ECUの検証シミュレータなどでは、20kHzでの制御にも対応して、様々な検証に役立っています。

 LA向けの弊社装置でも、処理するデータ量は年々増加の一途です。データの取得だけで200MBを越えるファイルをつくってしまうこともしばしば。今のところはセンサ類から取得した数値データばかりですが、今後は画像データも含むビッグデータの処理も考えていかなくては、と感じています。

 PC系ハードの演算処理能力が毎年上がっているのはご存知の通りです。従って、実装するプログラムのロジカルな処理能力を合わせた相乗効果によって、付加価値を生み出すのが弊社の使命となってきています。また、装置に搭載する周辺機器の能力を最大限に引き出すことも併せて弊社の役割と考えています。







3. 書籍紹介
『新しい道徳』 2015年9月発行  
北野武著 幻冬舎  
 以前、このコーナーで“ビートたけし”の著書を紹介しましたが、今回は“北野武”の著書。どのように使い分けているのかわかりませんが、芸人と文化人とのスタンスの違いでしょうか?それとも、出版社(編集者)側の事情でしょうか?

 内容的にはそれほど差があるようには思えず、随所にいつもの“たけし節”がさく裂。真面目なテーマに対する氏独特のテレがあるのか、斜に構えた物言いではあるものの、なかなか核心を捉えた道徳論の展開です。

 古き良き昭和の時代のノスタルジアも感じられ、ある年齢以上の方にとっては共感する場面も多いかもしれません。





4. 自動車開発最前線
【自動運転車開発への期待】
 新聞の3面に、アクセルとブレーキの踏み間違えにより店舗に突っ込んだり、死亡事故発生の記事を時々見かけます。高齢者に限った話ではなく、若年層でも発生していることに驚きを隠せません。この問題の解決こそが、今話題の自動運転車の真骨頂ではないかと感じてしまうのは私だけでないはず。

 ブレーキとアクセルと間違えても、それを異常な行動として車が判断し停止する。そんな事が自動運転車ではできてしまうというのです。だからといって、運転技能が無くてもいいわけではないとは思いますが、いわゆる「踏み間違い衝突防止アシスト」なるものの実用化が始まっています。

 加速させないことはもちろんのこと、自動でブレーキの機能が働くという二重のプロテクトがこの類の事故を未然に防いでくれます。まず、車体前後に装備された超音波ソナーとカメラが障害物を検知することで、アクセルペダルを強く踏み込んでも障害物がある場合はクルマが加速せず、警告音とメーターディスプレイの表示でドライバーに警告する。それでもさらにアクセルを踏み込んでしまった時には「自動ブレーキ」が作動し、クルマは障害物の手前で停止する仕組みです。

 この機能は、アクセルとブレーキを踏み間違えた時にだけ有効に発揮するだけでなく「居眠り」や「わき見」など年齢に関係なくいつでもどこでも起こりうることも、未然に防いでくれると思われます。一般道、高速道路、サービスエリア、コンビニ駐車場等々、場所を選ばないのが、人間が起こしてしまう事故です。 
 運転の苦手な方々には便利な自動駐車機能なども搭載され、軽自動車から大型車に至るまで、衝突防止センサー付き自動車は売れているようです。だからと言って、自動運転に全部任せてドライバーは見ているだけ…事故はなくなっても、運転の楽しみまでなくならないように願いたいものです。




5. -コラム-
旅情」
                                             /青木邦章
 紅葉シーズン中、平日であっても駅のホームや新幹線の中には我々出張ビジネスマンに混じって多くの行楽客が溢れています。華やかでカジュアルな服装、大ぶりな荷物や土産物ですぐにそれと知れます。青ちゃん世代以上の人は、男女を問わずグループでおしゃべりしながらの楽しい旅行風景。仕事モードの我々からするとちょっと迷惑ではあるものの、ほほえましい光景です。しかし、それよりも若い世代、多くの旅行者の様子は、グループ・個人ともにちょっと違った雰囲気を漂わせています。

 何が違うのだろうかと、さりげなく観察してみると、それは駅のホームでも車窓でも、ひたすら黙って目の前の小さな物体を真剣に眺めている姿にありました。スマホを使って、SNSか何かで投稿している人。両手を駆使してせわしなくゲームか何かをしている人。窓のところに立てかけて映画か何かを見ている人。

 旅行という非日常空間を味わうということをせず、まるで自分の部屋か、喫茶店にいるような感覚のようです。通学や通勤の車内でならばともかく、旅行に来てまで?と首をかしげてしまいます。中には服装やトランクの気配から、海外からの旅行者と思しき人までもが…。

 旅と言うものは、名所旧跡で記念撮影をすることよりも、旅先での地元の人との何気ない会話や車窓から見る季節感・生活感の中にこそ、旅情を感じるもの。また、四六時中頭を離れない仕事や人生の悩みについても、そういった空間の中でこそセレンディピティが降りてきて、解決に向かうきっかけを得ることも多いはず。何か大切な時間を無駄にしているようで、他人事ながら勿体ないような気分になってしまいます。

 「汽車が山道をゆくとき、みづいろの窓によりかかりて、われひとりうれしきことをおもはむ。」(朔太郎)そう綴った大正時代の詩人のおもむきは、遠い昔のこととなってしまったのでしょうか?





6.技術コラム
[データの見せ方]
 このところ、フォルクスワーゲンの二酸化炭素排出量検査における不正プログラム搭載や、旭化成建材の杭打ちデータ偽装など、大手企業の技術的信頼性を大きく損なう不祥事が社会的問題となっています。これらは担当者個人の倫理観や組織の管理プロセス、上からの指示に対して「No」といえない企業風土など、多くの問題が背景にあると思いますが、我々も常日頃から試験機や計測装置のデータを取り扱う身として、改めて襟を正す気持ちで仕事に取り組まなければいけないと感じました。

 この様な不正はもちろんあってはならない事ですが、我々が日常的に取り扱う各種データについてはそれをどの様に見せるかというテクニックは非常に重要な事でもあります。計測したトルクや回転数、温度などのデータは、いわゆる生データの段階では単なる膨大な数値の羅列であり、それを集計・解析・グラフ化するなどして、目的とする評価項目の結果が良くわかる形にまとめる必要があります。

 パッと見た瞬間、視覚的に結果がわかる様なまとめ方ができればOK、じっくりとたくさんのグラフや数値を見ないと結果がわからないまとめ方ではNG、このあたりは数値から本質を見抜く論理的思考とセンス、経験が必要なことでもあります。ただし、見せたい結果を意識するあまり、意図的に印象を作り出す様なまとめ方はあまり褒められたものではありません。 

 テレビのニュースなどでも、母集団となるデータから一部だけを抽出して自分の主張に都合の良い数字を作り出しているケースも見受けられます。例えば、「沖縄県には在日米軍基地の75%が集中している」というのはある意味事実ですが、これは米軍“専用”基地だけの集計であり、自衛隊と共用している基地も含めるとその割合は約23%になる事をご存じでしょうか。他にも1gを1,000mgと表現を変えることでインパクトを強めた広告なども有名ですね。

 数字というのは、正直に・適切に使えば大変役に立つものですが、説得力があるだけに一部の抽出や感覚的な印象を鵜呑みにすると思わぬ落とし穴となります。時には何か裏が無いか疑ってみる姿勢も必要かもしれません。






7.やまのひとりごと
 10月末のハロウィンが終わってから、街はすっかりクリスマスムードですね。
やまもウキウキ浮かれ気分…と思ったのですが、カレンダーを見てびっくり!クリスマスからお正月までは8日しかないのですね。クリスマスにばかり気をとられていると、年末年始の準備が十分に出来ないままあっという間に新年を迎えてしまうことになります。
 クリスマスも大好きだけど、今年は年末年始の準備を優先させようかな?と考えているやまなのでした。