目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.自動車開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介

<プロペラシャフト動力循環式耐久試験機>
 自動車用プロペラシャフトにトルク・回転・遥動動作を付加し、耐久試験を行う装置です。
動力循環方式によるトルク負荷。トルク・スラスト力・遥動角度は任意に設定可能です。
 恒温槽及び冷却/過熱ユニット・冷却ブロアにより、供試体の温度環境を制御します。




2.技術コラム
[ハード依存症]
 最近はインターネットに接続していてほとんどストレスを感じることは無いと思います。PCで繋げるかスマホで繋げるか、どちらかと言えば日常的に情報を集めるにはスマホ。でも、これだけのトラフィック量があるのに一昔前のように検索更新に待たされるといったことはほとんどありません。ストレスを感じるのは「文字が小さくて読めない」とか「ネットサーフィンでの情報連携が頭の中で整理できない」と言ったぐらいでしょうか。

 一室の電算機が机に収まり、今ではポケットにまで収まっている。いずれもムーアの法則に従うようにハードが進化、コストは低減の恩恵によるものです。弊社の製作装置においても同様です。計測処理用の前面にあるPCだけでなく、周辺機器でもCPUを積んでいるものは須らくその恩恵に預かっています。

 概して、ハードの選択で高性能機種に頼りさえすれば、ストレスを感じることなく装置を完成させられる時代となってきているように感じます。付属する周辺機器においてもオープン規格採用でメーカの違いを意識せずにセットアップ出来る仕組みも充実してきています。初心者寄りに舵が切られているようです。

 総じて、ハード依存症に陥り、動けばどうにかなると言った風潮が出てきているようです。昔のように説明書を熟読し終えてから機器を使うのではなく、スマホ同様買ったその日から使える。これでないと、装置周辺機器が採用されない時代だと言えます。

 弊社でも工程効率化のため、基本的にはメーカの便利機能、高性能機器の採用を進めています。でも、それだけに頼っていると壁にぶつかることがしばしば。そんな時は無駄な機能を削ぎ落として、機器の必要機能だけを利用して解決を図っています。このように開発を進めていて望む事といえば、便利さを追求し過ぎて昔の機能が削除されないこと…でしょうか。







3. 書籍紹介
『とびます!とびます!』 2015年7月発行  
中川ちひろ 編集 株式会社パイ インターナショナル社 
 今月は、グッとやわらかい写真集のご紹介。と言っても、グラビアアイドルではなく、いろいろな動物の跳躍の瞬間を捉えた異色の写真集です。どのページもひたすら動物が跳んでいる写真のみ、文字もほとんどありません。
 動物が跳ぶという状況は、身の危険が迫り逃げる時か、あるいは獲物を捕獲しようと挑んでいる時?どちらも生きるということに直結している行為ゆえ、無駄をそぎ落とした美しさを感じます。 
 物理的にはそういった意味で跳ぶという行為と無縁になった人類ですが、人生の中で新たな可能性に向けて飛躍するといったシーンは、ますます重要になってきています。これらの写真集の美しい跳躍姿勢を頭に描きながら、あなたも新たなステージに向かって飛び出してみてはいかがでしょうか?





4. 自動車開発最前線
「自動運転とAI」 
 AI(人工知能)の自動運転技術開発に占める割合が一段と増してきています。今後の自動車開発には極めて重要かつ不可欠な要素として、その役割は計り知れません。

 各自動車メーカはAIを使った自動運転技術開発投資に国内外の主要大学などと開発協力することで凌ぎを削っており、この時期に先行して優位に開発を進めていくには惜しみなく投資継続していくのが極めて重要と判断されます。
 いわゆる燃費や電費向上には、それこそ躊躇している時間は無く、停滞することの高いリスクを排除するためにも、とにかく挑戦するしかないのが現実なのでしょう。自動車メーカの開発テーマはあまりに多く、広く、難題です。パワートレイン開発に必要な技術分野もまさに様変わりしているようで、世界レベルで各社戦国時代へ突入といったところであります。
 EV・HEV・ディーゼル・FCVなど、1社が抱える開発投資はかなりの負担増になるに違いありません。国内トップメーカも米国トップ技術を持つ大学へ約60億円を投じて研究センターを設立するようです。
 今後、自動車需要家の自動車選びのキーワードは、安全性に対する企業取組姿勢などが注目され、リッター何キロという数字よりもむしろ交通事故を未然に防ぐことができる技術(AI)が搭載されているか、というような指標がより大きな意味を持つようになるのではないでしょうか。 

 競争の激化が場合によっては企業存亡を決定つけるのかもしれませんが、排ガス規制を逃れるために、不正なソフトを使用するような姑息な手段だけはとってほしくないものです。




5. -コラム-
着眼大局・着手小局
                                             /青木邦章
 インターネット普及の弊害。日常生活の困り事でも、業務での調べものでも、スマホやタブレットでサクッと検索して、その中から適当な答えを当てはめて満足。あとは、すぐに行動してしまう。そんなシーンをよく見かけます。
 かく言う青ちゃんも、プライベートでは典型的なググリスト(Googlist)ではありますが、時々これで世の中ちゃんと回っていくのだろうか?と心配になります。

 そもそも論として、モノの本質に深く迫りあるべき姿を探るという行為をないがしろにして、その場の思い付きや浅い直感だけで動くと却って事態を混乱させてしまい、修復に倍手間がかかると言う経験をした方も多いと思います。一見、書生論のようではありますが、事の本質を大切にして、大所高所から対象を広く深く考え直す。こういった情報氾濫の時代ゆえ、そんな姿勢がなおさら大切なのかも知れません。

 全体構想力の低さ、事に際しての堪え性のなさ、胆力の乏しさ。永田町界隈での中身の薄い議員活動、リーダーシップの欠如した治水・防災事業、企画の甘い商品開発における場当たり的な取組姿勢。至るところで、そういった問題点を再認識せざるを得ません。

 目先のことにとらわれずに、あるべき姿を見据えての深い構想計画。そして実行にあたっては着実に誠実に一歩一歩進めていく堅実さ。古くから言われている当り前のこと。それをきちんと実践していくところに明るい未来を創造する答えがあるように思う今日この頃です。




6.技術コラム
[機械の寿命]
  全ての生物に寿命があるのと同じ様に、機械にも寿命があります。機械寿命の定義とは、構成部品のどれかが摩耗や劣化などの経時変化により果たすべき役割(機能)を果たせなくなるまでの時間ということになります。「雨垂れ石を穿つ」という諺がありますが雨垂れの様なわずかな力でも、長い間同じところに落ち続ければ石に穴を開ける様に、機械部品も長期間同じ動作を繰り返すことで硬い金属であっても少しずつすり減っていき、ある限界を超えた瞬間に大きなトラブルに発展するということもあるのです。

 永久に使い続けられる機械は存在しませんが、わずかな時間の使用で寿命がきてしまっては困りますので、設計の段階で決められた計算方法により主要部品の寿命計算を行い、充分な耐用年数を持つようにしています。

 寿命計算の代表的な例として回転部分を支持するベアリング(転がり軸受)の寿命計算があります。機械設計の基本ですが、スピンドルの設計などでは必ずこの寿命計算を実施してベアリングの型番を決めています。例えば玉軸受の場合、該当する型番によって決まっている基本動定格荷重Cという数値に対し、実際にかかる負荷をPとしてC/Pを10/3乗した数値が定格寿命(回転数)として計算されます。ここから実際に使用する条件より運転時間に換算し、5,000時間~20,000時間程度の定格寿命となる様な選定をするのが一般的です。ただし、この寿命時間を超えると全て壊れる、というものではなく、平均寿命はこの計算値よりもかなり長いということも経験上わかっており、計算時に様々な係数をかけて、バランスの良い機械となるような設計をすることもあります。

 この他にも、ボールねじや直動ガイドなどの機械部品の寿命、リレーなどの電気部品の接点寿命バッテリーやグリース、潤滑油などの劣化寿命もあり、消耗品として取り扱うものについては定期点検項目として取扱説明書に記載し、交換しやすい様に設計することも重要なのです。







7.やまのひとりごと
 フィリピン人の英会話の先生とお話していたときの事。将来住むならどこの国がいい?と聞かれたので「フィリピンに住みたいです。美しいセブ島のビーチに行けるし、美味しいマンゴーも食べられるし、人々も優しいから。」と答えたところ
「その通り!フィリピンの人はみんな親切で優しい人ばかりよ!」とすぐに明るく返してくれました。

 そこでふと、自分が逆の立場だったら同じように「日本人はみんな親切で優しい人ばかりです!」と言えるか考えてしまいました。「日本は人々が親切で優しく、素敵な国です。」と胸を張って言えるようにありたいですね。そのためにはまず自分から、小さな事で怒ったりせず優しい気持ちを持ちたいものです。

 そして、せめて中学生レベルの英語で話せるようになりたい!やまなのでした。