目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.自動車開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
【クラッチ耐久試験装置】

自動車用電磁クラッチの耐久試験装置です。


 【計測項目】
・駆動回転数・供試体回転数・トルク・励磁電流・温度
【設定項目】 
【装置構成】


2.技術コラム
[土俵際で踏ん張れるか]
 相撲を見ていて土俵際での逆転うっちゃりなどを見たりすると、妙に気持ちが踊ります。それが、贔屓の力士であれば晩酌も進むことでしょう。
弊社で開発している装置では研究向けがほとんどであり、装置担当者のみならずお客様ともに未知の領域で仕事をすることが多くあります。従って技術的な崖っ淵であったり、納期的な崖っ淵であったり、よく土俵際に追い込まれます。そんな時は、担当者による夜遅くまでの孤独な格闘が続きます。

 先月号にてふれたHILS制御もこの類です。プログラム的には出来上がっているのに、制御ループのジッタが要求より大きくCarSimでの挙動が安定してこない現象が発生。HILモデルの見直しを行い実行するのですが、改善が見られず開発環境ソフトメーカからはハード入替えとの提案も出てくる程の瀬戸際。

 腹を決め、原点に戻りCPU計算量に遡って理詰めで制御時間のばらつき原因を追究。どうしても納得できないので、先のメーカのSEに問い掛けを続けました。すると、リアルタイムコントローラのオーバヘッドが制御ジッタの大半を占めることが判明。バックグラウンドで動いているプログラムを削減、調整することで解決できたのです。

 解決の際、それぞれに立位置が違っていると原因を追究するアプローチが違ってしまう結果、結論が出てこないのはよくあることです。今回もプログラムの原因を探ろうとするSEとハードシステムに問題点を探ろうとする担当との凌ぎ合いの結果、技術的逆転を得られたことには大きな収穫がありました。

 如何に踏ん張れるか。最近まわりを見渡すと、踏ん張る前に手を差し伸べて助けてしまい「本来ここで踏ん張らないと力をつけられないのに」といったやりかたのOJTが多いような気がしています。どんな難関な装置に対しても土俵際で踏ん張れる会社、これが弊社のひとつの特徴でもあります。 




3. 書籍紹介
『よくわかる日本経済入門』 2015年1月発行  
塚崎公義著 朝日新書  
 アベノミクス効果によりだいぶ景気が上向いてきたといった報道を眼にする一方、一般庶民や中小零細企業にまでは恩恵が波及していないといった見方もあり、いま一つはっきりしない日本経済。

今現在の景況もはっきりしない中、将来を見通すといったことは、経済学者といえどもなかなかできるものではないのかも知れません。学生時代に経済学をかじった方も多いかもしれませんが、これも実体経済とはかけ離れた理論の学習ばかりで、いま一つ身になっていないようにも思います。

 本書はそういった一般市民向けに日本経済をやさしく解説した入門書。一般教養として、あるいは日々の世間話でのネタ本として、一読しておくのも良いかと思います。


4. 自動車開発最前線
「クルマとモータの未来」 
 高効率モータの開発が国内でも一段と活発化しています。18~19世紀の産業革命と同様に、21世紀の産業革命として将来の歴史に大きな影響があると考えることができるのはモータ革命ではないでしょうか。

 モータ効率の向上は、国内電力需要の約半分をモータが占めている日本において、エネルギー対策の大きな施策として重要かつ喫緊の課題であると考えます。モータそのものは19世紀前半の開発に始まり、後のパワートランジスタの発達により、より身近でかつ重要な部品となりました。そして現在、近隣国に影響されない材料によるメイド・イン・ジャパンのPM(Permanent Magnet)用磁性体材料の開発に期待と関心が集まっています。

 高効率、高精度を要求される自動車用モータ評価に於いて、弊社装置のモータ評価試験システム(MSH-10/弊社型式)もその開発のお手伝いをさせて頂いています。

 最新のニュースでも、EVとFCVの覇権争い?とも言えるようなコメントが数多く掲載されています。双方一長一短あることから、勝敗の決め手は普及スピードが握っているのではないでしょうか。FCV・EVも基本的にはモータ+ドライバが支配的役割を担うため、材料~ユニットの性能開発要求が今後更に拡大するのではないかと考えます。

 是非とも最適な試験システム創りのため、是非とも弊社装置をご活用頂きたく存じます。



5. -コラム-
黒船とB29
                                             /青木邦章
 1953年の黒船来航が契機となり、徳川幕府がガタついて明治となったのが1868年。一方、1941年に始まった太平洋戦争が、B29の襲来によってクロージングしたのが1945年。前者は当時のサムライの果敢な働きで日本の崩壊は免れ、後者はおろかなサムライ(政治家と軍人)の迷走で日本に大惨事を招きました。表題に挙げた単語に象徴されるように、二つに共通するのは世界情勢、とりわけ米国をはじめとする外圧に、常に翻弄される小国日本の姿です。

 この二つのエポック間が七十年余、そして今年は戦後七十年。宗教対立をきっかけとするテロ、複雑な民族模様から生じる国境問題、また集団的自衛権議論など、最近のキナ臭い世の中の動きを見ていると何かしら不吉な気配を感じます。七十年という歳月は当時活躍していた年代が舞台から降り、生々しい記憶が忘れさられ、過去の出来事が歴史書の中に閉じ込められ、時代が変わる期間のように思われます。懲りない人間の性、あるいは好戦的な人間という生き物の宿命なのでしょうか?

 今回の唐突な集団的自衛権議論の背景にも、軍事費増大に根を上げた米国からの密かな圧力があったのではないかと勘ぐってしまいます。あるいは前の二大事件の時にも見え隠れしていた、内外の武器商人の陰謀なのかもしれません。性善説に基づく能天気な平和主義者も危なげで、最低限の国防策は必要だと常々思っている現実論者の青ちゃんではありますが、大多数の国民の気持ちに反するこういった右傾化には疑問を持ってしまいます。大規模な戦争と言うよりもテロの脅威がより深刻な現代においては、集団的自衛権を掲げて紛争の一方に加担するのは、却って日本に災いを招く原因となるように思われます。

 世界情勢に流されて外圧に屈するのではなく、独自の哲学を持って毅然とした態度でその存在感を世界に示す。これからはそういった賢さが必要なのではないでしょうか?いずれにしても「戦争を知らない子供たち」として、平和を謳歌して来た世代としては、子や孫にその幸せを引き継いでいきたいと切に願う今日この頃です。



6.技術コラム
[技術者の資格取得]
 世の中にはたくさんの専門資格がありますが、当社では積極的な資格取得を奨励しており、試験費用は全額会社負担、合格者は全体朝礼で表彰され、社長から(ささやかな?)ご褒美も頂けます。

 設計業務においては法令上特に必要な資格はなく誰でも図面を描く事はできるのですが、当社の機械設計技術者は社長を含め全員が機械設計技術者試験の1級、2級の資格を有しています。機械設計技術者試験とは、日本機械設計工業会の認定資格で、1級~3級があり機械設計・製図の専門知識・技能から、1級になると小論文で環境問題や技術伝承、マネジメントに関する見識なども問われ、1級・2級の合格率は4~5割となかなか難しい資格でもあります。

 資格を取得することは、高度な専門知識や技能を持っている事を客観的に証明する事でもありますが、取得のために勉強すること自体や、試験に合格して認められることによる自信や自覚の面でも大きな意味があると考えています。

 実際に試験のための勉強をしてみると、何となく経験から判断していた事の論理的な裏付けや、忘れていたこと、勘違いして覚えていた事など多くの気づきがあります。そしてそれを実務にフォードバックすることで個人としての技術力向上となり、周囲に伝える事で組織としての技術力向上となり、更にはより高品質な製品を提供する事でもっと世の中の役に立つ会社になる、ということに繋がっていくのです。
 この様に、単に資格取得を勧められたから勉強するのではなく、何のために勉強するのかをしっかり考えることも大切な事だと思います。

 この他、当社では電気・制御系技術者は電気工事士やLabVIEW開発者認定、現場での作業が多い社員はフォークリフト運転やクレーン・玉掛けなどの技能系資格やお客様構内作業に必要な各種安全講習や作業責任者の資格、事務系社員は日商簿記などを保有しています。単なるステータスではなく、それぞれの自己成長、会社の成長のために、今後も様々な資格取得にチャレンジしていきます。



7.やまのひとりごと
桜の季節がやってきました。
皆様はお花見のご予定はありますか?
やまは電車の窓から桜や菜の花などを眺めながら通勤しています。
通勤途中の小さなお花見もいいですが、できることなら桜の名所でゆっくり桜を楽しみたいですね。
美味しいお酒とツマミがあればさらに言うことなしですが…。と、花より団子のやまなのでした。