目次
1.展示会出展情報
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと







1.展示会出展情報


パシフィコ横浜・展示ホール
2014年5月21日(水)~23日(金)
AM10:00~PM18:00
(最終日はPM17:00まで)

ブース№ 5(静岡テクノフロンティア内)
★ブレーキHILS試験装置(模型展示)

直動アクチュエータを外部信号にて位置制御し
ブレーキペダルを動作します。
踏力、ストロークを出力する機能を持ちます。
★EPS HILS試験装置(EPS:電動式パワーステアリング)(模型展示

ステアリングとラック反力をコントロールする事が可能な
PSのHILS試験評価装置です。
(HILS :Hardware In the Loop Simulation)



2.技術コラム
[自動車とスマホ]
 近頃はスマホを持っていないと生活できない構造になりつつあるようです。大学でもLINEでの連絡を掲示板の代用とする事が多いと聞きます。驚くべきことに生徒のスマホ利用率は95%を越え、ほぼ100%に近いらしくLINEを使わないと友達が出来ない、困った世の中になってきてしまっています。

 自動車とスマホですが、最近ではホンダがGoogle社と連携し同社の「アンドロイド」を自動車に活用していくと発表されました。スマホを自動車に接続して連動するほか、同OSを組み込んだ自動車の開発も計画しているようです。
 年内にもスマホと連携した試作車を披露する予定があり、将来的には自動運転車への採用も視野に入れての公式発表との噂です。

 内容はやや月並みですが、クルマの表示画面やマイクを使って音楽再生やカーナビなどの操作ができるうえ、走行中にネットに接続して欲しい情報を得ることができるようになるとのことです。
Googleは自動車へのアンドロイド普及を目指してアライアンスを形成。ホンダのほか、すでにアウディ、GM、現代自動車なども参加しているとの情報です。車もスマホ無くして運転出来ないような時代が来るのでしょうか。

 日本初のカーナビが発売されて早20年。最近ではスマホの無料カーナビが地図情報も最新で、交通や取締まり情報も多く大きく台頭してきているようです。

 このように、各界でカーナビとの連携は盛大です。弊社が装置に利用しているLabVIEWもモバイルアプリとの連携を強化しています。モバイル通信によりLabVIEWで開発された集録組込監視システムのデータに、どこでも便利にアクセスできる仕組みを提供しています。データが多いのでスマホでの閲覧は無理ですが、今後はスマホとの連携も多くなると思っています。



3. 書籍紹介
『トヨタ対VW』  2013年11月 発行   
中西孝樹著 日本経済新聞出版社

 世界の自動車産業が大きな転換期に来ています。先進国では環境問題や事故防止への対応、新興国ではより安価で汎用性のある輸送運搬手段の提供など。関税問題も含めた国際政治環境の中でこれらを実現し、さらなる成長を目指すため、各国の自動車メーカは国境を越えた合従連衡を模索し、複雑な様相を呈しています。
 本書は著者の豊富な知識と情報を元に、世界の自動車メーカの代表格といえるトヨタ・VWの両グループについて、生い立ちや経営思想・企業文化にまで言及し、比較検討しています。そこから見えてくるのは、ただ単に両巨頭の違いだけではなく、今後のグローバル自動車産業の方向性なのかもしれません。


4. EV・HEV開発最前線
「本命はFCVか?」 
 5月の21日~23日の間、パシフィコ横浜にて開催される“人とくるまのテクノロジー展”でも次世代自動車について話題集中となること間違いありません。

 HEVの市場投入から、2010年に量産型EVが追いかけるように市場に投入され、走行時二酸化炭素を排出しない次世代自動車として話題をさらいましたが、充電インフラの整備と航続距離など普及するには課題が多く、思うように伸びてはいないのが現実のようです。

そこで、かねてから研究開発レベルで殆ど目に触れることのなかったFCVが、一躍急浮上しています。当初1台1億円?などと揶揄されながらも、研究を重ねることで実現性が急速に高まってきており、やはりその特長はガソリン車以上の航続距離の期待値と、そもそも排出は水だけというクリーン性。

ただ、そうは言っても最大のネックは価格とインフラで、まだ1台1,000万円クラスとも言われていることからすれば、水素価格と水素ステーションの整備など、EV同様に市場の信認を得るには、多くの課題もあるのは周知の事実。

 全く新規の取り組みですが、我が国がリードしていることは間違いありません。技術の漏えいなど、欧米および近隣諸国には用心していただきたいものです。



5. -コラム-
「人の行く裏に道あり花の山」
                                             /青木邦章
 最近ではもっぱら相場師の格言として有名なこの句。茶人ながら堺商人でもあった利休作と言われるだけに、ビジネスシーンにおいても十分に重みのある言葉です。

 その昔、行政とのコラボでボランティア団体を運営していた時、彼らが常に前例を気にするため、組織が硬直的になった記憶があります。「我々民間も前例を気にして特許調査など行なうけれど、行政とは異なり前例があったらその時点で方向転換する。常に新しい方向を模索するものだ。」と、その時は皮肉ったものです。

 ところが、最近、企業経営をしていて気になることがあります。それはスタッフとの議論の中で、「同業他社はそういった方式はとっていない。」とか、「この商圏ではこれが常識だ。」とか言った発言をよく耳にすることです。
 その発言の裏には、モノの本質を深く掘り下げずに口先だけで相手を説得しようとする“浅はかさ”が透けて見えるとともに、他人と同じ方向に向かっていればそれだけで安心すると言った“情けなさ”が滲み出ています。

 ビジネスと言うものは、業界の中で常に自社をどう差別化すべきか?リスクを回避するにはどのような次善の策を準備しておくべきか?世間の常識を破ってお客様にどう新たな価値を提供すべきか?など、突き詰めて考えることによって、新たな展開を模索するのが使命のはず。新参者で歴史やブランドとは縁遠いものの、ベンチャー企業で常にチャレンジングだと一定の評価をされていた当社においてすらも、そういったよどんだ空気が漂い始めているようです。これもなんとなく世の中全体が満ち足りてきて、成熟高齢化社会に突入しつつある日本の世情の反映なのでしょうか?

 グローバル社会の中では、企業の大小を問わず、やはり常に緊張感を持って事に当たり、ケンケンガクガクの議論の中で、真のイノベーションを創り出していかなければ明日はないのではないかと思う青ちゃんです。

 もっとも、「いずれを行くも散らぬ間に行け」と言った下の句に見られるよう、機を逸しないようにしなければいけないのは当然ですが…。



6.技術コラム
[規格について]
 みなさんもJISという言葉を聞いた事があると思いますが、これはJAPANESE INDUSTRIAL STANDARDSの略で、ウィキペディアによると、「工業標準化法に基づき、日本工業標準調査会の答申を受けて、主務大臣が制定する工業標準であり、日本の国家標準の一つである」とあります。これは要するに、工業分野において、会社や個人でそれぞれ好き勝手なやり方で仕事をするのでは大変効率が悪いので、図面の書き方や部品の寸法の決め方など、標準的なルールを定めるので、皆さんそれに従って仕事をして下さいね、というものです。その内容というのは、「JISハンドブック」という分厚い辞典の様なものが分野ごとに60冊以上あり、細かな約束事がびっしりと記載されています。例えば第3分冊の「ねじ」というハンドブックは、ねじに関する規格だけで、1152ページもの枚数を使って記されています。どのくらい細かいかというと、JISマーク自体も、図(*1)の様に正式な寸法がきちんと規定されているくらいです。
 私たちの仕事も、基本的にはこのJIS規格に基づき進められているわけですが、実際には業界が違えば知る必要の無い部分も多く、必要に応じて関連するハンドブックを時々確認する、という感じです。
 また、現実的には社内や地域、業種ごとのローカルルールの方が使い勝手が良い場合もあり、必ずしも全てにおいてJIS規格に縛られている、という状況でもありません。それから、JIS規格とは別に弊社の主要得意先である大手自動車メーカごとに、TMS(TOYOTA MANUFACTURING STANDARD)、NES(NISSAN ENGINEERING STANDARD)、HES(HONDA ENGINEERING STANDARD)といった独自の規格があり、部品の形状や使用部品、安全規格の考え方など異なる部分があるので、設計段階で充分確認が必要です。

弊社技術部の書棚にあるJISハンドブックを改めて見てみたところ、「機械要素」や「自動車」など、かなりくたびれているものもありますが、それだけ活用されている、という事ですね。



7.やまのひとりごと
 5月21日(水)~23(金)の間、パシフィコ横浜にて「人とくるまのテクノロジー展」が
開催されます。今年も「静岡テクノフロンティア【小間№5】」という合同ブースにて
出展いたします。
 表紙でもご案内しておりますが、ご連絡いただけましたら案内状をお送り致しますので
是非web-info@spacecreation.co.jp までお問い合わせ下さい。
皆様のご来場をお待ちしております。