目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと







1.製品紹介
[ベアリング摩擦磨耗試験機]
試験体(ニードルベアリング)を駆動シャフトに配置し
異物を混入させた油中で一定条件下で駆動させ
その際の磨耗・トルク変化の計測、耐久試験を行う装置です。
【装置写真】


【装置構成】
【計測項目】


*その他特注仕様、各種オプションにも対応いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。



2.技術コラム
[ロボット]
 今年もプロ棋士とコンピュータとの電王戦が行われています。昨年同様コンピュータが勝つのか、日本将棋連盟の巻き返しがなるのか、気になるところです。

 今年は、駒を指すのにロボットアームが登場。昨年まではソフトの指示に従って人間が駒を動かしていたのが、今回はこの部分までもが機械化されているとのことです。カメラで画像認識し、ロボットアームでコンプレッサー吸着した駒を盤上に置くように変わっています。

 「電王手くん」と名付けられたロボットアームを見ていると、人間と機械が本格的に共存する時代への助走が始まっていることをより身近に感じます。開発思想も「人間に挑む」ではなく「人間に寄り添う」と強調されているようです。
 今のロボット開発は「人間と機械のコラボ」がホットなトピック、期待の新市場になりつつあると言われています。電王戦でのロボット導入、漠然と見ていると見過ごしてしまいがちですが「機械の侵略」と見るか?「人間と機械との融合」と見るか?で評価が分かれるところです。

 そもそもロボットとは、1920年に小説家チャペックが発表した戯曲『R.U.R.』において初めて用いられたものです。語源もチェコ語で「賦役」(強制労働)を意味する、とはよく御存知のこと。人の代わりに作業(労働)をさせることを目的に作られたもの、との基本は変わらないものの、最近はより人間にやさしくなってきているように感じます。

 ロボットもサーバもサーボも語源的には似たようなもの。
弊社では、サーボモータを駆使して計測評価装置を製作しています。

特に最近では、HILシミュレーション装置が増える傾向にあります。これらは自動車をより人間に寄り添ったものに進化させようとの研究目的のために使われています。



3. 書籍紹介
『考えないヒント』  2006年11月 発行   
小山薫堂著 幻冬舎新書  

 くまモンに代表される「くまもとサプライズ」プロジェクトの仕掛け人あるいは「おくりびと」の脚本家として有名な氏が、アイデアの出し方・企画の仕事の取組み方を披露した書。気楽にサクッと読める本です。

 エンジニアのロジカルな業務アプローチとは対極にある商業企画の仕事。われわれの眼から見ると年中生活を楽しみながら、遊びの中からアイデアを拾っているようにも思えます。でも、それだけに個人のセンスが色濃く出てくる仕事。正解が一つではないモノだけに、企画として創り上げるまでの重圧感はハンパではないのでしょうね。

 科学技術に根差したエンジニアリング業務は、突き詰めて考えていけば心理に近づいていく場合がほとんどですが、われわれの仕事でも商品企画については、感性勝負のところもあります。そこでは、いかにお客様の心理に近づけるかが勝負。そういった観点では参考になるところも多いかも?


4. EV・HEV開発最前線
「デトロイトからシリコンバレーへ」 
テスラなどのEVベンチャーの成功から、シリコンバレーが自動車関連の将来技術を支えていると感じられます。しかし、一時熱狂的だったEV関連ブームも収束へと向かいつつあるようです。それには、テスラ以外に有望なEV製造ベンチャーが誕生していないことが挙げられます。1台7万ドルの“モデルS”の高級車も多く走っているように聞きますが、EVはやはりインフラ整備が進まないことには購買意欲も高まらず、一部富裕層のセカンドカー的意味合いが強くなりそうです。
しかし、むしろ今は高効率エコエンジン開発~次世代自動車開発(自動運転)などの要素技術開発に関心が移りつつあり、先月号で紹介した自動運転車など、シリコンバレーに先陣を切る形で、進出を進めていた自動車メーカおよび大手ティア1のカーエレクトロニクス関連企業も研究拠点設立進行中とのことです。 
今や自動車は自動車業界領域に止まらずIT企業、半導体企業やかつての白物家電メーカなども巻き込んだ
裾野の広い、いわば全産業的分野の巨大市場となってきました。

当社のように自動車関連開発試験装置のメーカとしても、
アンテナを高くして情報入手に努めるべく鋭意奮闘中であります。



5. -コラム-
「浜松vs宇都宮」
                                             /青木邦章
  某自動車メーカの研究所が宇都宮(郊外)にあるため、月に数度は当地を訪問するのですが、その際に浜松・宇都宮両市に共通する点が多いことに気付いた青ちゃんです。

 まずは、皆さんご存知の「餃子日本一戦争」。この両市に餃子の食文化が根付いたのは戦後、旧満州(中国東北部)からの帰国者が郊外を開拓するため大勢入植したからとか…?次にJAZZが盛んな土地柄。浜松はご存じ楽器の街。「楽器の街から音楽の街へ」と銘打って、あらゆるジャンルの音楽イベントが盛んですが、特にジャズについては、毎秋ジャズウィークと称してプロアマ問わず、市民総出で盛り上げます。一方、宇都宮はナベサダの生まれ故郷。そのご縁?で「ミヤ・ジャズイン」と称したイベントなどを積極的に繰広げています。

 そして、産業的にはともに輸送機器と光学機器関連に特化注力しているところ。輸送機器が二輪車に始まり、軽自動車・普通乗用車と進化している点。また、光学機器メーカも両市ともに主力産業となっている点など、共通点が多くあります。

 よそ者ではありながら、浜松(周辺)に40年近く暮らしていて、また曽祖父(江戸末期生まれ)が父親の仕事の関係から浜松生まれで名前を「浜松」と言うなど、浜松にいろいろなご縁がある青ちゃんとしては、どうしても浜松ビイキになってしまいますが、最近当市の元気のないのがどうも気になります。
上に挙げた三つの項目だけを見ても、元祖と言えるのは浜松の方ですが、どうも今現在で勢いがあるのは宇都宮の方ではないか?と思ってしまいます。

 浜松は東海道の要衝。文化も人材も資金も、あらゆるモノが各地から流入し、それを刺激として地元の人を中心にいろいろな人たちが互いに触発しながら発展してきた土地柄。まさにダイバーシティの街。ところが最近ではそういった多様性が薄れ、山葉寅楠・本田宗一郎といった先駆者に次ぐイノベータも現れていないように思います。

 「奢れるものは久しからず!」浜松は初心に却って、もう一度出直す覚悟が必要なのではないでしょうか?



6.技術コラム
[直観と理論の乖離:エンジニアのロジカルシンキングについて]
 ものごとを計測データや物理化学に基づいて論理的に考える事は我々エンジニアが常日頃心がけている事ですが、確率に関する面白い問題をひとつご紹介したいと思います。

あなたはゲームのプレイヤーで、目の前に3枚の扉があり、アタリが1枚、ハズレが2枚です。
自由に選んだ1枚の扉がアタリであれば賞金をもらう事が出来ます。
まず、あなたが1枚の扉を選びました。(この時点では扉は開けません)その状態で、残る2枚の扉のうち、1枚が開けられます。その1枚の扉は必ずハズレの扉です。
あなたが選んだ扉ともう1枚の扉、2枚の開いていない扉が残りました。2枚のうちのどちらかがアタリということになります。

ここであなたは選ぶ扉を変えても良い、と言われます。
さて、アタリを引く確率が高いのは?
①選ぶ扉を変えない
②選ぶ扉を変える
③変えても変えなくても同じ

 

 この問題は「モンティ・ホール問題」と呼ばれ、多くの数学者や知識人も巻き込んで議論となった問題です。数学的な確率で言うと②の扉を変えるが正解で、アタリを引く確率は変えない場合の2倍となりますが、いかがだったでしょうか?詳しい解説はここでは省きますが、博士号を持っている数学者も含め正解は③だと主張する人が非常に多く、人間の思考は直観に支配されやすい、という事の実証と言われています。(興味のある方はweb検索して解説を読んでみてください)

 ものごとの判断において経験が重要であることは間違いありませんが、ベテランだから(専門家だから)といって理論をないがしろにして経験だけに頼って判断すると、モンティ・ホール問題で大恥をかいた数学者の様に思わぬ落とし穴があるかもしれません。エンジニアは常にロジカルシンキングであるべき、ということを忘れてはいけません。



7.やまのひとりごと
 先日、手作りのお味噌を頂きました。豆のつぶつぶの残った、赤味噌です。
愛知県で育ったやまは、他県の方が見たらギョッとするような、色の濃い味噌味のメニューが大好き。お味噌汁はもちろん、大根や牛蒡、こんにゃく、牛スジの入った味噌煮。ひき肉と刻んだネギ、クルミ、干し椎茸を炒め合わせた肉味噌。味噌ダレを作って味噌カツなんてのも良いですね。
 誰か作ってくれないかな~!と、お家で言ってみましたが、誰も作ってくれないようでしたので、自分で作ってみたいと思います。他にもいろんなレシピ、もしくは美味しい味噌料理を作ってくれる方を大募集中です。