目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと








1.製品紹介

[動力循環式ギヤテスタ]

●装置説明
 自動車用ギヤの歯当たり及び耐久性を試験をする装置です。
 入力された運転パターンでトルク、回転数、潤滑出口油温
 潤滑流量、温度、振動等の測定に対応することができます。

●装置構成
・供試体駆動部(モータ、インバータ、ギヤボックス等)
・供試体固定部
・トルク発生機構部(サイクロ減速機、油圧モータ、油圧ユニット等)
・トルク計測部(トルク変換器)
・供試体給油装置
・制御装置

●設定項目
・運転時間、回転数(正転/逆転)、トルク、供試体給油装置出温度等

●装置イメージ




*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

『共同プロジェクト』

  B787の発火で当初よりマスコミに主因と悪者にされたGSユアサのバッテリ。本体のバッテリ機能的には問題はない、との結論が下されたようです。

 B787は機体の70%を海外メーカ70社の国際共同事業で作られており、世界の最高技術を結集するとともに開発費の低減と低燃費を両立させた模範プロジェクトとされています。

 技術とコストが競合して生じる歪が欠陥として現れるのはよくあること。今回、問題となったバッテリ周辺についても、電池=日本(GSユアサ)充電器=英系アメリカ(SPテクノロジー)過充電防止装置=フランス(タレス)の共同制御系で構成されており、機内与圧発生や空調用の補助動力装置に使われています。

 バッテリ発火で思い出すのが、ノートPCの炎上です。問題となったのが5~6年前。ニッカドなど、電池を長持ちさせるのには完充電と使い切りでメモリ効果を出させないのが常識であったのに、リチウム電池はこのメモリ効果は無くなって画期的だったのにもかかわらず発火。

 原因はB787バッテリと同様、過充電。当時は対策として、過充電防止強化の電池パックの開発と、80%を越えての充電強制停止。表向きは電池寿命の延長とのことですが、裏には過充電による発火を恐れての保護的意味も強く感じたところです。

 本体でなく制御系が原因だとすると、どのように原因を究明するのか?システム全体に渡る検証をしないと、発火までいたる現象を再現できない命題となりそうな雲行きです。莫大な費用をかけて開発している航空機、バッテリ系のシミュレーションがされていたのか否か、情報も少ないなかどのように充放電の検証がなされたのか、装置メーカとしても興味あり今後の動向を観察、参考とさせていただきたいと思っています。

リスク、プロジェクトマネジメント的にも、海外との共同タスク管理的にもよい事例となるはずです。
3. 書籍紹介
『良い戦略、悪い戦略』
日本経済新聞出版社 リチャード・P・メルト著 2012年6月発行
 戦略という言葉は、ビジネスシーンにおいて何度も登場する言葉。会議の席上、戦略論が口角泡を飛ばし行き交うことも多いもの。
 しかし、その割にどこか捉え所のない言葉。中には戦略と戦術の区別もついていないで使っている人もいるようです。本書では実例を交えて、それらをやさしく解説しています。
 本書の中で、「良い戦略が注意深い状況判断から生まれる。」そして、それは「自己中心的にならずに自分を貫くこと」と説かれているのが印象的です。
4. EV・HEV開発最前線
電池について

電化製品、EV・HEVのみならず今話題のB787に至るまで、
多方面に二次電池が使われていますが、特に期待と注目を集めている
リチウムイオン二次電池について紹介します。
・ニッカド・ニッケル水素・鉛と比較して、その特長といえば…

・圧倒的に重量エネルギー密度(Wh/kg)および体積エネルギー密度(Wh/L)が高いため
 小型軽量化に適していることが広く知られています。実使用として必要なことは
 如何に早く充放電ができるか、つまり受給可能電力が充分であることが重要です。
EVに搭載されたリチウムイオン二次電池
・写真のリチウムイオンバッテリー群は、EV車下部に
 実装されたもので私が撮影したものです。
 過去に東京湾土木建築用バッテリーカー(EV)用のモータと
 ドライバを製造していたころは、その電源として鉛蓄電池を
 大量に箱の中に入れて直列に繋げて、高い電圧をドライバに
 供給していました。
 (総重量は推して知るべしですが…。)

・当時リチウムイオンがあれば、もう少しすっきりとした車ができたことでしょう。

*スペースクリエイションの"MSH"では、バッテリー垂下による性能試験も手掛けています。

5. -コラム-    

「人災列島」
                    
/青木邦章

 
 福島原発・トンネル壁面崩落など、今まで予想だにしない問題が頻発しています。また、首都高速をはじめとして寿命を迎えつつあるインフラが日本中にあふれています。かつて列島改造などと声高に叫んだ“たわけ者”の一味が、こういった事態を招いたと言えるのかもしれません。

 また、それに踊らされて一緒にイケイケで進んできた、われわれ国民にも責任の一端があるのでしょう。
 この便利な世の中に慣れてしまった一人としては、いまさらその恩恵を否定して、昭和初期の質素な生活に戻れというのは難しいことです。しかし、反省すべき点は人間も自然界の一員に過ぎず、常に謙虚さを失ってはならないということではないでしょうか?

 人間が国土を開発するとか、改造するとか、そういった発想そのものが恐ろしい考え方。人間が暮らしやすく棲む上で、ちょっと手を加えさせていただく。自然への影響は極力少なくして、役目が終わったらまた元に戻せるように配慮する。そんな気持ちが大切です。

 現在の原発や道路インフラについては、そう言った考え方の欠如が災いの元になっています。いくら炉心を頑強に作っても、冷却配管などの接続部分には問題が残るもの。
 ましてや燃料の廃棄・再生方法が決まっていないなど言語道断。トラブルは構造や時系列の結節点に発生するのが常。システム全体やライフサイクル全体に思いをめぐらし、整合性を取っていくのはエンジニアの努めです。

 万物流転、諸行無常。昔から賢者は語っています。
 ものづくりに携わる者は、こういった意識を常に持ち続けたいものです。飽きが来ず長寿命の商品開発といった視点も大切ですが、修理・メンテナンスのしやすい設計、原材料や消費エネルギー・消耗部品の面で環境負荷が少ない設計ということも、今後ますます重要な要素になっていきます。

6.技術コラム
「材料について 『続・熱処理』」


 前回、熱処置の概要を説明しましたが、もう少し詳しくお話しします。焼入れなどの熱処理をすれば硬度が上がり、摩耗に強くなりますが、良いことばかりではなくデメリットもあります。工程が増えるのでコスト増、長納期となることもありますが、技術的には熱を加える事により歪み(変形)が生じること、後工程での加工がしにくくなること、などが挙げられます。

 そのため、必要な強度やコストなどのバランスにより、材料の種類と熱処理の種類、加工方法等をトータルで考えて設計します。例えば、当社で一般的に使用する熱処理にも、ズブ焼入れ、浸炭焼入れ、高周波焼入れ、窒化焼入れ、火炎焼入れ、タフトライド、などがあり、それぞれに硬度や焼入れ深さ、歪み量の違いがあります。例えばズブ焼入れは材料の中まで焼きが入って硬くなります。

 スピンドル軸や歯車など、表面は硬くして、中はある程度の靱性(粘り強さ)を残したい場合には浸炭焼入れや高周波焼入れを選択します。

 硬度が上がれば当然加工も大変で、通常の鉄を削る刃物では削れないので、特殊な刃物を使うか、研磨という砥石を用いた加工方法、電気的な作用を利用した放電加工などを用いる必要があります。

 仕様変更や設計ミスがあっても容易に修正できないので、設計時に特に気を使っているのがこの焼入れ部品なのです。また、硬くする事を目的とした焼入れ以外にも、溶接後の残留応力を除去したり、材料の性質を整えて機械加工しやすくしたりする、「焼なまし」や「焼ならし」といった熱処理もあります。

 同じ材料でも熱したり冷やしたりすることにより、目には見えないですが内部で大きな変化が起こっているのです。

7.やまのひとりごと


 2月のイベントといえば、節分とバレンタイン。
甘いものに目が無いやまにとって、バレンタインシーズンは天国です。
スーパーには製菓材料や可愛らしいチョコレートのお菓子が並び、百貨店では有名な職人が作ったトリュフやケーキなどが販売されます。普段では買えないような海外のお店の味が楽しめる、年一回のチャンスです!

なので、女性から男性に想いを伝える日、といった本来の目的を忘れて自分が食べる用についつい買い込んでしまいます…。