目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと








1.製品紹介

[騒音試験機]

設備概要
 周囲の騒音の影響を受けない防音室内で、各種供試体
(動力伝達部品/ユニット)を任意条件(回転数・負荷トルク)
で運転し、その際の騒音を測定する装置です。

特徴
・PCによる各種音響解析
・操作盤タッチパネルによる設定・操作・表示
・供試体固定治具など各種設計・製作
・電動サーボによる回転数・負荷トルク制御
・入出力軸のエンコーダによる歯車等の伝達誤差測定・解析
・出力トルク計測

*製品仕様
回転数 (ご相談)
負荷トルク (ご相談)
防音性能 (ご相談)
音響測定 (ご相談)
計測データ処理 (ご相談)
ユーティリティ 電源:3相AC200V

*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

『Winodws8で進化はあるのか』

 Windows8が10月26日に発売され、秋葉原では午前0時発売に合わせ200人の行列が出来たとのことです。新物好きなのか、惰性なのか。毎度の先入観があり、Windowsがそんなに進化しているようには思うこともできず。日頃携帯中毒のわが子と格闘している身には、メーカの戦略に流されないでと思う反面、進化に乗り遅れないのが技術者の宿命、との思いで複雑です。

 Windowsバージョン論争は、装置開発者やシステム管理者にとって「2世代前ぐらいのOSが丁度使い頃」であるのが通説。厄介な選択が増えたとしか感じられなくなっているのは、もう技術への貪欲さがなくなってしまったからなのか、倦怠感に鞭打ってWindows8機能をエクスプローラ。

 Windows8はiPhone、iPadを意識したタブレットPC向けにWindowsが構成されているようです。日本マイクロソフトでも「Windows95を越える画期的なOS」と表現された様子。Windows95がそれまでのWindows3.1と比べて格段に使いやすくなったのは事実、WinodwsがMACを追い越す変換点だったのは感じたところです。

 でも、今回単にタブレット対応となった程度で「画期的」と表現するのはどんなものか?一般消費者においてiPadライクにPCを使える便利さにおいては、画期的?またそこにファイル処理が出来るWindows機能がつくので画期的?Metroユーザインターフェースが出現してWindowsStoreからアプリをダウンロードして、PCを自在にカスタマイズできるから…?

 デスクトップでキーボードを叩きつつ、液晶をタッチするという所作も奇妙ではありますが開発はタブレットPCが今後消費者向けPCの大勢を占めること前提としているのでしょう。当面、通常のデスクトップ開発者にも対応、今までのWindowsと同様な開発も出来るようです。

 今でさえPCIが函の隅に追いやられている現況を見るに、PC系制御はRealTimePCで別筐体構成が主流となるのかも。

3. 書籍紹介
『経営戦略の論理 第4版』
伊丹敬之 著 2012年9月 発行 日本経済新聞出版社


 1980年に初刊行された書籍の第4版が、今年9月に出されました。

事例解説や章立てなどはだいぶ趣を異にしているものの、コアとしての戦略論は一貫しており、論理展開がいっそう補強されているようにも思います。おそらく著者のライフワークとしての集大成なのでしょう。

 経営戦略の適合基本論理として、経済(カネ)・見えざる資産(情報)とならべて人間心理を強調している点、長年経営の第一線に立っている者としては強く内省させられます。また、同時に改訂された「ケースブック 経営戦略の論理」も併せて読むと、理解が更に深まるかもしれません。日本経済が混沌としている今、価値のある一冊だと言えます。
4. EV・HEV開発最前線
「走行駆動用モータの試験とその技術-2」

 前号に引き続きモータ効率について紹介します。

 効率は言うまでもなく入力電力に対する出力電力の割合であり、この値がEV・HEV・PHEVなどの最新自動車そのものの優劣を決しかねない状況です。直流モータと違い交流モータの場合には、供給電力である皮相電力S(VA)は
無効電力Q(Var)と有効電力P(W) のベクトル和であるため、力率(有効電力/皮相電力)が効率を左右します。直流モータの場合は無効電力は無く熱損出が発生します。

   <力率COSθ=1で最高効率となる>
 つまり有効電力P≒皮相電力Sに近づけ、熱損出を極小にすることで電気エネルギーを運動エネルギーに効率よく変換でき、結果として燃費(電費)が向上するという訳です。

5. -コラム-    

「少子化社会を考える」
                    
/青木邦章

 
 先進国を中心に年々少子化傾向が進んでいます。男女問わず晩婚化・非婚化増大が原因で、背景には女性の社会進出、ライフスタイルの変化、育児・教育環境の不備とそれにかかる費用負担などが挙げられています。社会的・経済的・文化的な数々の問題が複雑に絡み合い、一筋縄ではいかないようです。

 子供は国(社会)の宝であり、大切に守り育てるべきということに何の異論もありませんが、「産めよ!増やせよ!」的な発言や諸政策には疑問もあります。

 少子化の問題点として良く挙げられるのが ①社会保障体制維持の困難 ②産業経済の衰退 ③国力の弱体化 などのようですが、どれも首を傾げる内容です。
 ①については、そもそも年金は積立と運用益を元に自己完結させるべきであり、道徳倫理的にはともかくとして若年が老年を支えるといった発想では、ねずみ講的マルチ商法と同性格で早晩立ち行かなくなるのは明らかです。

 ②については、国民のマインド的な部分が多く子供の教育や将来投資に重きを置く日本的?な消費傾向を徐々に改めて、現在の自分にお金を使う必要があるのかもしれません。もちろん、そのためには社会的な不安をなくすような仕組みも大切です。また、老人福祉関連も福利厚生施策ということではなく、健全な事業活動として経済活性に寄与できるようにしなければいけません。

 ③については、言語道断。人を兵器のように扱う匂いが拭いきれないし、これだけ世界が狭くなっているのに覇権主義的なナショナリズムは世の中をおかしくするだけだと考えます。また、仮に国力を意識したとしても、人口の多い少ないが国力の強弱につながるとも思えません。

 ちょっと長いスパンで日本を振り返ってみると、日本の人口は、諸説あるものの200年前は約1/4、500年前は約1/10とも言われています。それに比べれば、現在の人口でも十分多い状態。なにごとも量より質の時代。GDPで競うよりも、国民一人当たりのGDPの額を判断基準として、あるいはお金とはちょっと離れた価値を判断基準として、社会はどうあるべきかを考え直す時期にきているのかもしれません。

6.技術コラム
「材料について」


 機械設計における重要な要素の一つに材料の選定があります。主に金属材料を中心に機械の構成要素(部品)ごとに材料を選定し、加工図面を描き、その図面に記載されている材料記号を基に加工業者が素材(材料)を手配、そこから図面通りの形状に加工していきます。

 一口に金属材料といっても、鉄やアルミ、ステンレスなど、記号で書くとSS400、S45C、SCM440、A5052、SUS304・・・等々、上げていけばキリがないほど種類は多岐にわたり、熱処理や表面処理によってそれらの性状は変化します。更には金属材料以外のゴムやプラスチック、ガラス、といった非金属材料も部分的に使われ、機械設計者はそれらの性質を把握し、用途や形状に最適な材料を選定しなければなりません。

 材料選定の判断基準は多くあり、また必ずコレを使わなければいけない、という規則は無いので同じ部品でも業種や設計者の経験会社の設計標準などによって違う材料が選ばれる事があるのですが、ここで良くない選定をした場合加工時に設計通りの精度が出せなかったり、耐久性が無くすぐに摩耗して壊れてしまったり、加工費用が多くかかり想定外のコストとなったり、様々な問題が発生します。

 時々、飛行機や原子力発電所での事故などの原因調査の結果をニュースで見ると、材料選定に不備があったのではないかな?と感じる事もあり、コストはもちろんですが安全面や機能面、耐久性に大きくかかわってくるので、いかにバランスよく最適な材料選定をするかという事がポイントになります。

 自動車などの乗り物、建築物、事務用品、日常的に目にするものも実は設計段階で部品ごとに誰かが頭を悩ませながら材料の選定をしている部分があるのです。

 次回以降、材料についての話にふれてみたいと思います。

7.やまのひとりごと

 寒くなってきましたね。
寒い季節には具材がごろごろ入った煮込み料理が食べたくなります。
土鍋などのゆっくり火が入るお鍋に大きめに切った牛肉、お野菜を放り込んで
ローリエの葉を二、三枚入れ赤ワインで煮ます。
塩コショウで味付けし、お肉が柔らかくなるまで煮込んだら牛肉の赤ワイン煮の完成。

 多めに作って残ったらドミグラスソースを足してブラウンシチューにしてもおいしいです。
ご飯もパンも、もちろんお酒も進みます。

たくさん食べて、風邪に負けない体力をつけないと!と言い訳をしながら食欲の秋を満喫しているやまです。