目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.展示会情報











1.製品紹介

[動力循環式ギヤ試験機]

[装置概要]

動力循環方式によるトルク負荷を与え、
ギヤの耐久試験を行う試験装置です。

[製品イメージ]



[装置特長]

●電動サーボによる回転数パターン運転。 ● 計測データ保存用データロガー付き。
●ファインアジャスタによる手動負荷設定。 ● 供試体部分の振動モニタ・インターロック。
●入出力トルク・回転数計測。 ● タッチパネルによる各種モニタ・設定。
●熱風循環による供試体部分温調制御。

[製品仕様]
負荷荷重 (ご相談)
回転数 (ご相談)
供試体温調 (ご相談)
自動パターン運転 (ご相談)
計測項目 (ご相談)
計測データ処理 (ご相談)
ユーティリティ 電源:3相AC200V

*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

「計時」

  この夏、昨年の7月にディジタルテレビ化されて初のオリンピックが開催、全国的に高画質で提供され各種競技放映も今までに無く充実していたようです。

 この為、8月前半は睡眠不足で仕事につくことが多かったのではないかと思います。全般的に主観による採点方式をとる柔道や体操では海老沼誤審や内村誤採点など、ジュリー団による素人的判定が目につき少々興ざめ傾向。

 反面、陸上や水泳などの計測器判定で粛々と進む競技には、安心して競技者も観客も集中できたのではないでしょうか。
両競技とも、メダル獲得だけでなく世界記録との戦いでもある競技なので、技術的にいかにして公正に時間を測定されて来たかが注目されます。

 ボルトが9.58の世界記録を出して、世界をあっと言わせたのが3年前。0.01秒が身近ではないためピンとくるわけではありませんが、ゴールでの体形や、水泳での指先の力の入れ具合によるタッチ差などを聞かされると、0.01秒の長さを考えさせられます。

 100mの計時が手動であった頃、9.9秒台の世界記録は、13年ほど同じままです。この間の世界記録保持者は誰が本当に一番なのかわからず、人間の走る限界を感じさせられていたのを思い出します。
 電動計時になってから、競技者が、絶対的な差を感じ明確な目標を立てることが出来た結果、世界記録は8年間に0.1秒ずつ短くなってきています。技術の進歩が記録更新にトリガを与えたと言っても良いでしょう。水泳のスタート台や、タッチ板の開発も同様です。

 弊社の提供するLA測定機も各種センサを搭載、現象をより数値的に明確に表現することを目的としています。ご使用頂く開発者の皆さんに、それまでのあいまいさを排除、供試体の個体差を明確にすることで、開発のブレークスルーを実現いただくよう、計時を含めた技術を磨いているところです。





3. 書籍紹介
『聞く力~心をひらく35のヒント~』
阿川佐和子著 2012年1月発行

 インタビュアーとして、テレビや雑誌で大活躍の阿川氏が、聞く・聞き出す際のポイントをまとめたエッセイ調の本。新書には不似合いな軽妙な筆致に、思わず引き込まれてしまいます。
 
日頃、話す・伝えるということには腐心しているビジネスマン諸氏も、聴くということにまでは注意が回らないことも多いはず。改めてコミュニケーションの難しさに気付かされます。

 また、日頃、聞き手に終始せざるを得ない阿川氏の思いが一気に噴き出している感じも…。
文中で自分自身を繰り返し「アガワ」と語るところに、独特のはにかみも見受けられます。
4. EV・HEV開発最前線
「世界の自動車市場におけるEV・HEVの動向」


   EV駆動およびHEV用モータジェネレータなど、次世代自動車開発は、かなりのスピードで燃費(電費)の向上に向けた開発を急いでいます。

 とりわけ米国におけるEV・HEV化には燃費(電費)効率を倍に高めるというミッションも手伝い、IPM式モータとそれをドライブするインバータにも研究開発投資が集中しており、加えて隣国の呪縛から脱皮する意味でも代替レアアースなどを活用するなど多方面で開発に必要な試験設備ニーズが高まっています。

 客先ニーズに的確にカスタマイズされた、スペースクリエイションMSH試験システムが今後一層注目されると期待してやみません。

5. -コラム-    


「オスプレイ配備問題について考える」
                    
/青木邦章

 沖縄の米軍基地問題・周辺離島の領土問題に関連し、オスプレイ配備の是非が注目を集めています。学生時代に流体力学を卒業研究に選んだ青ちゃんとしては、オスプレイのようなVTOL(垂直離着陸)機には、その技術に強い関心があります。複雑な政治・軍事問題は紙面の都合上論点から外しますが、それにしても事故原因が機体の構造上の欠陥なのか?操縦者の技量によるものか?といった現在の議論には非常に強い違和感を覚えます。

 それというのも機械装置の開発においては、マンマシンインターフェイスという観点が非常に重要であり、そもそも人間は過ちを犯すという発想で設計を行うことがあたりまえだからです。
フールプルーフ(ポカ除け)といわれる考え方です。

 また機械装置は故障するのが大前提ということで、その際にも装置が自動的に安全サイドに作動して、大事故に至るのを防ぐといったフェイルセーフ(あるいはフォールトトレラント)の考え方も併せて検討されるのが常識です。

 そういった観点から考えると、前述の対立論は意味をなさないこととなり、仮に通常の航空機よりも事故発生率が高ければそれ自体が問題視されるべきことになります。オスプレイの事故発生率については詳しく知りませんし、軍用機という性格をどう考えるかなど微妙な判断もありますが、まずは国民の不安を解消するためにはどうやって安全性を高めるかという議論・方策立案が大切だと思うのです。

 これらについては、自動車の開発製造技術、あるいは新幹線の安全運行管理技術などを応用し、日本が協力できる部分は多いはず。基地使用や自衛隊での採用と引き替えに、参入障壁の高い宇宙航空産業に切り込むよいチャンスではないのかと思います。

 どこぞのオリンピックチームのわざと勝たない小細工を戦略などと騒ぎ立てずに、こういったまともな交渉戦略をどうして政治家や行政マンは実行できないのでしょうか?おっといけない!避けて通るはずの政治・軍事問題に踏み込みそうになってしまった…。

6.技術コラム
「摩擦磨耗の話⑦摩擦に関する試験機について」

  前回までに摩擦に関するテーマについていろいろお話ししてきましたが、弊社が主に関わる自動車の開発において、どのような装置を作ってきたかを具体的にいくつかご紹介します。

 これまで「メカロス(機械的なエネルギー損失)低減」という目的のためのいろいろな試験機を設計・製作していますが、ひとくちにメカロスといっても単に摺動する部分を滑らかにして摩擦力を減少させる、ということだけでなく、部品の表面処理や部品間に介在する潤滑油をどのような厚さでどのように分布させるか、潤滑油そのものの成分や温度特性・耐久性に関してなど、実に多様な試験が行われています。

 たとえば弊社の製品のひとつである「ピストン摺動試験機」では、エンジンのピストンとシリンダ内面の潤滑の状態を観察するために、ガラスの筒でシリンダをつくり、内部でピストンを実際のエンジンと同様に上下させ(試験機ではエンジンでなくモータで駆動します)ガラスを通して潤滑油の分布状態を観察します。特殊な蛍光剤(1gあたり3万円!)を混ぜた潤滑油を使用し、外部から照明を当てて高速度カメラで撮影することにより、画像の輝度からどこに何ミクロンの油膜ができているかを測定することができます。

 同時に浮動ライナという手法を用いて上下の摩擦力を3分力センサで正確に計測することで、潤滑状態と発生する摩擦力の関係を知ることもできます。「軸受摩擦試験機」では、軸受で支持された回転軸に試験軸受を介して数トン、数十Hzの振動荷重を与えた状態で高速回転させ、回転トルクの増減や磨耗量を計測します。また、これらの試験を行う際には、潤滑油の特性が温度によって大きく変わるため、雰囲気温度・潤滑油温度をそれぞれマイナス40℃から150℃まで調整し、各温度での試験を行います。

 このような特殊な試験機は一品一様で非常に難しい技術を要求され、その要素ひとつひとつがノウハウの蓄積でありますが、言い換えれば日々新しい技術へ挑戦し続けてきた結果とも言えます。

 もちろん失敗する事もありますが、それを恐れていては新たな技術を獲得できませんので、これからも常にチャレンジし続ける企業であり続けたいと思います。

7.展示会情報



Automotive Testing Expo China 2012

会期 2012年9月18日(火)~20日(木)
18日(火)   9:30~17:00
19日(水)   9:30~17:00
20日(木)   9:30~15:00
会場:Shanghai Everbright Convention & Exhibition Center  中国・上海
    (66 Cao Bao Road, Xuhui District, Shanghai 200233, China.)
弊社ブース:3048              
出展製品:MSHコントロールシステム


今年も、中国で行われる展示会に参加します。

ご希望の方に、会場に無料で入場できる招待状をお送りいたします。
招待状お送り先住所を添えて、下記アドレスまでお気軽にご連絡下さい。
web-info@spacecreation.co.jp