目次
1.展示会出展報告
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと










1.展示会出展報告


出展しました
 5月23日、24日、25日の3日間パシフィコ横浜で開催された
“人とくるまのテクノロジー展2012”に出展いたしました。

会期中はブース内でのパネルや弊社製品などを展示して、ご来場者様をお待ちしておりました。

会期中の様子


 今年も弊社展示ブースへ多くの方にお立ち寄り頂きました。
お忙しい中、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。


2.技術コラム 

「地球最大規模の測定」

  5月21日の金環食は多くの人が空を見上げ、天体の不思議に思いを馳せたことだと思います。金環日食帯が予報されていたので、観測の限界線にある人たちはより内側へと移動、条件良く天体ショーを見ようと考えたのではないでしょうか。

 でも実際に正確だとされる予報帯も300mの誤差があるとのこと。まさか、移動する距離が500mだと言う人はいなかったでしょうから実害はないものの、一方で境界線を利用して太陽の直径を測ろうとしていた人たちがいたことで、天体ショーにさらに一味面白さを付加させていたのです。
 そもそも太陽の半径は、1891年の測定結果からそのまま計測の信頼性が上がることはなく、誤差で100~500kmもある696,000km。

 今回の太陽の直径は、これを三角測量方式で比例計算することにより誤差50kmまで抑えることが出来る模様。場合によっては、誤差10kmで計測されるかもしれないとのことです。これほどまでに正確な測定が現実味を帯びてきているのは、三角測量の基準となる月の大きさが極めて正確に割り出されたからです。

 日本の月探査衛星「かぐや」によってトレースされた月の表面データは677万点であり、これらの正確な形状データから月の直径が誤差10mでわかったのが2009年。これらの科学技術進歩と偶然が重なり、今回の金環食の限界観測点データでの比較から太陽の直径はこれまでに無く正確に測定されるとのことで、その成果は非常に楽しみなものです。

 この三角測量方式は遠い昔から利用されており、紀元前300年頃には太陽の直径を概算、紀元前250年ごろには地球の直径が概算されているようです。弊社で使うレーザ変位計なども同様で、三角測量方式によりサブミクロン以下での測定を保証。これからは、レーザの作る三角形の中に月と太陽を想像し、夢をわかせながら計測装置開発に入れ込んでみたいと思います。

3. 書籍紹介
『ザ・ゴール』
エリヤフ・ゴールドラット著 三本木亮訳 ダイヤモンド社 2001年5月発行

 この本は「世界で1000万人が読んだビジネス書」の触れ込みで販売されている、小説の形態をとったマネジメントの教科書です。
 舞台は米国の片田舎の機械メーカ、工場長アレックス・ロゴの奮闘記。業務上のトラブル、上司や関係部署との軋轢、仕事と家庭の両立などなど、中間管理職をとりまく問題は洋の東西を問わず共通しているもの。おそらくみなさん誰しも身に覚えのあることばかり。
 500頁以上ある取っ付きにくい本ではありますが、意外にすらすらと読み進むことができます。
日頃とらわれている自分達の仕事の常識とやらを見直す、ひとつのきっかけになるかもしれません。

4. EV・HEV開発最前線
『Motor Test System』
ControlDesk画面例
左図のように制御設定項目「Set Test Condition」でモータの駆動速度、方向、負荷トルク、駆動波形デューティ比、サイクル数を設定。制御設定駆動波形をモニタしながら、モータの瞬時状態をモニタできる画面として製作しております。

5. -コラム-    


「ローコンテクスト文化」

                    
/青木邦章


  この1週間、またまた北京滞在の青ちゃんです。
外国を旅しているとコンテクストという言葉を意識することが多くあります。なんでもかんでもカタカナ言葉で表現するのは日本語(漢字)に対する語彙の乏しさを露呈しているようでちょっと気が引けるのですが、「コンテクスト」を「文脈」とか「前後背景」などと言ってもちょっと違和感を覚えます。

 日本は基本的には比較的同質共通な文化背景で、「あうんの呼吸」、「以心伝心」などと言うことが当然のように語られ、それができないと「KY」(空気読めない)なんて烙印を押されるハイコンテクストな国です。

 一方、同じ漢字文化圏でも中国は全く異質の国。
顔形も最近では服装もだいぶ似通ってきているので、ついつい気を許しているととんでもない事態に陥ります。
そもそも五族共和なんてスローガンがないとやっていけない国、実際には言葉(方言)にいたっては五十以上存在する国、典型的なローコンテクスト文化圏です。

 もちろんヨーロッパにしても隣国は町並みが似通っていたりするものの、民族的には入り組んでいて、言葉も多様化していて、とても一筋縄ではいかない地域。あまり詳しくありませんが、米国も同様なのかもしれません。

 そんな異国で仕事をするのは、多大なエネルギーを消耗し、心身ともに疲れきってしまい、帰国するとやっぱり日本が一番落ち着くなと思います。

 でも、もしかするとそれも錯覚、勝手な思い違いかも?
そういえば昔、若手スタッフを叱っていたとき「社長はよく『だってそうだろ!』と言うけれど、どこが『だってそう』なんですか?」と食って掛かられたことがあります。日本でも世代が違うとローコンテクストなのかもしれませんね。気をつけなくちゃ・・・。

6.技術コラム
「摩擦磨耗の話④摩擦の法則」

 前回、摩擦発生のメカニズムとして凹凸説と凝着説についてお話ししましたが、分子間力による凝着が摩擦の原因である、ということが様々な研究からほぼ明らかになってきました。

 この辺の話については詳しく書き始めるとキリが無いので概要にとどめますが、私たちの生活と深く関わっている摩擦の原因が、「分子間力」という訳のわからないものによって支配されており、なおかつ、長い歴史において研究されてきたにも関わらず、冒頭に「ほぼ明らかになってきた」と表現したようにその法則の一部は経験則や推論から成り立っている結構あいまいなものである、というあたり、摩擦の不思議さと面白さがあると思います。

 ところでその分子間力というのは簡単に言えば、物質の分子レベルでお互いに引き合う電磁気学的な力で、凝着説において真実接触点のみで摩擦の原因となる分子間力が働く様に、その距離がごく近くなければ発生しません。(ちなみにガラスに水滴がつくのも、接着剤がくっつくのもこの分子間力によるものです。)

 そしてこの分子間力が摩擦の原因であるということを説明の軸とした「クーロン-アモントンの法則」というのが摩擦を物理学の立場から見た際の一般的な法則として知られています。

(ⅰ)摩擦力は見かけ上の接触面積に依存しない
(ⅱ)摩擦力は垂直抗力に比例する
(ⅲ)動摩擦力は静摩擦力より小さく、速度に依存しない

 というのがそれで、結局のところ、摩擦力をF、垂直抗力をN、摩擦係数をμとして、【F=μN】という極めてシンプルな式に集約されており、我々エンジニアの世界でも上の法則とこの式さえ憶えておけばまず困る事はない、というのが結論となります。

 ただし、上記法則については、説明はできても完全に実証されていないあくまで経験則であり、ある特殊環境下では上記法則が成り立たない、という未解決の問題も残されています。
 もしかすると近い将来、何か画期的な摩擦のメカニズムに関する発見があるかもしれません。


7.やま のひとりごと

 暖かく心地よい時期が過ぎ、徐々にジメジメとした梅雨の気配がしてきました。
雨の日はお出かけも億劫だし、かといって家ですることも特にないなぁ…
そんな時に挑んでいただきたいのが、クッキー作りです。

 やまはクッキーの生地を焼成前の状態で冷凍してストックしておき、食べたい時に食べたい分だけ取り出し焼いたりします。友人が訪ねてきた時やお呼ばれの時の手土産にも使えますよ。
 慣れてきたら、チョコやゴマ、ココアや紅茶の葉などでアレンジを加えてみたり、砂糖やバターの分量を変えて自分好みのレシピを考えるのも楽しいものです。
 家に篭りがちな梅雨時、折角ですから手作りお菓子を囲んで家族や友人とゆっくりすごしてみてはいかがでしょうか?