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2.技術コラム
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「電気飛行機」
NYオートショーで道路の走行が可能な飛行機が話題となっています。Transitionと名づけられた車(飛行機?)は、今ではもう見ることも無いガルウィング車を想像させるような外観。鳥のように翼を畳み、それを立てたまま公道を走れる。「ここまで開発するなら、せめて折り畳んだ翼は回転させて納めてくれればよかったのに。」と、考えたのは皆さんもご同様と思います。
平然と道路を走行、滑走、離陸している動画を見ていると、ついつい、車のトレンドに倣い飛行機も電気に、との発想が進みます。
検索すると、着々と開発が進められているようで、試作機だけでなく少量販売レベルにまで達している模様。搭載されているモータについても、Cri-Cri(セスナ系)が22kW、TaurusElectro(グライダ系)が30kW 、さらに、ElectralFlyerC(グライダ系)が5kWと、電気2輪車並みのモータで、30分~2時間程度の飛行を可能とするのが先端電気飛行機の性能のようです。
本当かどうか疑わしいものの、自動車よりもはるかに燃費計算上は効率的とのこと。路面摩擦抵抗が無い分だけ抵抗が少なく、揚力さえ稼ぎ、高度を維持できる程度に飛べれば良い滑空は、大量輸送や高速移動を考えなければかなりの燃費が期待出来るようです。
また、各規制にとらわれなければ最短距離で目的地に到達できる訳ですから、元々理想的な乗り物であるはずです。現実的には、ヨーロッパのように広大な教習所をいくつも作れない日本では、夢のまた夢の話ではありますが…。ジャンボなどのジェット燃料燃費が150m/Lぐらいと言われ、灯油の垂れ流し状態であることからすれば、必然的に電気飛行機に移行せざるを得なく、開発が進められていることが推測されます。
弊社ではHEV、EV系のモータを評価する装置に力を注いでいますが、近い将来に航空機産業からのモータベンチの引き合いが来ることを期待するところです。
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3. 書籍紹介
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『決断できない日本』
ケビン・メア著 株式会社文藝春秋 2011年8月発行
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皆さんは本を読む時、何を基準に選択しますか?
私は自分の関心のあるテーマで決めるか、著者に興味があるかで選びます。
本書は「沖縄はゆすりの名人」と言う言葉でマスコミに叩かれ、また3.11に際しアメリカの支援実務担当者として一躍有名になったメア氏の著書です。
事の真相に対しての言い訳の本的な感じもしますが、過去35年日本と関わりを持ってきた氏の日本に対する見方を吐露した本でもあります。あまり他国の人の日本に対する評価ばかりを気にするのは困りモノですが、時には異なった文化的背景を持った人の日本(人)への感じ方を謙虚に受け取ることも大事。急激にグローバル化が進んでいる時代に、世界の中での日本の役割など考えさせられる面も多々あります。 |
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4. EV・HEV開発最前線
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今月は『人とくるまのテクノロジー展2012』出展のご紹介です。
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スペースクリエイションが提案する耐環境性評価試験装置です。
カーエレクトロニクスと性能試験、耐久試験、効率試験の解析と
MAP化を独自システムにより、利便性、操作性、投資効率を高めた
“MSH”トータルコントロールシステムです。 |
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5. -コラム-
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「カリスマ不在の時代」
/青木邦章
小粒な人材が離合集散を繰返している政治の世界、会社の知名度は高くても社長がいったい誰なのかはわからない経済界、一人では人気をとれずセット販売している男女アイドルグループ。政界も経済界も、また芸能界もカリスマがいない時代と言われています。世界各国似たようなものかもしれませんが、特に日本はその傾向が強いように感じます。
世の中が比較的安定して、みんな小さな幸せに満足しているからでしょうか?あるいはそういった中で志向(嗜好)が多様化して一極集中されないせいでしょうか?
はたまたネット時代で情報が氾濫共有化されすぎていて、特定の個人が差別化を図り突出するのが難しいのでしょうか?
そもそもカリスマというのは預言者や呪術師のような怪しげな宗教パワーで集団のベクトルを束ねる存在。現代風に考えると、雄弁さや奇をてらったパフォーマンスで煽るポピュリズム的危うさをもっていますので必ずしも理想的な存在ではないのかもしれません。
ただ、そうはいっても凡庸でミーハーな青ちゃんとしては、そんな カリスマの出現によって何か社会が変わってくれることに期待しちゃったりもします。
世界の中での日本の存在が、政治はもちろんのこと経済も芸能も年々小さくなっているのを見るにつけ、ウルトラマンがどこからか飛んできて、そんな閉塞感をぶち破ってくれるといいなと思っちゃいます。
経営者がそんな他力本願的な考えではいけないのかもしれませんが、そういった時代の息吹みたいなものがあると、みんなそれに触発されて燃えてくるのかもしれません。今日は大学で講義をしてきたのですが、「学生達の中からそんな乗りのいい若者が出てくれると日本も変わっていくのにな!」なんて思いながら眺めていました。 |
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6.技術コラム
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「摩擦磨耗の話③凹凸説と凝着説」
前回、摩擦のメカニズムについて、実は今現在も謎が残っている、ということをお話ししましたが、過去に世界中の科学者たちによってなされた論争で非常に興味深い、「凹凸説」と「凝着説」について少しお話ししてみようと思います。
そもそも摩擦に関する最初の科学的な研究はご存知レオナルド・ダ・ヴィンチが15世紀に、日常で手に触れる石や木を対象に実験を行い、「摩擦係数」の概念を導入しました。
その後17世紀から18世紀あたりにかけてこの分野の研究がさかんに行われ、当時の論争の中心となったのが「凹凸説」と「凝着説」です。
【凹凸説】ダヴィンチを始め、ほとんどの人が摩擦抵抗の発生する理由として最初に考えていた説
で、互いに滑り合う二つの面の細かい凹凸が噛合う事により抵抗となり、これがすなわち摩擦である、という解釈です。
一件滑らかに見える物体同士でも表面には凹凸があってそれらが噛合っており、横に滑らせるためには斜面を上る必要があるため、それぞれの斜面での押付け力を水平方向に分解した力の総和が摩擦力である、という説です。(図1)
【凝着説】しかしその後、斜面を下る部分の力との関係に関する矛盾や、表面を極力滑らかにした板同士を密着させた時のほうが摩擦力は大きくなる実験結果などから、別の説が唱えられるようになりました。 これが凝着説で、見かけ上の接触面積に対し、表面を拡大してい
くと本当に接触している部分はごくわずかで、この真実接触点において分子同士が引き合う力(分子間力)が発生し凝着しており、その凝着を切離すための剪断力の総和が摩擦力である、という説です。(図2)
現在では基本的には凝着説が正しい、というのが定説になっていますが、実際のところ経験則に基づく部分も多く、摩擦力を正確に算出する方法も実測以外には確立されていないのが現実です。次回、分子間力や摩擦の法則についてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
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7.やま のひとりごと
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4月に入り、日増しに暖かくなってまいりました。
5月は連休や母の日など、イベントが多い月ですね。大切な人との思い出作りや
感謝を込めてちょっとしたお出かけなど暖かい今の時期ピッタリなのではないでしょうか。
5月の23日(水)24日(木)25日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて
「人とくるまのテクノロジー展2012」が開催されます。
昨年も多くの方々にご来場頂きました。
今年も皆様のご来場心よりお待ち申し上げております。 |
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