目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.鳩豆のひとりごと







1.製品紹介


材料摺動磨耗評価装置


高温環境下にて材料試験片に負荷荷重を与えながら加振・摺動をさせ、耐磨耗性の評価を行います。


【特徴】

電空レギュレータによる垂直方向負荷

インバータモータ及び偏芯カム機構による水平方向摺動

試験片磨耗によるストローク量変化への自動追従機構

ヒータによる試験片加熱

タッチパネルによる設定・操作・表示

自動運転パターン設定

計測データをPCロガーへ転送・保存

試験結果のレポート出力機能(ノートPC)


 
【測定項目】

 温度

 回転数

 変位量

 荷重





加熱温度、負荷荷重、加振ストローク量、試験周波数、データ処理方法など、特注仕様にて対応いたします。まずは、ご相談下さい!



 




2.技術コラム 

「ソニーとアップルに思うこと」


 ソニーのMDウォークマンやパナソニックのVHS撤退があったり、シャープ液晶テレビの亀山ブランドがなくなったりといった話がこのところ聞かれます。

 iPad, iPod, iPhoneが連続ヒット中のアップルと比較され、「日本は、かつてのソニーのような勢いを取り戻すことはできるのだろうか?」といった議論を耳にすることもしばしばです。

 外国との技術差が感じられなくなった家電分野では、消費者のニーズを的確に捉え、ヒットを飛ばすことが容易ではなくなってきたようです。

 スマートフォンからは日産リーフ、トヨタ86のアクセス・バッテリ情報や、運転中の情報を確認することができるそうです。

 これらの技術が、携帯世代への受けを狙った点ではタイムリーであったとしても、真似・模倣のイタチごっこが続くだけになってしまうのでは?と批判するばかりではなく、若者の車回帰を呼び起こし、景気昂揚となる良策だと受け入れるべきなのかもしれません。

 このように考えながら、日本の技術力を見つめ、研究用計測装置を提供している技術者として感じていることは、日本の熟練技術の高さです。

 

 電気自動車に使用されているカーボンファイバ、モータネオジウム磁石、リチウム電池はいずれも日本人による発明です。

 これらは日本復興期から長年研究されてきた成果である、基本技術と、その基本技術の応用による熟練技術によって実現されたものです。

 IT化された自動車を目指すことも一つの道ではありますが、いずれはコピー商品が出回ってしまうものと思われます。

 向かうべき姿としては、培ってきた熟練技術を見直すこと、さらに熟成させることです。これらのステップを踏むことにこそ、日本の未来像があり、Made in Chinaの追撃から抜けられる道があるのではないかと思います。

 自動車産業で見れば、燃費向上と制御性向上に向けての開発は、日本が先駆的に進めてきた技術であります。

 弊社もそのための研究用計測装置の提供を通して、貢献していきたいと思っております。


 





3. 書籍紹介


『中原中也詩集』

神保光太郎編 白凰社 1965年5月発行
   


 今月は「サーカス」、「汚れちまつたかなしみに・・・・・・」、「一つのメルヘン」など数多くの作品が国語の教科書に掲載されている中原中也の詩集をご紹介させていただきます。

 中原中也については、作品そのものではなく「あの、国語の教科書に載っている人物の中では、わりとかっこいい人のことね!」と見た目の話題になってしまうこともしばしばですが、本書『中原中也詩集』には、見覚え、聞き覚えのある作品が多く納められており、たまには詩集もいいなぁと、のんびりとした気持ちで楽しめる本です。

 まだまだ寒い日が続く3月ですが暖かく晴れた日の、ひなたぼっこのお供にどうぞ!




 




4. EV・HEV開発最前線



「機能モジュール」


  機能モジュール6回目の今月は「充放電特性」について、ご紹介させていただきます。



機能モジュールその6    
~充放電特性~


 
電圧制限、電流制限、電力制限
 
電子負荷装置
 ・
電子負荷モデル
 ・
車両・運転・走行モデル
 ・ 充放電曲線


→→ Key Word ←←


* Charge and Discharge Curve






5. -コラム-     



「受験について考える」
   
                    
青木邦章



 昨日、急な東京出張でいくつかの常宿に当日連絡をいれたものの全て満室。甲子園シーズンの大阪以上に過密状態でやや遠方の宿にようやく滑り込めました。

 日本全体の行事として、その規模の経済効果を改めて認識しました。

 我が家も息子の大学受験でここしばらくばたばたしていますが、その様子を近くから見ていると、「四当五落」(睡眠4時間なら合格、5時間だと不合格)などと言われて悲壮感がどっぷりと漂っていた青ちゃんの時代とは、やや趣を異にしているように感じます。

 少子化・大学林立で全入時代と言われていることも影響しているのでしょうが、企業と同じく二極化構造の中での難関校は昔同様あるいはそれ以上に難しくなっているようにも見受けられるので、それよりも受験システム全体が産業構造に巧みに組入れられて、より高度サービス化していることが原因と思われます。

 高校と予備校などが密接に連携し、試験問題の傾向と分析が徹底的になされ、模試結果は勿論のこと、センター試験結果も直ぐに全国規模で分析フィードバックされて、合否判定などの意思決定に役立てられています。




 


 また受験者側もそれをPCゲームよろしく楽しんでいるようにも思えるのは、デジタルデバイド世代に近い青ちゃんの偏見でしょうか?

  自動車の運転にしても、GPSと緻密な道路網データを搭載したカーナビ出現により様変わりしていますが、これに頼りすぎると予想外の事態に遭遇した時の対処には非常に弱いもの。

 人生の節目の選択にはそういったツールに頼りすぎることなく、確固とした人生哲学のようなものを尊重するのも大切かな?と思ったりします。

 もっともビジネス人生の最終コーナーを回っている同輩達を見ていると、受験そのものもそれほど深刻なものでないということは証明済みかもしれません。






6.技術コラム


「摩擦の話① トライボロジー」
 

 弊社の商品のひとつに摩擦・磨耗に関する試験機があります。

 簡単に言えば、一対の部品同士をこすり合せ、どのくらいの抵抗が発生するか、また、長時間経過した後、どのくらい磨耗するか、といった事象を試験する機械です。

 摩擦・磨耗については、学術的には「トライボロジー」という分野として古くから様々な形で研究されており、また近年、自動車業界でも省エネ・低燃費の需要の高まりに伴い注目されている分野でもあります。

 なぜ自動車の開発において摩擦に関する研究が注目されているかというと、自動車の燃費向上において摩擦に関する研究がひとつの鍵を握っているからです。

 自動車のエネルギー効率は燃料が持つエネルギーを100%とした場合、ガソリン車のエンジンで10~20%と言われています。

 つまり自動車とは80%以上のエネルギーを熱や音のエネルギーとして捨てながら走っている非常に効率の悪い機械なのです。(ちなみに電気自動車の動力源であるモータの効率は約80%)

 燃費向上とは、その捨てているエネルギーの部分をどうすれば少しでも捨てずに走れるか、という事になり、例えば走行抵抗を減らすための各部品の軽量化であったり、エンジンの燃焼効率を高める燃料供給方法であったり、空気抵抗を減らすための車体形状であったり、様々な点から研究が進められています。

 その中の重要なテーマのひとつとして、エンジンからタイヤまでの動力伝達部品の各部の摩擦力(エネルギーの損失)をいかに小さくするか、という摩擦に関する研究が行われており、そこで必要とされる試験機を弊社が設計製作しているのです。
 
 次回以降、摩擦に関するもう少し詳しい話をしてみたいと思います。










7.鳩豆 のひとりごと

 
 みなさまのご支援・ご声援をいただき、1987年2月2日創立の㈱スペースクリエイションは先月、25周年を迎えることができました。

 2月11日(土)にはグランドホテル浜松にて、創立25周年記念式典も行われました。

 スタッフやその家族などのごく内輪での式典でしたが、この良き日を迎えることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

 


~沿革~

1987年
浜名郡新居町にて、機械設計事務所として設立法人登記

1991年
浜松市篠原町に事務所・工場を新築移転

            ~中略~

2007年
経済産業省 平成19年度地域申請コンソーシアム研究開発事業 受託
経済産業省 平成19年度戦略的基盤技術高度化支援事業 受託
資本金を50,000,000円へ増資

2008年
パワートレーン傾斜スタンド 「MTU-10」 開発
電力回生型モータリング装置 「MEP-10」 開発
ジャーナル軸受型摩擦摩耗試験機 「TMJ-10」 開発

2009年
静岡県中小企業連合会 油圧可変動力循環方式歯車試験機「MED-10」 開発
静岡地域産業総合支援補助金 輸送機部品開発用シミュレーション装置「MRP-20」 開発

2010年
中国展示会出展等、本格的海外進出 開始
HEV・EV・FCV用モータ性能・耐久試験装置 「MSH-10」 開発
ピストン往復摺動試験機 「TPF-10」 開発

2011年
経済産業省 平成22年度補正戦略的基盤技術高度化支援事業 受託