目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.鳩豆のひとりごと




1.製品紹介


CSD-20
接触式:歯車OPD自動計測装置


ギヤ・スプラインシャフト製造現場での各種検査、エンジン分解組立作業現場での寸法計測にご活用下さい

カスタマイズにより、CVT用シャフトの寸法計測も可能です!

測定子及び設定を変更することにより、 内歯(BPD:ビトウィンピン径)計測・外径計測も可能です

あらゆるモジュールに対応します

大ストローク対応プローブを使用しており、φ200のギヤ測定もカスタマイズにて対応可能です



<仕様>
標準仕様 カスタム仕様
対象ワーク 全長 120~300mm 600mm以下
最大径 φ100mm φ200mm以下
測定範囲 φ15~φ100mm φ200mm以下
分解能 0.1μm ご相談
電源 AC100V ご相談
歯車モジュール m1~m3.5 ご相談
測定子(ボール) φ2~φ12 ご相談
*径測定については、測定子を変更して対応します
 




2.技術コラム 

「HILSあれこれ」


 Hardware In the Loop Simulation ここのところHEV・EV系装置の案件提案でよく聞き、耳慣れてきた言葉ですが、説明のつきにくい言葉でもあります。

 飛行機のフライトシミュレータ、鉄道のトレインシミュレータ、船舶のクルーズシミュレータ、オートバイのライディングシミュレータ、自動車のドライビングシミュレータなど、いずれもが操作可能なハードを搭載した装置でのシミュレーションですから、総てがHILSということになります。

 つまり一般的に接する一番身近なHILSは、自動車教習所でお世話になる運転練習用ドライビングシミュレータということになります。

 ちょうど今関わっている案件で、自動車部品の評価装置としてリアルタイム制御のHILSシステムを構築しているところです。

 ステアリング、パドルシフト、3つのペダルの揃ったゲーム用ドライビングシミュレータを使いながらデータ取得用のプログラムを実装しています。
 

 
 実はゲームパッド風のシミュレータデバイスは、お客様の指定品です。

 たかがゲーム用と侮っていたのですが、プロのレーシングドライバもコースを覚える為に利用し、習熟を図っているとのうわさもあるこの装置、実際に使用してみると、反力セッティングの記憶などの機能も豊富で、研究目的での利用もうなずけます。

 プレイステーションなどのゲーム機に劣らぬよう、気を引き締めてプログラムに臨んでいるところです。自動車メーカ研究部隊におけるHILSの利用目的は、ラピッドプロトタイピングです。

 試作の費用と時間を削減する仮想装置としての位置付けのはずですが、これだけの機能をゲーム機が持ち始めると、本来の試作品に合わせて開発するのか、仮想装置(ゲーム機)に合わせて試作品を開発するのか、混乱してしまいそうです。





3. 書籍紹介


『わたくしが旅から学んだこと』
 
    兼高かおる著 2010年9月 小学館 



 
 夏と言えば旅です!
 
 旅に出ると考えただけで、ワクワクしますよね。

 1人での旅も、誰かと一緒の旅も、心が弾みます。

 本書は、1959年から1990年まで、朝のテレビ番組「兼高かおる世界の旅」にて、ナレータ、ディレクタ兼プロデューサとして世界150か国余りを取材し、地球を180周もされた兼高かおるさんの著作です。

 旅を通して知りえた世界・日本をこれからの若い世代に伝えたいという思いや、旅をすることの魅力が美しい日本語で綴られています。

 

 




4. EV・HEV開発最前線


「試験統合システムの構成」

 試験統合システムの目的とするところは、EV/HEV用供試モータの性能試験を統括すること、つまり一元化された試験システムとして構築させることにあります。

 モータ特性として主要試験項目であるN-T(回転速度とトルク)特性計測を、フィールド想定された条件である冷却・潤滑温度および環境温度による影響度合いを検証することにあり、しかもその制御および監視を一元化することにあります。

 従来の試験構成では、高速ダイナモ・トルク検出機構・冷却装置(
ATFLLC・環境)・供試モータ力行制御機構・供試モータ回生制御機構・電子負荷装置・統括制御部・監視制御部などのシステム主要部が単体機能として扱われることにより、試験効率・生産性・データ品質などへの懸念が取りざたされてきました。

 スペースクリエイションでは、本来あるべき試験システムを統合化することにより、具体性試験条件として、よりフィールドに沿った形で扱うことを目指してきました。

 当社のMSH統括試験システムは、その思想を実現させるのに必要な要素を併せ持つシステムとして関心を集めています。

 次回からはシステム主要部について紹介します。





→→ Key Word ←←


*ATF  
   Automatic Transmission Fluid

*LLC
   Long Life Coolant

*Electronic Load

*BTS 
   Battery Simulator





5. -コラム-     



「プロジェクトとプログラム」
   
                    
青木邦章



 プロジェクトマネジメント(プロマネ)の世界には大きくプロジェクトとプログラムという分類があります。少々理屈っぽくなりますが、日本発のプロマネ体系であるP2Mでは、これらを以下のように定義しています。

 プロジェクトとは、特定使命を受け制約条件の中で行われる価値創造活動で、個別性・有期性・不確実性を持つのが特徴。プログラムとは、全体使命を受け複数のプロジェクトが有機的に結合された総合活動。

 わかったようなわからないようなあいまい模糊とした話ですが、やさしく解説すると、何かの目的を持ってお金や人を活用しながら期限までに成し遂げる、一回こっきりの人の役に立つ活動がプロジェクト。そして、それが単独で成り立つのではなく、さらに複雑に関連して、大きな活動を行うのがプログラム。

 こうやって考えると、当社が日々行っているカスタムメイド型の開発試験機設計製作はまさにプロジェクトそのもの。そして、当社の事業活動はプログラムそのものということになります。

 開発試験機の受託製作業務は、業界の先端的な技術要求(品質:Q)を限られた予算(コスト:C)で期限内(デリバリー:D)に完遂させるのが絶対使命であって、スタッフ一同、毎日毎日頭を悩ませながら、また楽しみながら(?)これに取り組んでいます。

 
 しかしながら、経営サイドで考えると、個々のプロジェクトをきちんと回しながら、それを全体的に関連付けてより高い経営目標を実現していくことは、さらに並大抵のことではありません。

 そのためには、「ありのままの姿」と、「あるべき姿」をきちんと認識した上で、その間に横たわる障壁を上手に取り除いていくことが肝要。

 青ちゃんのプログラムマネジメント業(社長業)ももうすぐ四半世紀となりますが、相変わらずあちこちぶつかってばかりの毎日です。

 それにしても、原発問題も含めた東日本大震災復興プログラムの迷走ぶりにはあきれて言葉も出ません。

 青ちゃんのほうがもう少しまともにプログラムマネジメントできるのに・・・なんて思ったりして。







6.技術コラム


ばね座金について」
 
 機械部品を締結するためのボルトを使用するにあたり、ばね座金というものが広く使用されており、一般的にボルトのゆるみ止めの手段のひとつとして認識されています。しかし、近年の研究・実験により、ばね座金にはゆるみ止めの効果はほとんど無く、むしろゆるみを促進してしまう場合もあることが知られるようになってきました。
 
 ばね座金といっても、通常の締結状態では密着状態となっているため、ばねとしての機能をはたしていない状態であり、ばねによるゆるみ止めの効果はないと言えます。
 ごく弱い締め付け状態(ばね座金が密着していない状態)においては、そのばね力によりゆるみ回転に対する抵抗となり得ますが、一般的な機械を考えた場合、その状態は既に「ゆるんでいる状態」と言えます。

 また、角部が相手材に食い込んで抵抗となることもありますが相手材の硬度が高ければ機能せず、充分な効果は期待できません。

 ばね座金有無の両条件での加振実験を行った際、ばね座金有りの条件の方がむしろゆるみを促進するという結果も報告されており、その原因は厚み分の締め付け長さ増大によるボルト軸ねじれの増大と座面接触圧力偏りの影響の2点にあると考えられています。

 弊社の場合は、締結前の調整時にばね座金のばね力が必要な場合や、ボルト&ナットで締め付ける際のつれ回り防止の抵抗として使用する場合などを除き、ばね座金を使用することは基本的にありません。

 過去の慣習からか、それとも見た目の安心感(?)からか、時々お客様から御指摘を受けることもありますが、弊社でばね座金を使用していないのはこのような理由によるものです。



   



7.鳩豆 のひとりごと


 先日、白ゴマを口につけたまま外出してしまいました。
 黒ゴマでなくてよかった(><!