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人とくるまのテクノロジー展2010 |
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先日、パシフィコ横浜で開催された“人とくるまのテクノロジー展2010”に出展いたしました。弊社展示ブースへ多くの方にお立ち寄り頂き、誠にありがとうございました。当日のご説明では、行き届かない点もあったかと存じます。ご案内不足の点、資料請求などはお気軽にお問合せ頂ければ幸いです。 |
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1.製品紹介
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今月は、“人とくるまのテクノロジー展2010”に出展いたしました、
動力循環型モータリング装置についてご紹介させていただきます。
<MRP-20 動力循環型モータリング装置>
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歯車・CVT チェーンなどの動力伝達機構構成部の開発試験に最適です。供試体の脱着・点検が容易で、軸間の変更や偏角の設定が可能です。
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<装置構成> <装置イメージ>
<仕様例>
対象ワーク |
歯車・チェーン・CVT |
最高回転数 |
9,000 rpm |
最大負荷トルク |
300 N・m |
計測トルク精度 |
0.1 %F.S. |
運転モード |
連続/パターン/急加減速 |
計測項目 |
回転数/負荷トルク/温度/振動 |
データ収集装置 |
データロガー |
潤滑油温調 |
常温~80 ℃±5 ℃ |
試験槽温調(オプション) |
常温 ~ 100 ℃±5 ℃ |
本体概略寸法 |
L1,600 × D950 × H1,500 ㎜ |
駆動モータ |
11 kW |
電源 |
AC200 V 3相 |
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2.技術コラム
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「ワイヤレス=ノイズレス計測」
計測における最大の難問=ノイズ。制御盤配線手順書に従って配線しても必ず装置につきまとってくるやっかいな難物です。
安直には、フィルタをかけてノイズ成分を計測値の平均値に含ませてごまかすことが一般的に行われています。
ごまかすと言うと、フィルタ理論だけで多様な本がたくさん出ていることですので語弊を感じる方々が多いことと思います。
弊社では主にLA向けに計測機を製作していますが、ノイズ処理はお客様とよく現象を観察しながら提案形式で処理方法を定め、ハード&ソフト的に実装をして装置化しています。
単純にフィルタをかけて物理的な本来の現象を測定できなくなってしまう、などの障害を除くようにして計測の完成度を上げるように心がけています。とは言っても、ノイズは基本的に発生源をなくすことが一番の解決法。理想的には被測定現象のすぐ近くにセンサがあり、センサからの配線が無くなればノイズは極限に小さくなることは明白です。
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従って最近は100kHz程度のそれほど高速でないデータ集録に対しては、ワイヤレス計測を装置として薦めています。
LabVIEWでの実装では、WLS9163などのデバイスを使うことになります。WiFiでの接続となりますのでLAN設定、接続に少々の知識は必要となるものの、接続できれば普通の集録デバイスと同様に使うことが出来ることが特徴です。
つまり無線LANにてセンサからの信号を集録できるわけです。センサからのアナログ信号を無線モジュールが受けデジタル化し、データを無線で飛ばしてLANスピードで受けることになります。
これにより、ノイズ対策はセンサ周りの処理に集中して対策を採ればよいので煩わしい試行錯誤のノイズ配線が不要となり、データ処理アルゴリズムに集中することができます
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3. 書籍紹介
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『イエーツ詩集』
W.B.イエーツ 加島祥造訳 思潮社 2001年 12月発行
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6月、しとしと、しとしと雨の季節ですね。
優しい霧雨と、美しい緑の国アイルランド(ギネスビールとブッシュミルズウィスキーの国かも!)の詩人W.B.イエーツ。
あの『マディソン郡の橋』で、牧草地を歩きながら、ロバート・キンケイドがフランチェスカ・ジョンソンに歌ってみせたのが、イエーツの「さまようイーンガスの歌」です。
私は頭が火照っていたので/はしばみの林に出かけた。/そしてはしばみを切り剥いで棒をつくり/いちごの実を糸につけ/白い蛾が飛び/蛾のような星がきらめき出す頃/いちごの実を流れにおとして/銀色の小さな鱒をとらえた。/それを床に置くと/火をおこしにかかった。/しかし、さらさらと床に音がして/誰か私の名前を呼ぶのだ。/それは林檎の花を髪にかざした/微光を放つ少女になっていて/私の名前を呼んで駆け出し/あかときの光に消えて行った。/私は盆地や丘々を/さまよい歩いて年老いてしまったが、/彼女の行方をつきとめて/その唇に口つけし、その手を把りたい。/丈高い斑の草地をあるきまわり/時がついに果てるまで/月の銀の林檎と/太陽の金の林檎を摘みたい。 ~本文より~
そういえば、フランチェスカがローズマンブリッジに残したメモにも、「さまようイーンガスの歌」の一節「白い蛾が飛び蛾のような星がきらめき出すころ」が引用されていますよね!
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4. ビジネスマナーの猫
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「適材適所」
元読売ジャイアンツの木村拓也さんが37歳という若さでこの世を去りました。
ピッチャー以外のすべてのポジションをこなす、ユーティリティープレーヤーでした。プロ野球という高いレベルのプレーを求められる中で、複数のポジションをこなせる存在は極めて稀で、その経験を活かしてコーチとしても期待されていただけに残念なことです。
一方で、ひとつの技を極めて身につける人もいます。「この仕事ならあの人にまかせておけば大丈夫」と言われるような、熟練の技を持ったスペシャリストです。熟練工の手際の良さは、見ているだけで気持ちがよくなります。
職場やその人の立場によって必要とされる能力が違いますので、どちらが優れているとはいえません。ただどちらにも言えることは、自分の持っている能力をよく理解していて、力を発揮しているということです。
成長する組織では、個々の能力を判断して適材適所に配置します。個人の長所を伸ばしながらやる気も引き出し、短所は組織全体で補います。そうすることで自然と各職場からスペシャリストが育ち、組織全体のまとめ役も生まれてきます。自分だけでなく仲間の得手不得手も考えながら、お互いの良いところを引き出していきたいものです。
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5. -コラム-
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「嵐の去ったあとに広がる世界は・・・?」
青木邦章
リーマンショックを機に世界を揺るがした激震、今年に入ってからもギリシャ問題やタイの政情不安など余震は続いていますが、どうやら快方に向かっているようです。
しかし、ほっとして安易に胸をなでおろすのは早計。どうも一連の事件はパラダイムチェンジのトリガに過ぎず、嵐の去ったあとには今までとは違った世界が広がっているように思えてなりません。
どうやら自分自身の生きる上での拠り所・自社の存在意義など、ゼロベースで見直してみて、再出発を図る必要があるようです。
どのような市場価値の創造と提供をおこなうか。輸送機器産業の目指すべき方向、世界の中での日本の立ち位置、ものづくり産業のあり方などなど、根本的に見直す課題は尽きないように感じます。
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当社の場合も、従来はメカトロ制御・レーザ計測解析などが中心的サービス領域でしたが、パワーエレクトロニクス・トライボロジ的省エネ環境技術などを付加して、あらたな商品ラインアップを構築することが喫緊の課題となっています。
両者ともに高度な技術蓄積が要求される分野ではありますが、大学や公的研究機関・専門ベンチャー企業との連携で新しい展開を広げつつあります。
小規模ベンチャー企業ならではの身軽なフットワークと、多くのユーザ研究開発者の悩みをじかに肌で感じられる立場を活かして、スタッフ一同、東奔西走の毎日です。
激流・大波に翻弄されハードな舵切りが続いていますが、強風の中に身をおいて激動の大海原を乗り切っていくことは、エンジニアとして、また企業経営者として非常にアトラクティブな毎日でもあります。
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6.技術コラム
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「単位について② 」
前回、質量と重量(正確には重量キログラム)についてお話ししましたが、引き続き単位系の話についても触れたいと思います。
単位系とは、長さや時間、力の量を統一された体系に従って扱うためのルールで、絶対単位系、重力単位系、SI単位系等があります。
これを混同してしまうと、設計計算がとんちんかんな結果になったり、思わぬトラブルを引き起こしたりするので、技術者としてはきちんと理解していなければなりません。
単位系の違い以外にも注意するべき事はいろいろあり、例えば、前回お話しした質量と重量(力)、センチメートルとメートル、角度の表現の60進法と10進法(1度30分と1.5度)等、適当にやっていると計算結果が一桁違った、なんてこともおこります。
現在工業技術分野では基本的にSI単位系を用いる事になっているため、力(重さ)はkgf(重量キログラム)ではなくN(ニュートン)で、圧力はkgf/㎠ではなくPa(パスカル)で、熱量はcal(カロリー)ではなくJ(ジュール)で、といった具合に決まっており、それぞれの換算式もあります。
但し、実際の現場でこれらが完全に浸透しているかといえばそうでもなく、動力をW(ワット)ではなく馬力で表現したり、配管サイズを1ブ(1/8インチ)、2ブ(1/4インチ)、といった具合に通称で表現したり、またその方が分かりやすい場合もあります。
特に技術者は頑固者(?)が多く、慣れ親しんだ単位からはなかなか離れられないのかもしれません。
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7.鳩豆 のひとりごと
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5/19~5/21にパシフィコ横浜で行われました、“人とくるまのテクノロジー展2010”に出展いたしました。沢山の方々とお会いすることができました。お忙しい中、お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。
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