目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
自動車用ファイナルドライブを任意の傾斜状態でモータリング運転し
デファレンシャルギヤや潤滑システムの性能を評価する装置です。




2.技術コラム
[統計学]
 このところ国会では厚生労働省の毎月勤労統計の不正問題をめぐり、昨年1月に行われた調査手法の変更が論戦の焦点となっています。野党はこれにより賃金が上振れたと主張、アベノミクスの成果をプラス強調するため安倍政権が統計に介入したと追及を強めています。統計を通して我々は経済・社会の動きを知り、政府の政策を評価することになるわけですから、この一連を通して統計をもっと大事にする契機になってほしいものです。

 毎度のことですが、弊社の提供する装置では必ずと言っていいほどデータ測定を伴います。測定に要求される目的のひとつは、物理現象をより良く知りたいということになります。測定したデータをどう解釈するか?追求すればするほど奥深くなり、案外難しい問題となります。
測定値の正確性が十分であるのか疑問となるとき、グラフに重ねがきしてそのばらつきから判断するのはよく行われることです。本来物理現象は一つの事実しか示さないわけですから、グラフは一本で十分なはずです。なのに、ばらつきを持つ。それらを数回重ねて測定することで真の値に近づける、という作業を統計的に行っていきます。
 データを解釈するのに有用となるのが統計的手法です。取得したデータに適切な統計的手法を適用するとデータの解釈が非常に分かり易くなるだけではなく、データやグラフを眺めているだけでは見えてこない隠された性質までも明らかとなってきます。逆に、正しい統計的手法が当てはめられていないと、間違った結果が得られてしまう事にもなる訳です。これを避けるには、測定と統計についての十分な知識のほかに、測定と統計を結びつける統計学的知識と経験が非常に重要になります。

 物理現象を捉えるのに微積分を習得するのは言うまでも無いことですが、それと同じぐらいに必要となってくるのが統計学です。統計学を身につけると今はやりの機械学習に直接つながります。なぜなら機械学習とはデータとデータの間に最もあてはまる数学的な関係性を推定する、統計的手法そのものだからです。





3. 書籍紹介
NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生』  
TAC出版 ビル・キルディ著  大熊希美訳  2018年11月発行  
  スマホやPCでの地図検索はもちろんのこと、テレビ番組の取材場所紹介の航空写真(実際には衛星写真)でも多用されているグーグルマップ。単なる地図検索の域を超え、世界のあらゆる場所の映像を簡単にバードビューで、かつ好きな拡大率で見ることができる手軽さ。さらにはストリートビューで、住宅街の路地まで入り込める詳しさ。実際に初めてマウスを動かした時の驚きは相当なものでした。

 詳細かつ多量の画像データの蓄積あってのことではありますが、それを軽快に駆使操作する技術と、全世界にビジネス展開する機動力には目を見張るものがあります。本書はそういった開発劇の裏側を当事者の一人が克明に記録したもの。また、その後の新たなビジネス展開もおまけとして知ることができます。





4.ブレイクタイム
【ひなまつり】
 ひな人形を飾り祭ることは、室町時代に始まりました。中国の行事と、日本に古くから伝わる人形(ひとがた)で体をなでて穢れをはらおうとする考え、子供の人形遊びがひとつになったものと言われています。江戸時代には五節供のひとつに加えられ、「上巳の節句」「桃の節句」とも呼ばれ、季節の行事として広まりました。やがて、子供に災いが降りかからないようにという家族の願いや、幸福を得られるようにという暖かい気持ちを込めてひな人形を飾るようになりました。最近では、衣装の色柄が選べるものやリカちゃん人形のものもあり、とても可愛らしいですね。

 ひな祭りには、行事にちなんだ食事として菱餅・ひなあられ・白酒・ハマグリ・ちらし寿司などがあります。しかし、ちらし寿司を本格的に作ると、乾物を戻したり具材を別々に煮て調理したりとなかなか大変です。そこで、すし飯に菜の花・卵・えび・マグロなどをいろいろ盛り付けるのがいいかもしれません。菜の花は、茹でてからだし醤油につけると苦味が和らぎます。小さい子供がいる場合は、すし飯をカップに盛り付け、彩りが良く食べやすいキュウリやハム・イクラなどをトッピングすれば見た目も楽しくなります。食べざかりの子には、他に唐揚げとアイスクリームケーキがあれば最高かも。今年は3月3日が日曜日なので、ちゃんと作ってひな祭りをお祝いしようかと思います。





5. -コラム-
「ITの進化とビジネスの変遷
                                             /青木邦章
 45年前の学生時代、プログラム1行当り1枚も必要なパンチカードを大量に使い、事務室一部屋占有する大型電算機を使って技術計算をして以来、常にコンピュータ環境は私の身近にあります。
 NECのPC8001や9801といったパソコンが登場し、BASICなる逐次翻訳型言語活用でリアルタイムに画面上に計算結果が現れた時の驚き。CAD・CAEがエンジニアの業務を変えてしまった開発現場。インターネットが一般化し、あらゆる情報が簡単に入手でき、世界が急速に狭く感じられるようになった時。そして、クラウド環境が整い、場所やハードに依存されることなく業務空間が解放され、サブスクリプションが普及しだした今日は、そもそも所有という概念も希薄になってきました。さらに最近の学生はスマホやタブレット中心の生活で、PCそのものも遠い存在になっているとも聞き及びます。

 ITの進化は動物や人類の進化過程と比較すると異常に早く、前述のようなIT環境の進化を振返ると、まさにシンギュラリティ(AIが人類知能を超える技術的特異点)の到来が叫ばれるのも無理はありません。
 さて、そんな状況の中、われわれの開発エンジニアリングビジネスをどのように再定義していったらよいのでしょうか?ハード中心のビジネスを、今風のシミュレーション型に変えていく必要があるのか?逆に特殊なハード領域に磨きをかけて、残存者利益の獲得を目指すべきなのか?日々の業務に追われる一方で、長期的事業方向性の模索には悩みが尽きません。

 ただ、いずれにしてもまずは自社の歴史を振り返り、獲得技術や保有資産を精緻に分析して、その上で他者と差別化・特徴化できる領域を見極め、一歩一歩着実に進む以外に方策は無いことは確かなようです。
「There is No royal road!」と言ったところでしょうか?



6.技術コラム
[ファブラボという場所]
 新しいモノづくりの形として、デジタルファブリケーションやパーソナルファブリケーションについて数回にわたってお話ししてきましたが、今回は身近な場所でちょっと面白い事ができる施設「ファブラボ」についてご紹介します。
ファブラボ(Fab-Lab)はfabrication(製造)- laboratory(研究室)の略ですが、短縮した「Fab」にはfabulous(素晴らしい)という意味もかけているそうです。簡単に言えばモノづくりをする個人をサポートする工房なのですが、FabLab Japan Networkホームページでは下記の様に説明されています。

 “デジタルからアナログまで多様な工作機械を備えた、実験的な市民工房のネットワークです。個人による自由なモノづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指しています。”

 特徴的な点は、単なる地域のレンタル工房ではなく世界中にあるファブラボ同士がネットワークでつながっており、その活動をオープンにし共有することで単独ではできない活動や価値を生み出していくところにあります。(もちろん、参加者個人に何か義務付けられている訳では無いので、それぞれのスタンスで利用する事もできます。)

 会費や規約はそれぞれのファブラボで違いますが、共通しているのは面白い機材と面白い人達が集まっている、というところでしょうか。
モノづくりが好きな方や、DIYしたいけど機材や場所が無い、という方は近くのファブラボを探して一度遊びに行ってみると良いと思います。






















7.やまのひとりごと
 春の気配に喜びを感じながら、花粉症の症状に怯えています。
くしゃみ・鼻水・目のかゆみなど。かと言って薬を飲むと眠たくなるし…。
せっかく暖かくなってきたのに、悩みがつきませんね。