目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
本装置は、湿式多板クラッチの各種性能・耐久試験を目的とした
フルサイズ試験装置です。




2.技術コラム
[透明性]
 公文書管理の情報公開について、その透明性が長く話題となっています。森友・加計問題や自衛隊日報管理からアメフトのパワハラ問題まで、最初の情報はことごとく嘘ばかり。どこからが真実なのか?国民ももはやあきらめ気分です。初動が悪かったので隠蔽し続けるより術が無くなった、といったところでしょうか。

 透明性と隠蔽性、プログラム設計においては場合によりどちらも必要な選択肢となります。プログラム効率の面からみると隠蔽性の高いほうが使いまわしも容易ですが、保守の面からみると透明性の高いほうが変更や改造の展開性が見えてよいといえるのではないでしょうか。この辺りの考え方も各社各様で、重点の置き方によってプログラムの可視性が変わってきます。
 まず可読性をあげるのにモジュール化や構造化を行うのがソフトウェアの基本設計原則。モジュール化はソフトウェアに限らず、建物・船・自動車・電子機器など、モノづくりすべてに共通する設計の基本原則となっています。ただ、現実にはモジュール化しているはずなのに変更は難しいし発展性もゼロに近い、というプログラムが多いのもよく聞く話ですが。

 その次にカプセル化と言う設計概念が来ます。カプセルとは容器のことであり、一旦実装収納したらカプセルの中身には外から簡単には手を出させないのがカプセル化の概念です。容器の中身は調べない、収容した内容を他に流用しない、というのがカプセル化の原則で、その分透明性は下がってきます。

 オブジェクト指向的に言うと、関連する「データ」と「操作」をひとつにまとめて、中身を隠蔽することがカプセル化となります。「データと操作」を一つのカプセルに入れる、という発想なので抽象データ型とも言っています。プログラムの世界ではどちらかと言えば隠蔽化するほうが安心して使いまわすことが出来、安定して良い実装に向かうとの考え方が多いようです。

 このように隠蔽化することが最終的にはプログラムの質を向上させるのですが、それでも透明性の確保のためにはオブジェクト定義書が必須となります。





3. 書籍紹介
いらない部下、かわいい部下』  
新井健一著 日本経済新聞出版社  2017年4月発行  
  宮勤めにとっては、なかなかセンセーショナルな表題。
 先日、「上司がAIになる時代!どうやってヨイショをしたらよいのか?」と茶化したラジオCMを耳にしました。上司・部下の関係構築は、古今東西永遠のテーマなのかもしれません。
 本書は、21世紀の上司部下の関係を多方面から解説しています。①今どきの上司との付き合い方、②上司の選別法、③理想の部下像、④上司から見た部下、⑤自立した会社員の生き方などなど・・・。
 働き方改革が声高に叫ばれている昨今、会社勤めについて、あらためて考え直すきっかけになる一冊。但し、企業の風土・形態は千差万別。欧米風の先端IT企業モドキも多数存在する一方、未だに大正・昭和のニオイを漂わせている会社が多いのも事実。読後の実践には、くれぐれも状況をわきまえ慎重にご対応ください。




4.ブレイクタイム
【夜空】
 1月のスーパームーンはご覧になりましたか?スーパー・ブルー・ブラッドムーンとも呼ばれましたね。2018年で最も大きい満月です。
 7月の満月は2018年最も小さい満月になります。今年最少の満月の日には、1月31日に続いて今年2回目となる皆既月食が起こります。

 月は南西の空で3時24分頃から欠け始め、4時30分頃には完全に欠けて皆既食になります。皆既食は6時14分頃まで続きますが、日本ではこの時刻より早く月が沈むため、皆既食の後の様子は観察することができません。

 この日の月の入りは東京で4時49分頃、日の出は4時46分頃です。日の出の前から空が明るくなるので、どこまで見えるでしょうか?
 また、その月のそばでは最大接近を目前に控えた火星が明るく輝きます。赤くとても明るい星、火星は15年ぶりの大接近です。

 早起きが苦手な方は夜9時から見える火星を観察するのもいいかもしれませんね。こちらは6月下旬から9月上旬まで観測しやすい時期が続きます。ぜひ、七夕の時も探してみてください。




5. -コラム-
歯科医院・野立て看板の怪」
                                             /青木邦章
 東京近郊の方々は、題名だけを見て「ああ、あれか!」とうなずいている御仁も多いのではないでしょうか?
 一説によると、コンビニの数よりも多いと言われる歯科医院数(歯科医院数:68,592 vsコンビニ数:55,090)。今回話題とするのは、東京西部を中心として、高速道路脇や主要交差点・駅周辺に点在し、インプラントをアピールする西八王子K歯科の看板について…。

 ネット検索によると、同歯科の看板が東京・埼玉・山梨などに200ヶ所以上設置されているとのこと。通常の商圏(?)から考えると、歯科医院の常識をはるかに超える範囲に、常識をはるかに超える数の特大野立て看板が設置されています。
 その異常さから、テレビのバラエティ番組に特集を組まれるほど。看板に自らの仕事着姿の写真を掲示している同歯科医院長の弁によると、宣伝効果というよりもご本人の趣味とか…。同様の形態は栃木にも転移しているようで、全く関係のなさそうな歯科医院のインプラントアピール野立て看板を宇都宮でも眼にしました。

 これを単なる受け狙いの金持ちの道楽と見るのか?はたまた深慮遠謀の広告戦略と見るのか?前述のように競合他社(者)が多く、レッドオーシャンの真只中を泳いでいる歯科医にとっては、それなりに重要な問題であると感じます。

 目を転じて、我がモノづくり産業においてはどのような状況なのでしょうか?個別顧客対応の専用機屋も、ある意味では歯科医と同様。対象とする顧客は多いものの、同じく競合他社も多く、特に浜松をはじめとする東海エリアには同業者がひしめき合っているのが常。通常の商いでは、価格勝負の不毛の闘いへと引摺り込まれてしまいます。
 そこでは、やはり歯科医においてインプラントに特化し高付加価値を提供するものの、その分、顧客層を上得意に限定し広範囲に募るような戦略が必要なのかも知れません。果たして、当業界においてのインプラント治療とはどのような形態なのでしょうか?

 ニンマリと笑う歯科医の視線を意識しつつ高速を運転しながら、千利休作と言われる句を考えずにはいられません。「人の行く裏に道あり花の山」。




6.技術コラム
[潤滑油の性能]
 前回、機械の潤滑油とその評価設備である当社の摩擦摩耗試験機についてご紹介しましたが、潤滑油の性能についてもう少し詳しく解説します。

 オイル交換の際にエンジンオイルの銘柄やグレードを指定しますが、その違いは粘度・ベースオイル種類・添加剤の種類などで、一般的には高価なものほど高性能ということになります。 
ただし、とにかく高価なオイルを入れれば良いかというとそうでもなく、高負荷時にその性能を発揮する様に設計されたオイルや、寒冷地での使用を想定したオイルなどがありますので、車種とその主な用途(運転条件)に合ったものを選ぶ事が大切なのはご存知かと思います。

 当社の開発試験機の構成要素であるギアボックスやスピンドルにも必ず潤滑油を使用しますが、この場合にもエンジンオイルと同様に用途に合ったものを選定しないとトラブルの原因にもなるのです。
 油種を選ぶ際にいくつかのポイントがありますが、最も重要な項目に「粘度」があります。これはエンジンオイルを選ぶ際にも必ず明記されていて、例えば「5W-30」という表記があれば、左側のW(WinterのW)の前の数字は低温時の粘度を、右側の数字は高温時の粘度をそれぞれ表しています。この粘度の数字の意味は流体力学の難しい話になるので触れませんが、数字が大きいほど高粘度(ドロドロしている)という意味になります。

 負荷がかかっても油膜を維持するためには硬い(高粘度の)オイルが望ましいのですが、硬いということはオイルによる抵抗も大きくなるため、油膜はできてもオイルの攪拌抵抗により熱が発生したり、動力損失が大きくなったり、という問題が発生します。逆に抵抗を減らしたいために柔らかい(低粘度の)オイルを選ぶと、サラサラしているのは良いのですが、負荷がかかった時に油膜切れを起こしやすい、ということになるため、バランスの良い適切なオイルを選定するのも設計時の重要なポイントになります。

 開発試験機の潤滑回路は粘度の他、冷却・添加剤の有無・泡立ちや不純物の除去・フィルタの詰まり検知やオイル漏れ検知など、多くの要素を検討した上で設計しています。
 
7.やまのひとりごと
 暑さが本格的になる前に、大掃除をしてみました。
 使わないものや着ない服、捨てるのがもったいなくてなんとなくとっておいたものもまとめて処分。水周りや排水溝なども専用の洗剤でしっかり綺麗にしました。なかなか大変でしたが、気分爽快ですね。

 普段の掃除を丁寧に行えば、こんなに苦労しなくてもいいのにな…と思う、やまなのでした。