目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
農機の車軸に、試験目的に応じた
連続負荷を与える耐久試験装置です。




2.技術コラム
[経験則]
 装置のマニュアル作りは、実験レポートにおける実験の方法項について書くようなものです。他人の作成したマニュアルを読んでいると、挿入された図や表にある表題の書き方が気になることがあります。工学系の実験授業では、図番号+図題目を入れる時は図の下に、表番号+表題目を入れる時は表の上に記述することを指導されます。たまにこの原則とは逆に添えられているものがあり、図番が下にあれば違和感もないのに…とついつい感じてしまいます。

 さて、装置を納めてお客様が使われる時は言うまでもありませんが、装置製作後の動作検証を行う時にも実験をすることになります。経験則を元に設計をして装置を作り、経験則を元に装置を使って自動車の機能部品などの評価を行っているわけです。装置によって得られたデータは知見の実験式や方程式と比較され、品質や耐久性の出来が考察されます。

 ここで使われる公式や方程式は、先人たちが観察を繰り返して得られた法則に基づきます。いずれも自然界の物理現象を数式化していますから、実験結果の保証つきです。数学では法則に相当するものを定理と呼んでいますが、机上で論理を作り証明する学問ですので証明の裏づけとなる事実は当然のこと(公理)との前提があり、実験をしないとわからない問題には答え(定理)を出すことはできないことになっています。
 例として、フックの法則はフックの定理とは言いません。法則と呼ばれるべきものが定理とよばれる場合もまれにありますが、大概は他の法則から推論された現象が正しく導かれ、机上で完結できた場合に定理とも呼ばれているようです。法則とは、このように普通は実験に基づいた結論が公式化されたものです。

 工学系で引用される法則はもれなく実験に裏づけられた実験式で現象と現象の関係を指すものですが、例外のない法則はないといわれるのも事実です。フックの法則は線形性のある変位の小さい所では成り立ちますが、それを越えると例外が生じます。経験則を深く読み実際に観察すると、参考になる事が多いものです。




3. 書籍紹介
『ペットと葬式 日本人の供養心をさぐる』  
朝日新聞出版 鵜飼秀徳著    2018年10月発行  
 大手新聞記者を経てフリージャーナリストとなった著者、実家である浄土宗寺院の僧侶を勤めつつ、大学での講師も兼任する氏が、その経歴を活かした知識を披露していく書。
 最近のペット葬儀事情を皮切りにさまざまな葬儀・追悼式典などを紹介しながら、日本人の死生観を語っていきます。動物供養・虫や草木への哀悼・感謝、さらには日用品やロボットにまで霊を感じ宗教心を発露する日本人の感性を全編にわたり慈しんでいきます。

 アニミズムそのものは世界のいたるところに存在するし、これらを日本独特で西欧文明にはないと断じているところは違和感を覚えます。また、背景に滲む思想的な面への掘下げには欠き、物足りなさを感じるものの、各地の事例をよくぞここまで調べ上げているのかといった点は感心してしまいます。





4.ブレイクタイム
【大根】
 寒い季節におなじみのメニューと言われて思い浮かぶのは、ほかほかと湯気のあがったおいしそうなおでんではないでしょうか。その中でも特に外せないのは、卵・こんにゃく・大根…今回は、今が旬の大根を取り上げてみたいと思います。

 大根といえば、おでんのほかにもふろふき大根にぶり大根、大根の煮物、生のままおろして焼き魚やハンバーグの薬味にしても美味しいですね。こんなに万能な大根なのに、あまり上手でない役者さんを表す言葉に「大根役者」というのがあります。由来は諸説ありますが、大根はどんな風に調理しても食あたりをしない、「当たらない」ところから、当たり役のない下手な役者さんをそう表現するようになったと言われています。

 大根には、でんぷんを分解するアミラーゼ・たんぱく質を分解するプロテアーゼ・脂肪を分解するリパーゼと呼ばれる消化酵素が含まれており、合わせる具材に応じて消化を助ける効果が期待できます。その効能から、古くは漢方薬としても利用されたそうです。また、葉っぱの部分も食べられますので、おひたしや汁物の具などに使うと彩りも綺麗ですよ。剥いた皮もきんぴらにして美味しく食べることができ、無駄なく使えて頼れる食材です。

 メインでも薬味でも美味しくて、葉も皮も食べられる。旬の大根は「大根役者」ではなく「千両役者」の実力がありますね。




5. -コラム-
「ルンバが家にやってきた!
                                             /青木邦章
 今年も大掃除の季節が近づいてきました。実は、とある理由からルンバを通販購入。当然のこととして直ぐに配達されたわけですが、青ちゃんの印象からすると、なぜかまさに「やって来た」という感覚におちいりました。普通の家電製品とは違い、大げさに言うと家内共々ペットを迎え入れた気分です。

 その理由はどこにあるのか?従来の家事用道具の延長線とは異なる円盤型のフォルム、そして自律走行型の機能、さらにはWi-Fi+スマホを通じての双方向コミュニケーション。アイボやペッパーとまではいきませんが、やはりロボットと言っていい存在です。
 メーカ側もそういった感覚を醸成する思惑からか、それぞれの個体に愛称を登録できるようにしたり、掃除したエリアをマップで表示したり、さらにはエラーメッセージ連絡の際も「ルンバが助けを求めています。」とスマホあてに発信してきたり…。買い物先でそれを見た家内が慌てて帰宅すると、片付け忘れた床の電気コードに絡まってルンバがダウンしていたとのこと。なんとなく愛しさが高まります。

 この数年、情報技術関連の“IOT”や“コネクティッド”などといった先進キーワードが、急速に一般社会に氾濫し始めています。言葉先行でちょっと実際には隔たりがありましたが、家電にせよ、車にせよ、最新機種と接するとまさにそれらが肌感覚で伝わってきます。1980年にアルビン・トフラーが提唱した“第三の波”といった概念は既に当たり前、最近では狩猟・農耕・工業・情報に次ぐ社会変革として、“ソサエティ5.0”なる言葉も喧伝されています。

 日頃のお堅いモノづくり産業ばかりに浸かっていると、ついつい昔のままの生活様式・思考様式に囚われてしまいますが、子供の頃にはアニメの世界だけだった近未来はすぐそこまでやってきているようです。



6.技術コラム
[メイカームーブメント]
 我々エンジニアも言わば何らかのモノづくりをする人、つまり「メイカー」でありますが、8月に東京ビッグサイトで開催された「Maker Fair」というイベントをご存知でしょうか。

 Maker Fairとは、ものづくり全般のDIY見本市の様なもので、ハイテクからローテク、大企業の先端技術から近所のおじさんの日曜大工的なものまで、「メイカー」と呼ばれる人たちがそれぞれ自分の作ったものを持ち寄って披露しシェアするための場です。2006年にアメリカで初めて開催されて以来、年々規模を拡大しながら世界中に広まっています。

 今年のMaker Fair Tokyoの来場者数は2日間で約2万人、かなりの規模のイベントですが、背景には「メイカームーブメント」と言われるものがあります。
その発端は、「Make」というアメリカのテクノロジー系DIY工作専門雑誌が2005年に創刊されたことだと言われています。もともとガレージや地下室で自分の好きなものを作っていたDIY愛好家たちが、インターネットの発展と共に地域で、あるいはネット上でコミュニティを形成して情報交換するようになり、それが大きなうねりとなって世界中に広がっていったのです。

 このメイカームーブメントの中心には、「ものづくりの民主化」とも言える動きがあります。これまでは職人的な経験や技術、あるいは高価な加工装置が必要だった高度な「ものづくり」が、3Dプリンタやレーザーカッターが低価格化、普及してきたことで誰でも比較的簡単にイメージを形にできる様になったのです。加工データもインターネット上に誰でも自由にダウンロードできるものが数多くあり、こうしたデジタルデータを用いた新しいものづくり手法を「デジタルファブリケーション」とも言います。

 手軽に体験してみたい方は「Fab Lab」や「Fab Cafe」「メイカースペース」といった施設を一度訪れてみる事をおすすめします。お住まいのエリアで調べてみれば、おそらくそう遠くない場所にあるはずです。

7.やまのひとりごと
 名古屋市港区に新しくオープンしたショッピングモールの中に、VRを利用したゲームを体験できる施設があるそうです。
 レースゲームや、人気アニメに出てくる戦闘機を操縦するゲーム、ホラーゲームなど5種類がプレイできるそうです。実際にゲームの世界に入り込めるなんて面白そうですね。挑戦してみたいけれど、画面酔いが怖いやまなのでした。