目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介


ステアリングを回転制御し、左端から右端まで往復させ
据え切り耐久試験を行います。
実車に搭載して使用する試験装置です。


システム図
*上記以外にも各種オプションに対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。




2.技術コラム
[最適化]
  測定の条件を決めるときには結果を見据えた最適値を意識する必要があります。“最適化”する過程においてパラメータが条件に合うか、限界値であるかによって、どうしてもばらつきが出てきてしまいます。測定機の設計に関わっていると、その過程に個人差が出てきて、実験値として得られる値の信頼度に疑問を感じてしまうこともしばしばです。

 弊社では、EVなどのモータを評価する装置を各社の要求に合わせて製作しており、主に評価されるのはモータの効率となります。現在のEVモータは、良いもので効率が96~97%。そこから材料や通電方式などに特徴を持たせ、98%以上を狙っているのが現状です。そのため、評価としては0.1%以下の精度が要求されます。
 この精度とは、いわば安定した電源の入出力をベースに確度として求められたものです。これをモータに適用する場合は、電流・電圧・出力回転数・出力トルクを測定するセンサを各々用意する必要があり、デバイス精度が十分ではないので、測定系の最適化を意識しながらシステム設計をする必要があります。

 以前、構造的には簡単な構成の効率評価装置を製作した際の話です。いざ測定値を集録すると、繰返し性も得られず最適な測定方法を模索する必要が生じました。ノイズによる測定変動から、供試体モータの動作特性であるコギングやトルクリップルの周期性を考慮。周期分析を行うことで安定的な測定値が得られ、システム的に安定な測定系を得られたのが現実でした。

 うまくいかないときは、装置としての評価ポイントを聞き出して、機器のパラメータや周期的処理変数の最適値を得るため組合せ試験を行います。こうして試行錯誤しながら、最適値に近づけていくのです。理屈では設計に間違いが無いのに、理想的な測定値が得られず苦労するのは装置メーカの宿命でもあります。
これらのことを繰返し行い、勘を養うことによって、最適化を最短距離で導き出す力を育ててきました。それが弊社の特徴でもあります。




3. 書籍紹介
日本の近代とは何であったか』  
三谷太一郎著 岩波新書 2017年3月発行  
 いろいろな局面で世界の政治経済が揺らぎを見せています。保護主義がまかりとおり、武力がもてはやされ、個人の権利が侵害されつつある今日。また、経済分野でも昨日までの産業構造が簡単に否定され、あらたな価値観の導入がそこかしこで試行されている時代。
そういう混沌とした時にこそ、自らの(そして自国の)立ち位置を明確化するために、歴史をかえりみることも大事。

 本書は、政治外交史専門家の著者が自らの人生の総仕上げとして、明治から昭和にかけての激動の日本を客観的に分析したもの。二・三世代前の日本人が何を考え、何に動かされていたのかをトレースできる一冊です。




4.ブレイクタイム
【手作り梅シロップ】
 日増しに暑くなってきましたね。皆様の家では、何か決まってやることはありますか?わが家ではこの時期、梅の実を買ってきて梅シロップを作ります。
 作り方は簡単。熱湯消毒した大きめのガラスびんに、梅の実と氷砂糖を入れて冷暗所に置いておくだけ。そのうちに浸透圧で梅から果汁が染み出し、ガラスびんの中にシロップがたまっていきます。少しずつ氷砂糖が溶け、梅の実がシワシワになってシロップが出来ていく様子はなかなか面白みがあります。昔の人の知恵はすごいですね。

 時折びんの上下を反対にし、中をかるくゆすって、常に実が濡れている状態を保つといいそうです。梅の実が空気に触れた状態が続くと、そこから腐敗がはじまってしまう恐れがあるためだとか。また、あまり激しく振ったり頻繁に動かしすぎると、実が傷ついてそこから腐ってきてしまうそう。そのため、目安は一日一回、中でゆっくりコロコロ…と動く程度がベスト。この作業はわが家で人気があり、シーズン中はびんの奪い合いになってしまいます。完全に氷砂糖が溶け、梅の実がシワシワになった頃合いで梅シロップの完成です。夏は水割りやソーダ割がおすすめ。氷をたくさん入れて飲むと、ほどよい酸味で夏バテも吹き飛びそうです。寒い時期にはお湯で割っても美味しいですよ。

 季節の変わり目は衣替えやお掃除など、何かと慌しくなります。ですが、この時期を乗り切れば丹精こめて仕込んだ美味しい梅シロップのソーダ割りが飲める!と思うと乗り越えられるような気がします。ご褒美があるとやる気が出るなんて、なんとも単純ですね。






5. -コラム-
よそ者・わか者・ばか者、三者が街を変える!」
                                             /青木邦章
 地方創生・産業振興の現場で昔からよく言われる言葉。かつての青ちゃんも、箱根を越えてご当地に流れ着き、起業当時はまだ若く、大企業のエンジニアと言う安定した地位を捨てたまさに典型的な三者だったかもしれません。
 振り返ってみると、舞踊集団の組織・日豪協会の設立・異業種組合の運営・町おこしイベントの企画・産学連携の共同開発・創業支援プラットフォームの立上げなど、無節操にいろいろなことに携わってきました。街づくりにそれなりに貢献してきたという、小さなプライドもあります。

 あれから30年(きみまろの口調で♪)、そんな青ちゃんも寄る年波には勝てず、毒気も抜けてだいぶ大人しくなってきたように思います。逆に新商品開発の講演や起業家育成支援などを頼まれることもしばしば、好々爺に近づきつつあるのかも?
 しかしながら、起業家という輩は育てようとして育てられるものではない。多くのベンチャー仲間を観察してきてそう思います。もって生まれた我の強さ・好きなことへの情熱・無鉄砲さ・目立ちたがり屋、そういった天性の資質が大きくかかわっているように感じます。
 まわりの大人たちができることといったら、①「類は友を呼ぶ」でそういった資質のある人間を発掘する。②発掘したお調子者をおだてて木に登らせる。③そして、自らリスクテイクする覚悟がある人間だったら、多少の無軌道さには目をつぶって、包容力をもって温かく見守る。せいぜいそんなところではないでしょうか?

 閉塞感が強く漂う現在の日本。次世代を担うそんな“やんちゃもの”の出現が、強く望まれています。



6.技術コラム
[悪魔の証明]
 ずいぶんと世間を騒がせた森友学園問題のニュースの中で「寄付していない事を証明するのは悪魔の証明であり、不可能だ」というコメントがありました。
 「悪魔の証明」とは、悪魔がいる事を証明するには悪魔を連れて来るという明確な方法があるのに対し、いない事を証明するためには世の中の全ての場所を探さなければならず、その証拠を出すのは現実的には不可能であることから「存在していない事や、やっていない事を証明するのは非常に困難であること」を比喩的に表現した言葉です。わかりやすい理屈ではありますが、日常生活や仕事の中でも意外とこのカラクリに気づかずに平行線の議論になっている事があるのではないでしょうか。

 例えば、何らかの問題の対策を検討しているときに「問題がない事を証明することはできない」という事も知っておかないと、議論が終わらず結論を出せないという事にもなりかねません。「Aという事が起こった場合は…対策できるから大丈夫、→Bという事が起こった場合には…これも対処できるから大丈夫、→Cという事が起こった場合、対策はできる…しかし、その他にもDやEやFや予想もできない事が起こった場合には対処できないから、これではダメではないか?」こんな思考をする人が周りにいないでしょうか?もっとひどい場合には、延々とできない理由を考え出して行動に移さない、なんていう人も見かける事があります。
 もちろん考え得るだけの全ての可能性を考慮して議論するのは必要であり、安易に楽観視するのが良い事では無いのは言うまでもありません。ですが、理屈としてこういった事を知った上で議論を尽くし、あるところで決断する、という意識を持つことも必要だと感じます。
また、詭弁として用いられやすい「無い事を証明できないのだから、あるのだ(悪魔がいない事を証明できないのだから悪魔はいるのだ)」という理屈が間違っている事も忘れてはいけません。

 そんな事を考えながら、テレビ中継される某所での議論を見ていると、都合の良いサンプルだけを抜き出して主張を正当化する「チェリーピッキング」、相手の言葉尻を捉えて自分に都合よく言い換えて攻撃する「藁人形論法」など、詭弁論法のわかりやすい事例をたくさん聞くことができます。それらは聞いていてウンザリする事でもありますが、ある意味では大変勉強になると言えます。
7.やまのひとりごと
 今年も「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」に出展いたしました。
ご来場くださいました皆様、お忙しいところ足を運んで下さいまして
ありがとうございました。
 当日模型展示しておりました装置以外にも、弊社製品について
ご質問等ございましたら、お気軽に下記メールアドレスまでご連絡ください。

web-info@spacecreation.co.jp


  *展示ブースの様子*