目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.ブレイクタイム
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
 走行操舵制御性のECU開発を行うための簡易HILSです。
手動ステアリング操作に対する反力を発生させる機構と
モータコントローラより構成されます。


*上記以外にも各種オプションに対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。




2.技術コラム
[原型器]
 長時間労働が問題となり、それを是正する取り組みが大企業を始めとして広く行われているようです。ノー残業デーの徹底やプレミアムフライデーの導入により、アフターファイブの有効な使い方が各メディアで紹介されています。少々強引な感じがするそれらの内容は、恩恵に与る機会が少ない地方の一労働者の目には違和感ばかりが映ります。これも一過的なものかな?と傍観しているこの頃です。

 言うまでもないことですが、労働時間短縮化のカギはいかに時間通りに仕事を終わらせるか、という点にあります。計画を立て、その通りに実行すればいいだけなのに終わらない。時間の見積に問題があるのか?実行力が無いのか?それぞれの観点で書かれたビジネス書も数多く書店に並んでいます。パラパラと読み比べるに、総じて「見積に時間をかけるな!実務に時間をかけよ!」との考え方が主流のようです。制御ソフト製作にあてはめれば「設計に時間をかけるな!実装に時間をかけよ!」でしょうか。

 ある程度全体を見渡せる案件の場合には、設計に時間をかけ、実装時間を短縮することも有効です。ですが、このような場合でも後になって振り返ってみれば、設計に時間をかけずもっと早く実装に取り組んでいればよかったのに…との反省ばかりです。
 実装に早めに取り組み、原型器(プロトタイプ)を作成。そしてとりあえずの物であっても、全体形を作り出す。そうすることで案件を俯瞰することが可能となり、完成形のあるべき姿を把握することができます。ひとつひとつの部品機能に最初から完成度を求めると時間は無くなるばかりです。欲を言えば、案件受注前の見積段階で原型器が出来ていると見積の精度も上がります。

 ベストセラー「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」では、ロケットスタート時間術として同じような解決策が公開されています。徹底的な効率化には「まずやる」「早くやる」が大切とのこと。見積もられた2割ほどの期間で8割の仕事量をこなして、残り2割の仕事を8割の期間で仕上げる。

 ロケットスタートを常に心掛けて、アフターファイブを有効に使いたいものです。




3. 書籍紹介
なぜ日本は没落するか』  
森嶋通夫著 岩波現代文庫 2010年7月発行  
 エセックス大学、ロンドンスクールオブエコノミー(LSE)と英国有名大学の教授を勤め、海外を拠点に長らく活動されてきた氏が、グローバルな観点から日本の将来に警鐘を鳴らした著作。1999年執筆の時点で、2050年の日本の姿を社会科学研究者(経済学者)として予測しています。残念ながら、それは希望に満ちた未来ではなく、急成長するアジアの中で孤立する姿。それを回避する提案もなされています。
 氏は今後経済が没落していき、社会の右傾化が進むと指摘していますが、現在、地球の随所でその兆候が見られます。2004年に逝去した著者ですが、存命であれば今の世界にどう意見するのでしょうか?戦前・戦中・戦後の激動期を生き抜き、深く思考し続けてきた昭和の賢者の魂が凝縮された一冊です。





4. ブレイクタイム
【鮎】
 鮎が川へと戻って来る季節になりました。鮎は川から海、そしてまた川へと旅をする川魚です。その一生は1年と短く、命のはかなさを感じます。
 鮎は旬の時期も短く6月から7月と言われています。塩焼きやフライ、料亭でいただく清々しい香りの鮎料理。そして旬の時期以外にも、甘露煮や煮びたし等いろいろな食べ方があるそうです。

 以前、茨城県古河市の鮎の甘露煮をいただいたことがあったのですが、味付けの甘さと鮎のほろ苦さが絶妙でとてもやわらかく、歯があまり丈夫でない私でも頭からしっぽまで丸ごといただくことができ感動しました。

 とても人気の高い鮎、みなさんにはどのような思い出がありますか。清流にかかる小さな橋から鮎の姿をのぞいたり…。つかみ取りのいけすの中で素早く動きまわる鮎を追いかけたり…。前日の晩から準備をして、翌朝早くに鮎釣りに出かけたり…。
 夏が待ち遠しいですね。





5. -コラム-
「馬上、枕上(ちんじょう)、厠上(しじょう)
                                             /青木邦章
 北宋の賢人が説いた三上(さんじょう)。構想や文章をまとめる際、ヒラメキを得るのに適した場所とのこと。確かに、手や目や身体がふさがっていて、脳だけが力を持て余している状況では、天から何かが降りてくる可能性が増すのかもしれません。英国作家の造語“セレンディピティ”にも共通する意味合いがありそうです。

 青ちゃんの場合、トイレに長居することはないし、夜ごと酔っぱらってほぼ気絶状態でベッドに入るので、後二者には縁がありませんが馬上(車上)で仕事のアイデアを練ることは多々あります。営業活動での長距離移動、走り慣れた高速道路を漠然と運転している際、日々のビジネス戦術はもちろん、大局的な事業戦略の着想も深煎りします。
 その際のポイントは、①事前に課題をよく整理し思考が発散しないように配慮すること、②多角的視点で対象をとらえ堂々巡りを避けること、③アイデアの実現を念入りにシミュレーションし、実施時の想定外状態を事前に極力排除すること、でしょうか?
そして、方向性が決まったらすぐにメモして忘れないようにします。

 官民を挙げて「働き方改革」が叫ばれている今日、三上を有効活用し業務効率を向上させ、会社に居る時間をどんどん減らしていくこと。世間からブラック企業と名指しされないための方策かもしれません。

 もっとも三上といえども、時間外も含め四六時中仕事にエネルギーを注いでいる状況。かえって労働強化と捉えられてしまうかもしれません。実践に際しては自主性を重んじること。そしてそこで生まれたアウトプットを本人に適正評価還元するといった配慮も必要ですね。




6.技術コラム
[判断と決断]
 リーダーシップ論などでよく語られる「決断しないことは、ときとして間違った行動よりたちが悪い」という言葉が、自動車メーカー「フォード」の創始者ヘンリー・フォードによるものだということを最近知りました。我々の開発業務も日々決断の連続であり、クリエイティブな仕事であればあるほど、また役職が上がるほど、より決断力を試されると言っても良いと思います。

 前述のヘンリー・フォードの言葉は、リーダーとして決断せずに行動を先送りしても状況は変化せず、時間という貴重な資源を無駄にする事になる、といった意味であると解釈されます。結果として間違った決断であっても、早く行動する事でそれまで見えなかった点に気が付いたり、やり直す時間もできるので、決断すべき時には覚悟を決めて行動に移すべき、というのは日々の業務の中でも実感するところです。
 業務において我々は常時いくつものタスクを抱えています。いくつかの選択肢の中から、どの方法を選ぶのか?今日何をやって何をやらないのか?何を自分でやって何を誰かに頼むのか?そういった一つ一つを素早く決断して行動していくのか、いつまでもある課題について頭を抱えて悩んでいるのか。その積み重ねが仕事のスピードに大きく影響する様に思います。
 ただし、やみくもに直感で決めていく事が良い訳ではなく「判断」と「決断」の違いを意識して使い分ける事も重要です。その違いは中竹竜二さんという早稲田大学のラグビー部監督だった方が、著書の中で明確に定義しています。「判断」は過去に対して客観的に評価すること。「決断」は未来に対して主観的に方向性を打ち出すこと。
分かりやすい定義だと思いますが、もう少し付け加えると「判断」とは判断材料があった上で、どの選択をするべきであるのかを決める事で、多くの場合誰が見ても「良い」「悪い」が明確な場合にするもの。それに対し「決断」はどうすべきか明確に判断する材料が無い状態で、自分の意志でどの様に行動するかを決める事、と考えます。その時の課題と状況に応じ自分が判断しているのか、決断しているのか、それを明確に理解することも重要であると思います。

 決断には結果に対して責任を取る覚悟が伴い、時には勇気がいるものです。そして、その勇気が無いものにはリーダーとして上に立つ資格が無い、ということも知っておくべきでしょう。

7.やまのひとりごと
 

 今年も人とくるまのテクノロジー展に出展いたします。入場は無料ですが、招待状が必要になりますので
ご希望の方は下記メールアドレスまでご連絡下さい。郵便にてお送りいたします。
皆様のご来場をお待ちしております。
web-info@spacecreation.co.jp