目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.自動車開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介

【低温無負荷モータリング装置】

低温・無負荷・高回転で自動車用トランスミッションの
連続耐久・性能試験を行う装置です。


 【計測項目】
 ・温度
 ・駆動回転速度
 ・トルク




2.技術コラム
[直感性]

   これまでの通説は、人工知能はさほどの学習機能を持たず結局は人間がその核の部分を構成、実装して初めて実用的に使えるというものでした。 しかし、ここにきて米グーグルの開発した囲碁の人工知能「AlphaGo」が世界トップと言われているプロ棋士、李九段との5局勝負で4勝1敗と圧勝。すでにチェスと将棋は制覇しているので、高度に学習性を必要とする思考ゲームをすべて攻略したことになります。

 あと10年はかかると言われていた囲碁の勝利に、格別な進歩をもたらした秘訣はDeep Learningと言われる技術で、日本語訳は深層学習と言われるものです。

 従来の人工知能は、データの分析方法を予めプログラマが考えて組み込んでいたもので、原理的には人間を越えることは困難でした。これに比べてDeep Learningは、データを自ら分析、特徴を人間の脳神経回路を模擬させたプログラムで学習。データベースを積み重ねるもので、人工知能研究における50年来のブレークスルーと言われています。

 具体的には、プロ棋士の3,000万以上に及ぶ棋譜を入力して学習させ、対戦者の打ち手を予測するアルゴリズムを実装。第二段階でAlphaGo自らが自己対戦を数百万回繰り返して勝ち負けのパターンを学習することで、勝ちパターンを身につけたとのことです。人間の直感を身につけたと言う点が、ブレークスルー技術と言われる由縁です。

 弊社の提供する装置は、供試体の様々なデータを取得し、膨大なデータの中から研究者が今までの技術からの優位性を見つけることが用途となります。この点、特徴抽出にはかなりの部分で直感的なセンスが必要となることを感じています。

 直感による結論は、ちょっとした分岐点から、全く逆の結論を導き出す危険を含んでいます。AlphaGoのような学習性を持った直感を導入できるといいのですね。







3. 書籍紹介
『好きなようにしてください たった一つの「仕事」の原則』  
楠木 建著  ダイヤモンド社 2016年2月発行  
「ストーリーとしての競争戦略」の著者として有名な経営学者がWebニュースサイトに連載していた、読者からの仕事関連人生相談をまとめた一冊。仕事に対する「意識高い系」若手ビジネスマンの情報サイトらしく、キャリアアップに貪欲な悩みに対する相談が多くを占めます。

 各種メディアの人生相談コーナーは、縁も所縁もない者がさも真剣に考えているふりをして、どうとでもとれる当り障りのない回答をするケースが多く、何か他人の不幸をのぞき見する観察小屋、「蜜の味」販売所的な嫌らしさが付きまとうもの。しかし、本書はそういった人生相談の存在そのものを茶化しながら、ずばりと核心をついた展開を見せます。

 至る所に、いつもの楠木節が炸裂。悩みそのものに深刻さがないためか、全編を通じてニヤリとしながら、楽しく読み進められ読後感もさわやか。一読をお勧めします。




4. 自動車開発最前線
【最近話題の自動運転】
 自動運転の開発進捗については、少し懐疑的なところもあったのは事実。自動車技術専門誌などではない一般マスコミによる報道では、テーマとして伝えづらいところがあります。

 実際のところ自動車を操る人間も、興味のある内容としては、1に燃費、2に価格、3、4、が無くて5に仕様…つまり需要家のほとんどが自動車購入の決め手は燃費や価格にあり、仕様や性能にあらずなのでしょう。F1、インディカー、ル・マン、GTなど通常公道ドライブでは味わえないレースのような爽快感を堪能することに憧れを抱く人は、極少数派。そもそも運転技術に自信のない人の方が多いのではないかと思います。

 しかし、そんな運転技術に自信のない人でも、自動運転によりまるでプロレーサーのようなドライビング感覚が味わえるかもという可能性が出てきました。それは「ディープラーニング」(深層学習)というそうで、途方もないデータから特徴付けされたものを抽出するフィルタと判別機能により、状況を高速で判断、運転制御を自動で高精度に行えるようになるそうです。

 人工知能は、じきに人間の追いつかないところに来てしまう、いや、もう来てしまっているように感じられます。小さいころに見たSF映画で描かれた夢のような技術が、徐々に現実化しているのは間違いありません。



5. -コラム-
街中から本屋が消えた
                                             /青木邦章
 今更ながらではありますが、この数年で街中から急速に本屋が消えているように感じます。シャッター商店街の個人店舗はもちろん、静岡県西部地域では郊外型大型チェーン店もどんどん消滅して、相変わらず元気なのは明治初期創業の老舗Y書店のみ。

 もっとも年間50~100冊位は書籍を購入する青ちゃんも、実はほとんどがネット通販。リアル書店からの購入は1割以下、責任の一端を感じます。ネットだから価格が安いと言う訳ではありませんが、地方都市でも朝注文で即日配送・手数料無料、ストレスがなく、ついつい頼ってしまいます。また、更にはキンドルなどの電子書籍利用もチラホラ…

 思い起こすと、おもちゃ屋・電気屋も同様の傾向。大手家電チェーン店は比較的元気なものの、それも過当競争気味でこのところ集約化傾向。また、それなりに値の張る商品は店舗で現品確認はするものの、購入はネットで価格比較して注文、といったケースも多いように感じます。

 IT社会到来から早や20年余、スマホやタブレットの普及も相まって、若者だけではなく全ての年代層に定着した感があります。世の中、この後どのように変化していくのでしょうか?

 自動車産業にもそういった流れが波及していく気配を感じます。自動ブレーキ・自動走行はもちろんのこと、そもそも自動車を所有するといったライフスタイルも一部否定されてきています。都会では駐車スペース難からカーシェアリングの兆し。時間貸駐車場の一角にネット活用のレンタカーが置かれているのを多く眼にするようになりました。渋滞解消・省資源・省エネルギーの観点からは間違った方向ではありませんが、当産業に身を置いている者としては、危機感を覚えるとともに、一抹の寂しさも感じます。

 自動車を所有する喜び、自由に繰る感動、そういった事に価値観を置く世代はいずれ恐竜のように絶滅してしまうのでしょうか…? 



6.技術コラム
[技術の進歩とものづくりについて]
 少し前までは一部の企業で部品試作などの特殊な用途にしか使われていなかった3Dプリンターが今では5万円を切る価格で一般向けに販売されています。数年前、展示会で初めて光造形のデモを見た時にその造形物の精緻さに驚いた記憶があります。一部のベンチャー企業で持っていたいくつかの特許が切れた事もあり、ここ数年で大手メーカが参入して一気に価格も下がり、パソコンと3Dプリンターがあれば誰でも思うような立体形状を作る事ができるようになりました。

 この様な技術の進歩自体は素晴らしい事で、個人の趣味としてもいろいろな楽しみ方が増えたと言えますが、ものづくりに関わる技術者としては少し複雑な心境にもなります。

 私たちが子供のころに経験した、粘土や彫刻、身の回りのもので作る遊び道具などはものづくりのひとつの入り口でありそれがうまくできた時の喜びはいつまでも忘れない想い出として残っていますが、今では小学生のうちからパソコンを使いこなしてデータから完璧な形状を誰でも自由に作る事ができる時代になりました。

 かつては本や友達、周りの大人たちから教えてもらった知恵や経験も、インターネットで検索すればすぐに膨大な量の情報が入手できます。誰が作っても完璧でありながら、作り上げる苦労も個性も無いもの、それが果たして本当の意味でのものづくりと言えるのかどうか、またそれがどの様な経験として残っていくのか今はまだわかりません。

 パソコンやゲーム機を操り、新しい技術を使いこなす子供たちを見ながら、ついつい自分の子供時代と比較して「昔は良かった」という気持ちになりがちではありますが、これまでの歴史が証明している様に人類の可能性は無限であり、現代を生きる私たちが過去の価値観で未来を悲観する必要は無い、ということも忘れてはいけない事です。むしろ今の子供たちが今後どんな未来を創っていくのか、それをワクワクしながら見守り応援していく大人でありたいと思います。

 過去を懐かしむだけではなく技術者として、会社として、地域社会の一員として輝ける未来に貢献していくために何をすべきかそんなことを考えてみるのも大切なのではないでしょうか。







7.やまのひとりごと
暖かくなってきましたね。
気分一新、何か新しいことでも始めたいなぁと思っています。
みなさんはいかがですか?

ミミズがはったような文字から卒業すべく、ペン習字のテキストを購入しようか検討中のやまでした。