目次
1.展示会出展案内
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.自動車開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.展示会出展案内

【人とくるまのテクノロジー展2015】

出展いたします

パシフィコ横浜・展示ホール
2015年5月20日(水)~22日(金)
AM10:00~PM18:00
(最終日はPM17:00まで)

ブース№ 356(静岡テクノフロンティア内)

展示会の案内状をお送りいたします。下記アドレスまでお気軽にご連絡下さい。
web-info@spacecreation.co.jp


【出展製品】 


★MSHモータ性能評価システム

・ HEV・EV系モータ・インバータを総合的に評価できるシステム
・ 高速回転性能・耐環境性能・効率性能評価可能
【出展製品】


★MTU-10 パワートレインダイナミック傾斜テスタ

・エンジン・トランスミッションの実車走行をベンチで再現



NEDOMagHEM向けに高効率モータ用分析評価装置を納入いたしました。(413日プレス発表)

 



2.技術コラム
[M2MIoT]
 10年程前は同じM2MでもMan-Machineインターフェースがはるかに注目されていて、どのように機械に人間との融和性をもたせるか開発することが当時の話題だったように思います。ところが最近は、M2MでもMachine-Machineサービスが注目されているようです。よりわかり易くMachine-Mobileサービスと表現されていることもあります。

 簡単に説明すれば、PCやサーバといった情報機器だけではなく家電や自動車、センサなどありとあらゆるモノがネットワークにつながって通信する機能を有し、互いにつながれたモノ同士が人を介さずに情報交換を持ち、自動的に制御を行う仕組みのことをM2Mと呼ぶようです。

 これまではメールやWeb、SNSオンラインゲームなど、人と人とが(あるいは人とPCとが)ネットワークでつながり合い、情報交換を行ってきただけです。これが今後はM2Mによって自動車や家電など現実世界のありとあらゆるモノがネットワークに接続されるようになり、モノとモノ、あるいは人とモノとが情報交換を行いお互いの制御をする世界。すなわち「Internet of Things」(IoT)の世界が実現されることになります。

 最近の事例としては、ベアリングメーカが異常診断装置としてのIoTを展示会公開。交換する場合に億単位の維持費が必要な装置を対象として、現在は風力発電の羽根ベアリングと電車の車輪ベアリングに試験的に導入テストしているとのこと。

 弊社の納める装置については、耐久テスト向けのものがかなりの割合を占めています。一旦テストピースをセットすると1週間、長いものでは1ヶ月連続的にテストされる場合があります。センサを備えておりそれらを統括しているCPUが装備されているので、まさにIoT対象となり得るもの。今後の発展が期待されます。



3. 書籍紹介
『翔べ、MRJ』 2015年3月発行  
杉本要著 日刊工業新聞社  
  自動車に続く次世代産業として、宇宙航空関連が注目されてからだいぶ年月が経っています。戦後の空白期が未だに尾をひいているのか、部品素材レベルではともかくとして完成機としては話題のわりにパッとしない雰囲気がありました。しかしいよいよここにきてホンダジェット・三菱MRJともにスポットライトを浴びる機会が増えてきたようです。
 本書はMRJを中心として日本の航空機産業について、やさしく楽しく紹介しています。技術的にはほとんど触れておらず物足りなさが残りますが、まずは航空業界全体を俯瞰するには適した内容かもしれません。
 ちなみに、当社もわずかではありますが関連する業界に開発試験機を提供しております。今後も日本の航空宇宙産業発展に関わって、文字通り一翼を担っていければと考えています。



4. 自動車開発最前線
「エネルギ効率の支配者」 
 世の中、効率化・効率化のオンパレードです。無駄なことは極限まで削減。もっと効率を上げ他社との差別化を図らなければ、と言う切迫感がそうさせるのでしょう。具体的な代替案が見つかり、一過性ではなく更に加速度的に進行中です。自動車の効率は燃費、電費。地球上で消費されるエネルギの大半を占めているのがモータ…高効率モータを作ることは国のエネルギ政策と大きく関わっています。
1.5%の電力削減をモータの効率化に依存する極めてわかりやすく実効性のある施策。自動車含めた国全体のエネルギ政策は、モータの高効率開発に委ねられていると言っても過言ではありません。

 モータを取り巻く環境は、この20年で大きく変動してきました。パワーエレクトロニクスとしての半導体の開発、取り分け高電圧化と大電流化に即応したIGBT/IPMなどを利用した高効率インバータの開発。そしてレアアースによる強磁性体の開発により、モータの高効率・省エネ化の実現。しかし、弊害もあります。価格の上昇が顕著に推移しているのです。製品自体やその試験装置価格の上昇も想定内なら良いのですが…。 

 産学連携でもモータ・インバータ研究開発の充実ぶりが目立っており、惜しみない予算の獲得からはこの分野の喫緊性の高さが伺えます。大学および企業の組織拡大や、電機技術者・パワーエレクトロニクス技術者の増員傾向は全く衰えを知らないようです。日本の産業をけん引している自動車メーカ、部品メーカ、電機メーカ、研究機関など、引く手数多の電気工学専攻の技術者たち。
羨ましい時代になったと感じるのは、約40年前の就職難で四苦八苦だった私だけではないはず。喜ばしい限りです。




5. -コラム-
人とIT、あなたはどちらを信じますか?
                                             /青木邦章
 インド洋でのマレーシア航空機行方不明、アルプス(南フランス)へのドイツ航空機の激突、アフリカでのアルジェリア機の墜落、日本でも滑走路や空港設備への接触による事故など、相変わらず国内外で航空機災害が続出しています。

 航空機事故統計(planecrashinfo.com)によると事故原因の41%は操縦ミスやそれ以外の人為的ミスによるものとされています。また、ボーイング社の調査によると55%が人為的ミスとされているようです。(やはり製造メーカだけに、操作する人に責任を求めたい意思が働いているのでしょうか?) 

 いずれにしても、科学技術の進んだ現代では、機械装置側の不具合よりも、パイロット・整備士・管制官など人間の判断や操作ミスによる事故が多いことは確かなようです。

 そこで我々エンジニアにとって課題となるのは、緊急時における事故回避操作の設計思想としては、人間の判断・操作を優先すべきか?機械装置(主にコンピュータ)の判断・動作を優先すべきか?という選択です。伝え聞くところによると、ちょっと前までのボーイング機は人間優先の操縦システムを、エアバス機はコンピュータ優先のそれを採用していたとのこと。同じ西洋といえども、欧州人と米国人の文化・価値観の違いを垣間見るようで新しい発見があります。(ちなみに現在は両者歩み寄って、ほぼ中間的な設計思想に落ち着いているようです。)

 一昔前のSF小説やコミックの世界ではありませんが、コンピュータやロボットといった機械装置に支配される世の中は、想像しただけでゾッとするものがあります。しかし、かと言って近頃の物騒な世の中を考えると、とても人間の能力や精神構造を信頼するのも空恐ろしい感じがします。

 機械文明が進み、生物として人間が持っている感知能力・判断処理能力をはるかに超えた機械装置によって社会システム全体が構成されている今日、その悩みには深刻なモノがあります。航空機に限らず、自動車の世界でも自動運転技術が急速に進みつつありますが、それらをどのように活用するべきか?高度に倫理哲学的な思考が要求されるように思えてなりません。



6.技術コラム
[ 技術者のコミュニケーション能力]
 社会の中で仕事をしている以上誰しも日常業務の中で多くの人との関わり合いがあります。お客様はもちろん、仕入れ先や地元地域など社外の関係、上司や部下、前後工程を担当する社内の仲間、関係する全ての人が有機的に絡み合って一つの仕事を成し遂げているということになります。

 弊社の商品である開発試験機も年々高度な技術・複合的な技術が必要になってきており、社内での業務分担はもちろん、特定の専門分野に特化した協力会社の技術を活用して一つの試験機を作り上げるということも少なくありません。

 エンジニアという職業は性質上一人で考える時間や図面を描く時間、集中して機械に向き合う時間などが多くつい自分の世界に閉じこもりがちになりますが、自分の考えや仕事の結果をきちんと関係者へ伝えなければ、このような仕事をうまく進めていく事はできません。

 よく言われるホウレンソウ(報告・連絡・相談)においては、自分目線ではなく、伝える相手がどの様な情報を今持っていてどの様な情報を必要としているのか相手目線で考える事が必要であり、その手段についてもメールが良いのか、電話が良いのか、直接会って話をするべきなのか、その都度適切に判断してコミュニケーションをとる事も大切です。
 
 特に最近はEメールなどの連絡手段が主流となってきており、記録として残せること・お互い都合の良い時に送信/受信できること・複数の関係者へ一斉送信して情報共有できること・添付ファイルや文章で確実な情報を伝えられることなど多くのメリットがあるので積極的に活用するべきですが、その反面、内容によってはメールで送ること自体が不遜であるとして悪い印象を与えたり、相手の状態や反応が見えないために結果として一方的な内容となって思わぬ誤解を招いたり、そういった危うさがあることも知っておかなければいけません。

 その他にも、組織における指揮命令系統と権限を正しく理解することや、悪い報告ほど早く正確にすること、平時の状態と有事の状態での対応を切り替えることなど、報告ひとつとっても知識やスキルとして身に着けなければいけない事が実はたくさんあるのです。

 現代に生きるエンジニアとして技術力は当然の事として、このようなコミュニケーション能力を磨く事も忘れてはいけない事だと考えます。




7.やまのひとりごと
 5月20日(水)~22(金)の間、パシフィコ横浜にて「人とくるまのテクノロジー展」が
開催されます。今年も「静岡テクノフロンティア【小間№356】」という合同ブースにて
出展いたします。
 表紙でもご案内しておりますが、案内状をお送り致しますので
是非web-info@spacecreation.co.jp までお問い合わせ下さい。
皆様のご来場をお待ちしております。