目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
【動力循環式ギヤテスタ】

装置外観
【設定項目】

運転時間、回転数(正転/逆転)、トルク、供試体給油装置出口温度等


【測定項目】


【装置構成】




2.技術コラム
[物理学のすすめ]
 センター試験も終わり、予備校などが平均点予測を始め受験生はこれから2次試験への戦略を練る時期にあります。新課程への移行があり、数学ではかの国際生物学オリンピック金メダルの受験生も時間内に全問解けなかったとか?!平均点予測を見る限りでは、昨今理系離れと言われている中、予想点では物理Ⅰの平均点が最高。おいしい科目なのにね…と思うのですが。
 弊社の装置は自動車メーカへの研究評価装置が中心となっています。仕様の取り決め時に議論となるのは常に数学的、物理的問題を伴います。運動力学、熱力学、電磁気学、波動力学など、ほぼ高校の物理が習得できていれば賄える領域です。弊社員は全員工学系出身ですので、当然カバーできているとは思いますが実務的に不足な面も感じないではありません。暗記科目ばかりが多いセンター試験と同じで、装置の物理的問題も法則さえ覚えれば後は応用適用範囲が広く、得点源として格好=装置の問題解決素材として格好、だと思われます。実践的にも、装置を使っていただく担当者の方に対して、その専門分野から外れた装置の特性や研究問題に対する適用度を説明するのに格好の武器となり得るものです。
 限られた紙面で「物理とは」と講釈するのも無理ですので、以下に参考を紹介しておきます。高校物理復習⇒「わかりやすい高校物理の部屋」参考書籍類⇒「高校生におすすめする30冊の物理学数学書籍」、「200冊の理数系書籍を読んで得られたこと」をキーワードに検索をかけると出てきます。
 今後の技術トレンドは、シミュレーションを中心に展開していくことは疑う余地のないところです。さらに今後の車のイノベーションの90%は電気電子が源泉となり進んでいくとの見方が大勢。安全運転基礎デバイスも含め、解決策を導いてくれる基礎学問である物理学を今一度復習、見直してみてはいかがかと思います。



3. 書籍紹介
『 「ゼロ・トゥ・ワン」君はゼロから何を生み出せるか』  2014年9月発行  
ピーター・ティール+ブレイク・マスターズ著 NHK出版  
 シリコンバレーで注目されているベンチャー投資家、Facebookの育ての親といってもよい存在、その彼がイノベーション創出の要諦についてまとめた書。長年IT系ベンチャー企業と付き合ってきた者、常にアメリカンドリーム実現の傍らに寄り添った者としての重みのある言葉が随所にちりばめられています。

 「競争は、資本主義の対極にある。独占企業は注目を避けるために独占状態をなるべく隠し、競争企業はわざわざ自社の独自性を強調していることに気付くはずだ。」との言葉。数多くの日本の中小企業経営者と付き合ってきて、またその盛衰を目の当たりに見ている者として、非常にうなずけます。やはりブルーオーシャンを目指すことが成功への第一歩なのかも?

 また、最先端IT全盛のカリフォルニアの住民が、人による営業活動の重要性、コンピュータと人との得意分野のすみわけを強調している点に驚きとともに共感を覚えます。


4. EV・HEV開発最前線
「自動車開発の2極化」 
 前号でトヨタ社のFCVについてお伝えしましたが、今回は自動車メーカ各社が環境車ばかり開発をしているのではなく環境に配慮していてなおかつ高出力車の開発も手掛けていることについてお話したいと思います。

特にホンダ社については、かつてマクラーレンと組んで連戦連勝した時代の再現をF1に求めて再出発したかと思うと、公道用ハイブリッド車ながら550馬力以上のNEW NSXが披露され米国展示会場でも注目の的だったとか。

車開発の話題としては、環境車と環境に配慮しつつ高出力の車、「自動車開発の2極化」という2つの大きな潮流を感じ取ることができるように思えてなりません。 

EV/HEV/FCVなど、CO2削減が主なテーマである次世代環境対策車は、これまでも述べてきたように大きな目的として燃費(電費)を如何に向上させるかがあり、そのための手段としてはEVやハイブリッドならではのエネルギーの蓄えと回生エネルギーの有効活用が挙げられました。今回満を持して登場したNSXは、V6・3.5Lツインターボエンジンのミッドシップレイアウト+3モータと9速DCTのコンビネーションということで、これぞまさしくスーパーカー。機能・性能・メカニズムは徐々に調べていきますが、燃費は1リッターあたり15kmクラスというからこれも驚き、フェラーリも真っ青!?です。

安倍総理もFCV試乗だけでなく、是非ともNSXにもご試乗いただき、環境車もスーパーカーも日本の技術力を世界にアピールしていただきたいものです。ついでにそのような車開発に無くてはならない試験装置なども、日本製が活躍している…ということも付け足しいただけると、幸いと感じる次第です。
 

HONDA  NEW NSX (Acura)




5. -コラム-
「商社不要論について考える 」
                                             /青木邦章
 国内はもとより海外も含めた全営業領域を、わずか3名の担当者でカバーしている当社にとって、商社との連携は非常に重要で生命線とも言えるかけがえのないものです。しかし、一方でお客様の商社に対する見方は、全般的に年々厳しくなっているように感じます。

 インターネットが普及し、遠方であっても、また取り立ててコネクションがなくても、手軽にお客様がメーカにコンタクトできる時代となり、しかもHPから簡単にカタログや仕様書を取寄せられるので、単なる御用聞き営業だけでは存在価値が薄れてきているせいでしょうか?あるいは、当社のような特注対応の開発試験機の場合、営業打合せ自体にかなりの専門知識が必要なため、結局はメーカとお客様の技術者同士の調整が中心となるためでしょうか?

 しかしながら、中にはお客様とメーカの間に立って立派に大活躍されている商社ご担当もおられることからすると、どうもそれだけではないようにも思います。

 営業行動が単なる口利きにとどまり、労を惜しんで両者間をとりまとめる努力をしていないケース。法外な中間マージンを乗せて、誠実さを欠いた動きをしたため、一気に信頼を失ったケース。伝言ゲームよろしく中途半端に仲介しているためかえって仕様確定をややこしくしているケース、などなど。

 いずれにしても、評価されない原因は、お客様にきちんとした商社なりの価値提供を実現できていない場合のように感じます。

 そして、意外なのはこういったケースは新人営業マンに顕れるのではなくむしろベテラン勢に多く散見されることです。10年・20年と営業人生を続けていくうちに、日々の業務がルーチン化されてしまい、また年々上積みされていくノルマ数字に押し潰されて、仕事の本筋をつい忘れてしまっているのではないでしょうか?あるいは客先訪問の名刺数蓄積と、ゴルフ・夜の接待で営業数字がなんとかなった古き良き時代、昭和の営業スタイルから離れられないのでしょうか?

最近はIT化・グローバル化などにより、著しく業務効率が高まり、そういった浪花節が通用する時代ではなくなりました。景気回復の兆しが実感されつつある今日こそ、もう一度初心にかえってその存在意義を問い直してみることが必要なのかもしれません。



6.技術コラム
[測定器の書類3点セット]
 ものづくりの現場では日常的に様々な測定が行われています。「測定」とは、「様々な対象の量を決められた一定の基準と比較し、数値と符号で表す」ことを指しますが、エンジニアの世界ではたとえば温度を表現するのに「かなり冷たい」と言っても何の意味も持たず、「測定した結果マイナス15℃である」という表現でなければいけないため、何事も測定器を使って数値化する必要があります。ただし、測定器で測った数値であれば何でも信用してよいかというとそんなことは無く、例えば寸法を精密に測定できるマイクロメータである部品の長さを測ったとしても、そのマイクロメータが、いつ誰がどこから買ってどの様に保管されていたかわからないもの、であれば示された数値が正しいかどうか客観的に判断できないため、その測定器は信用できない、ということになります。では何を持って信用に値する測定器か判断するかというと、「校正証明書」「検査成績書」「トレーサビリティ体系図」の3点セットがあれば、その測定器(で測った値)は信用してよい、というひとつの判断基準となります。

 測定とは長さであれ温度であれ、必ず何かしらの基準がありその基準との比較になります。ある測定器を基準との比較を行って正しいかどうかを確認する作業を「校正」(正しくは「較正」ですが常用漢字ではないため「校正」が一般的に使われています)といい、それが行われたことの証明が「校正証明書」であり、その数値を詳細に示したものが「検査成績書」です。「トレーサビリティ体系図」とは、その測定器を校正したもの(基準として比較したもの)をずっとさかのぼっていけば国家または国際的に正確だとされる基準までたどり着ける、ということを具体的に示したものです。

 弊社で製造する開発試験機においても様々な測定器を使用していますが、最近では全ての測定器について3点セットの書類添付を必要とされるケースも増えてきています。また、試験機に組み込まれるものもそうですが、社内で使用する測定器についても日常的な管理・点検・校正などをしっかりと行う事が重要で「正しく測定する」という事がきちんとできた上ではじめて、常日頃から社内で合言葉のように言われている「エンジニアは数値で定量的に表現せよ」という言葉が意味を持つ、ということも忘れてはいけないと考えています。
  



7.やまのひとりごと
毎日まだまだ寒いですね。
夏の暑い日には「これならまだ冬の方がマシだ!」と言ったような気がしなくもありませんが、年々冬の寒さが耐えられなくなってきました…。
風邪やインフルエンザが流行していますが、体調管理を万全にして、元気で春を迎えたいものです。