目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと









1.製品紹介
【オルタネータ性能試験装置】

オルタネータの性能を測定する装置です。
入力された運転パターンでオルタネータをモータ駆動、オルタネータの出力特性測定
負荷トルク測定内部温度分布測定、充放電収支測定に対応することができます。



【装置構成】

・オルタネータ取付治具
・駆動モータ
・トルク計
・温度恒温槽
・電子負荷装置
・バッテリ

【計測項目】




*その他特注仕様、各種オプションにも対応いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。



2.技術コラム
[オープン標準]
 先の全米オープンテニスでは、錦織選手が準優勝。勢いからして当然優勝と思っていたのに少々残念さが残ります。この後、ATPツアーファイナルズでも活躍その賞金や契約先の報奨金で一挙に超一流選手へと登り詰め、来年には優勝すること間違いないのではないかと期待しています。

 全米をはじめ世界4大大会では、すべてオープン制を採用しています。オープンなので原則プロアマ問わず参加が可能。ただし選考を考えると実質それなりの実力と実績がないと参加することは不可能なのが実情ですが、オープンとはこの様に誰もが自由に参加する資格を与える、といった意味を含んでいます。

 このところ産業界でもオープン規格が大流行です。これらは、主にライセンス料を払うこともなく自由にその規格を使えることを意味しています。たとえばCANとCANopenを比較すると、厳密にはCAN通信規格の利権を持つ独ボッシュ社にライセンス費用を払っています。ただCANのICの製造原価として上乗せされているので普段は意識することもなく使っているだけです。

 片やCANopenは、オープン規格でライセンス料も発生していないので上述のようなこともないのです。このことを含め使い勝手が良いためオープンネットワークは様々な産業に浸透してきています。

 オープンにすることによって、開発企業間の交流も多くなって産業を活発化するのが別の狙いでもあります。オープン規格では、いわゆるオーバヘッドになる開発領域を規格化するのが通常です。つまり、開発側から眺めると面倒な非競争領域の工数を削減。その分、競争領域である独自のアプリケーション分野に専念してより良い製品を開発できるのが特徴です。

 ざっと見渡しても、Ethernet、Profibus、CCLink…いろんな規格が出てきており、デバイスメーカと弊社のようなインテグレーションメーカを繋ぐ橋渡しをしてくれています。




3. 書籍紹介
『ピクサー流創造するちから』  2014年10月発行  
エド・キャットムル+エイミーワラス 著 ダイヤモンド社  
 トイ・ストーリーやモンスターズ・インクなどの話題作を数多く生み出したピクサー・スタジオの創設者、ピクサーとディズニーアニメーション両社社長のキャットムル氏が、ピクサー創設から今日までを描いた自伝。ベンチャー企業・クリエイティブ企業経営の要諦がまとめられています。
 400ページを超え、ロジカルに持論を展開しているお堅い書ではありますがウォルト・ディズニー、ジョージ・ルーカス、スティーブ・ジョブズなどの著名人との逸話、ピクサーとディズニーの数多くのアニメ制作秘話。誰もが興味深く読み進められる話題満載で、瞬く間に時が過ぎていきます。
特に四半世紀わたり、仕事を共にしてきたスティーブ・ジョブズとの関わり彼に対する思いなど、深く感銘を覚える場面も多く、伝説の人の真実に触れられるチャンスも提供してくれています。もしかすると、本書は彼に対する追悼叙情詩なのかも知れません。


4. EV・HEV開発最前線
「FCVいよいよデビュー」 
 トヨタとホンダから相次いでFCV(燃料電池自動車)が市場に投入されます。トヨタは12月中旬、ホンダは来年度中の発売。究極のエコカーとの呼び声高く、排出されるのは水だけ。ある意味EVよりも革新性があり、久しぶりに大きなインパクトとなりそうです。車好きとしては興味津々と言ったところですが、やはり開発には20年以上の歳月を要し、紆余曲折の連続だったとのこと。

 特に“水をマネージメントする”ことが最大の課題。確かに寒冷地での凍結の問題が開発スピードを鈍らせたようですが、その問題をなんと「効率の悪化による発熱」により解決。その他に、水素=危険というようなイメージが根強いためタンクの強度を確かなものにしなければならないと言う苦労も。その点は航空宇宙分野で使われている炭素繊維を採用し、軽くて衝撃にも強い構造を実現しています。

 FCV用の水素供給ステーションの設置に関しても計画的に動き出しており、2020年までに都内に6,000ヶ所を予定しているとの事。気になる価格も国からの補助金により500万円台で購入可能と発表され販売もかなり伸びそうな気配です。ガソリン車並みの航続距離とガソリン車より優位な燃費を強みに、次世代の主流はFCV車となるかも?しれません。
 



5. -コラム-
「おひとりさまブーム」
                                             /青木邦章
 今から5年ほど前のことですがテレビで「おひとりさま」といったタイトルのドラマが放映されていました。その頃は新鮮な響きで、何やらとんがっていた印象もありましたが、今やごくごく一般的なことになってきたようです。

 ひとりカラオケ・ひとりカフェに始まり、ひとりディズニー(ディズニーランドを単独行動で満喫)ひとり動物園(お気に入りの動物を一人で心ゆくまで堪能)ひとりテント(グループで山登りをしてもテントは一人ずつ)果てはひとりウェディングまで登場(結婚願望は強くないものの、一生に一度は究極のおしゃれであるウェディングドレスを着たいとかで、式場で一人記念撮影)。

 あまり群れる事が好きでない青ちゃんではありますが、そうは言っても、もはや全て理解不能な境地です。いつからこのような社会現象が起こってきたのでしょうか?これでは日本の人口減少ももっともだと、妙に得心してしまいます。

 原因は、少子化にともなう幼年期の同年代同士のスキンシップ不足か?それともITの進歩による直接的なコミュニケーションの欠如か?子供同士が誰かの家に遊びに来ても、直接相手と触れあい語り合うのではなくそれぞれ持参のゲーム端末を経由してバーチャル空間で遊びあうと聞いたことがあります。鎧をまとって間接的に戦い合う、まさにガンダムシンドロームといった感じでしょうか?(そういった言葉があるのかどうか知りませんが…)

 さて、このような「おひとりさま現象」これをどうとらえたら良いのか?そして、我々おじさん世代はどう対応したら良いのか?非常に悩んでしまいます。ルネサンスよろしく声高に昔は良かったと叫び、おせっかいにチームワークプレーを強要するコーディネータを演ずるのか?はたまた世の流れに素早く適合し、ダイバーシティ(多様性)の執事となるのか?その選択も、そしてそれにより得られる果実も、まさにケースバイケース。それこそが旧人類世代向けメニューの「おひとりさま」なのかも知れません…。



6.技術コラム
[遊星歯車]
 前回、減速機についてお話ししましたが、今回は様々な減速機構のうちのひとつ「遊星歯車」についてご紹介します。減速機(機構)には、歯車以外のチェーンやベルトなども含めると多くの種類がありますが、当社で設計する事が多いものに並行軸型(*1)と遊星型(*2)の2種類の歯車減速機があります(どちらの写真も過去に当社で設計製作したものです)。特に制約条件がなければ構造が比較的簡単で扱いやすい並行軸型の減速機を採用することが多いですが、レイアウトや機能上の理由で必要な場合には遊星型を採用します。また、機械設計者としては見た目のインパクト・美しさ・不思議さなど、遊星型の機構により大きな魅力を感じるのも事実です。

 遊星歯車と言っても一般の方にはなじみが薄いかもしれませんが、自動車のトランスミッション内部などにもよく使われており 美しいだけでなく機能的にも大変優れているのが遊星歯車なのです。基本的な構造は図の様に中央の太陽歯車(サンギア)、その周囲に配置された複数の遊星歯車(プラネタリギア)、内向きに歯が切られた内歯車(アウタギア)の3種類の歯車の組み合わせからなり、プラネタリギアが自転しながらサンギアの周囲を公転運動することから、太陽系になぞらえて遊星歯車機構と呼ばれています。

 この機構は構造が複雑で設計が難しく、高コストになるというデメリットもありますが、その反面、入出力を同軸上に配置できること・負荷を複数歯に分散できるのでコンパクトに設計できること・少ない段数で大きな減速比が得られることなどの多くのメリットがあります。

 通常はサンギア・プラネタリギア・アウタギアの3要素のうちの一つを固定し、残りの2要素を入力・出力としますが、どの要素を固定するかで速比も変わってきます。また、特殊な使用方法として、3要素全てを可動構造とし、連結した入出力軸に対して残りの1要素にトルクを負荷することにより、動力循環型試験機のトルク負荷ユニットとして設計することもあります。
 この機構の面白さは、動いているのを見るのが一番わかりやすいので興味のある方は是非インターネットで検索して動画をご覧ください。
 
  



7.やまのひとりごと
  今年も残りわずかとなりました。
年末年始をだらだらと過ごす為、少しずつ大掃除をはじめました。
年末年始はゴミ回収もお休みになるので不用品は早くから捨て始め、日中の比較的暖かい時間帯に水周りの掃除をし、おせちの材料は早めに買ったほうが安いから買えるものは今のうちに揃えておいて…。だらだら過ごす為にはかなりの労働と計画性が必要なんですね。はぁ~…。