目次
1.展示会出展情報
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと







1.展示会出展情報

出展しました。

 5月21日、22日、23日の3日間パシフィコ横浜で開催された
“人とくるまのテクノロジー展2014”に出展いたしました。

 今年も弊社展示ブースへ多くの方にお立ち寄り頂きました。
お忙しい中、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。


 当日の説明だけではご案内不足になってしまった点、資料請求や出展内容についての質問などはお気軽に
 下記メールアドレスまでお問合せください。
  web-info@spacecreation.co.jp



2.技術コラム
[制御チューニング]
 このところロボットも身近に、より人間にやさしく振舞えるように開発されてきています。

 自動車もEV化が進み、見方によっては車もロボット。より人間にやさしい方向で開発が進んでいるようです。弊社でも、評価装置を納めていてフィーリング評価重視のシミュレーションが進み、HILSが推進されていることを実感しています。

 今までに比べて微妙な制御を要求され、装置については如何に制御のチューニングを行い、シミュレーション用の指示値どおりに制御が実行されているかが評価されるポイントとなっています。そこで今回は、チューニング技術、装置に対してどのように制御の最適化が行われているかのご紹介です。

 装置にモータが組み込まれる場合、まずオートチューニングを行います。インバータではモータの回路定数をインバータ自身が自動的に測定し、記憶する機能を持っているのが普通です。モータを回転させて測定する方法とモータを回転させないで測定する方法があります。一般に、ベクトル制御の最適化が行われます。

 恒温槽などでは、制御を行うPID定数を制御対象の特性により変えていかないといけません。温度応答波形より制御の最適化を行う手法はさまざまです。オートチューニングの代表的な手法として、ステップ応答法、限界感度法、リミットサイクル法があります。通常はPIの調整にてほぼ収束、最適化できます。

 弊社のHILS装置では、ダイナミックレンジ広く制御性を望まれることが多くなります。よってステップ応答などで目標値を定めますが、チューニングに多くの時間をかけないと望まれた制御性を得ることが得られないことがほとんどです。従って、オートチューニングについてもカスタムにプログラムを作成、装置を納めた後でも制御性を確保しています。



3. 書籍紹介
『技術を武器にする経営』  2014年3月発行   
伊丹敬之・宮永博史著 日本経済新聞出版社

 一頃、MOT(Management of Technology)と言う言葉が流行った時代があります。やみくもにエンジニアが研究開発を進めていっても、ガラパゴス化が進むばかりで、社会に役立つもの、利益貢献するものはなかなか生まれない。だから、研究開発にもマネジメントが必要だ。そんな文脈からだと思います。確かにそれはその通りで一理あります。大学などにもMOT講座なるものが出現して、学生や社会人向けにいろいろなメニューが提供された記憶があります。

 しかし、それらの概要を当たってみても、名前だけが独り歩きして、中身はあまりないモノが多く、MOTとは一体何ぞや?というのが、はっきりしないモヤモヤは続いています。多くの人が同じ感覚を持っていたのではないかと推察しますが、そんな方に朗報。MOTについてわかりやすく解説した本が登場しました。

 著名な経営学者と、元敏腕開発者のコラボレーションから生まれた本書は、論理的であり、かつ実践的。技術者の生きる道・あるべき姿を再認識させてくれます。


4. EV・HEV開発最前線
【FCVの燃料は水素】 
 燃料電池車(FCV)の普及に伴い、関心が向けられているのが水素のインフラ市場の成長です。国内化学プラントメーカも、大規模供給の実現に向け技術革新を進めています。燃料となる水素をいかに低価格で取り出し、貯蔵することができるかが今後のFCV成長のカギとなりそうです。

 FCVやEVなど次世代動力源利用車の開発競争が加速中ですが、バッテリーや燃料電池の技術レベル向上やインフラ整備に時間と費用が掛かることを考えると、まだまだ内燃機関エンジンが主役となるかと思われます。

 そう考えると、暫くは次世代動力源利用車の開発競争より、車全体の高効率・高燃費への開発競争、エンジンからタイヤまでのパワートレイン(動力伝達)の効率向上が重視されそうです。社運を賭けた戦いは、ますます熾烈さを増すことでしょう。



5. -コラム-
「産学官による
     エンジン基盤技術の共同研究開発」

                                             /青木邦章
 5月にパシフィコ横浜で開催された恒例の自動車技術会春季大会フォーラムで、自動車メーカ8社に大学数校が加わり、それに経産省が資金援助する形での共同研究開発事業開始が発表されました。

 この数年、FCV・EV・HEVなど新しい動力源が注目されているものの、まだ当分は内燃機関が主役であり続けると言うことの証でしょうか?また、弱電業界がアジア新興国にことごとくやられてしまった過去を踏まえて、自動車産業だけは死守したいという国の政策の表れでしょうか?

 産学官、そして自動車メーカそれぞれの思惑も絡み、どのような方向にいくか、予断を許さない状況です。
オールジャパンの技術・資源を結集というのであれば好ましいことですが、この手の共同研究には疑問符がつくのも事実。うがった見方をすると、1社単独で突き進むにはリソース不足ということなのでしょうか?あるいは狭い日本にしては多すぎる自動車メーカを国主導で再編するための地ならしなのでしょうか? 

 真のイノベーション実現のためには、研究開発組織に強力なリーダーシップが必要なのは自明の理。また、自動車業界はこれまで協調路線ではなく、互いに切磋琢磨して発展させてきたという厳然たる事実。このような呉越同舟路線では、きちんとした果実を得られるのか?はなはだ心許ない状況です。

 世界規模で対処しなければいけない自動車産業において、国内でチマチマと競争しているのもどうかとは思いますが、護送船団方式のビジネスでは限界があるのも確か。

 日本の自動車産業黎明期に登場したカリスマ経営者の再来が望まれるところかもしれません。



6.技術コラム
[空気自動車]
 既にハイブリッド車は一般的に普及し、電気自動車も今後の電池小型軽量化や充電インフラ整備と共に増えていき、そしてその次には燃料電池車という流れが予想されますが、それらのメインストリームの陰に空気で走る自動車というものがあるのをご存知でしょうか?

 正確には圧縮空気に蓄えられるエネルギーを動力源にした自動車で、ガソリンやバッテリーを使わずに走るものです。私たちの周りに大量にある空気を動力源にするのですから究極のエコカーの様に感じますが、インドの大手自動車メーカであるタタ・モーターズでは既に試作車が公開されており、タンクに175Lの空気を充填すれば時速70kmで200km走行できるとか。高コストの内燃機関やモータを搭載する必要が無いので販売予定価格も80万円程度とお買い得ですが、残念ながら市販化までは至っていない様です。

 恐らく軽量化によるボディや高圧タンクの衝突安全性の問題などと、そもそも充填する圧縮空気を作るためにはコンプレッサーなどの電源を用いる機械装置が必要で、そのエネルギー効率があまり良いとは言えず、ガソリン車よりちょっと良い程度である、というコンセプト自体に疑問符がつく欠点を抱えているためだと思われます。

 その他にも、プジョーではガソリンエンジンと圧縮空気のハイブリッド車を公開しています。こちらは純粋な空気自動車とは違って、エンジン走行時にコンプレッサーで圧縮空気をタンクに溜め、そのエネルギーで油圧モータを駆動して走行する、というものです。ちなみにこの空気圧を油圧に変換するエアハイドロコンバートという技術は弊社の開発試験機にも使われており、大がかりな油圧機器を使わずに空気圧を大きな油圧エネルギーに変換する事ができるメリットがあります。

 プジョーの方も市販化までには総合効率や安全性などの課題があると思われますが、こういった独創的な発想を形にするエンジニアの心意気の様なものはヒシヒシと伝わってきます。

 画期的な発明は誰もやろうと思わない事から生まれる事が多くありますし、何より見て楽しく、柔軟な発想のヒントにもなるので、こういった小さなニュースにも注目していきたいと思います。



7.やまのひとりごと
 5月21日、22日、23日の3日間パシフィコ横浜で開催された
“人とくるまのテクノロジー展2014”に出展いたしました。

今年も弊社展示ブースへ多くの方にお立ち寄り頂きました。
お忙しい中、ご来場くださいまして誠にありがとうございます。
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