目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと






1.製品紹介
[ブレーキ部品性能試験機]

ブレーキシステムの入力荷重及びストロークを制御し、
その際の液圧特性及び推力特性を計測する装置です。
恒温槽による温度環境試験、無響箱による作動音計測を行うことが可能です。


2.技術コラム
[データフロー設計]

 最近、ビッグデータが話題となっています。

 TOICAが代表的な例。ご存知の通り、カードを自動改札機の読み取り部に軽く触れるだけで通過できるものです。あらかじめカードにチャージしておくだけで、その都度乗車券の購入や乗り越し精算を行う必要がなく、財布などから定期券やカードを出す手間も省けるもの。

 JR東海の目論見は、利用促進、同一カードの利用履歴を集積とともに、乗車券の発売回数を減らし、券片を取り込む改札機の処理動作を省略できるなどの利点。さらに、利用人数×回数の膨大なデータを処理することにより、戦略的な情報収集やシステムの稼動・保守費用縮減の効果を期待できるもので、分析により巨額の利益を左右するものと考えられています。

 ある定義によれば、ビッグデータとは、10テラバイト(TB)の容量を持つものと表現されています。メガデータからテラデータの時代なのです。弊社が製作する研究向けの専用測定機も、最近は大きなデータを扱うようになって来ています。何気なく測定サンプリング条件を設定すると、いつの間にか100MBぐらいのデータが簡単に出来上がります。

 データ集録のプログラムを作るのも計測してデータファイルが作成されるのもそれほどの苦労は要りません。問題となるのは、データファイルとして利用することの多いCSVファイルの扱いです。
 エクセルで読み込もうとするお客様がほとんどですが「すべてのデータ読み込めていないのですが…」というクレームを聞くことも多くなっています。

 当のエクセルは、2003までが65,536行、その後のバージョンでも最新版まで含め100万行しか読み込めません。
1msでデータを取得すると、100万行でも1,000秒のデータしかとれない計算となります。

 この事から容易に想像できるように、データフロー設計はこれからの計測機の重要なポイントとなります。弊社の装置では要求書からデータ処理について最適化提案を心がけ、最適なデータフローを提案しています。
3. 書籍紹介
『極楽飯店』 
2013年3月発行 小学館 雲黒斎著


著者名からして、かなりおふざけな状況。
軽妙なタッチで描かれるスピリチュアルな世界。お気軽に読める物語ではありますが、ぐんぐんと引き込まれていってしまいます。ある意味で生きるということに希望を与えてくれます。

 地獄がこんな世界であるのなら、直接天国に召されていくよりも、地獄経由で天国に行くのもありかななんて思ってしまいます。もっとも、私の場合は、もともと地獄行きが決定しているのかも…?


4. EV・HEV開発最前線
[交流モータの種類と回転子]
 そもそもモータには、直流モータと交流モータがありますが、試験設備として働くモータは交流が多いです。20年以上前では、大型のDCモータが活躍していましたが、パワートランジスタとその応用であるインバータ技術(制御ソフト含め)の開発により、対応範囲が驚異的に拡大しました。特にEV・HEVなど高速度回転と高精度を必要とするようなニーズには欠かせないものと言えます。

 交流モータ(回転磁界形)には、誘導モータと同期モータがあります。その違いはロータにあり、誘導モータはかご型回転子と巻線型回転子に分類されますが、目的に応じてロータバーと言われる誘導電流が流れる導体の形状・構造により分類されています。

 EV・HEV用高速域10,000〜20,000rpmへの対応としては、堅牢性の高い三相誘導モータが採用されており、現状低速高トルク領域および高速低トルク領域を評価検証する性能試験用モータ選定には悩むところです。
 枯れた技術と言われてきたモータについては、今や材料含めた国家プロジェクトへと大変身中です。


かご型誘導電動機の場合
三相電流が位相差120°でロータバー流れることにより 磁界に誘起されフレミングの右手の法則で電流の方向が決定される。
その電流によりフレミングの左手の法則で回転方向が決定される。
5. -コラム-
「Where have all the young men gone?
                 (若者はどこへ行った)」

                                             /青木邦章

 この言葉を聞いて懐かしく思われる方々も多いかと思います。今から半世紀前、世界的に流行った反戦歌「花はどこへ行った?」の三番の歌詞です。

 ところで本当に若者はどこへ行ったのでしょうか?
海に行っても、山に行っても、眼に入ってくるのは私と同年輩か年上の方ばかり。郊外で見かけるツーリング集団も、メットをとるとおじさんばかり!
明るい太陽の下で元気な若者達を見かけることは、めっきり減ってしまったと感じるのは私だけでしょうか?
趣味が高じて“遊び道具製造会社(?)”に就職してしまい、入社後も一年中真っ黒に日焼けして、インドネシア人と間違われていた青ちゃんとしては、どうにも不思議でなりません。

 全てとは言いませんが、ネット社会にどっぷり浸かっている若者。仮想空間で世界を駆け巡っているものの、昼間はお天道様の下に身をさらすことなく、たまにオフ会とやらで夜中に街中を蠢いている若者の生態は、どうにも理解不能です。

 有り余るエネルギーの発散に騒ぎまくっていた、昔の不良どもとはちょっと違ってどうも陰湿な匂いがします。こんな形では心の病に侵されたり、地味で怪しげな犯罪に手を染めてしまうのも無理ありません。

 いくら電脳空間を縦横無尽に動いていても、やはりそこは実態のない世界。人と人とが生身でぶつかっての体験や、五感で得た心の底からの衝撃とは違い、真のイノベーションには結びつきにくいのではないかと思います。異なる社会・文化・風習を直接目の当たりにして、はじめて体得できるものも多いはず。

 若者よ!もっと自分の足で大地を踏みしめ、体当たりで現代社会に立ち向かっていきなさい。そこから新しい世界が広がっていくことも多いと思いますよ。

 もっとも、聖戦だとかなんとかの名目でわけのわからない力に翻弄され、不条理にも戦場に駆り立てられてどこかへ行ってしまうよりも、よっぽど平和で安らかな毎日なのかも知れないけれど…。
6.技術コラム
「馬力A」

 前回馬力の起源についてお話ししましたが、我々エンジニアが馬力を現在SI単位系で規定されている仕事率の単位であるワットに換算する場合、ざっくりと1馬力=750ワット、で計算します。

 しかし正確には馬力には英馬力と仏馬力の2種類があり、数値も少し違ってきます。英馬力は馬力の起源であるジェームズ・ワットが規定した550lbf・ft/sを直接ワットに換算し、1英馬力〔HP〕=745.700ワット〔W〕となり、仏馬力は英馬力(ヤード・ポンドの単位)を重力単位(メートル・キログラムの単位)に換算する際にキリの良い数字にしてしまったことから、1仏馬力〔PS〕=735.5ワット〔W〕となり、英馬力の方が少し大きな数値となっています。
また、単位表記も英馬力がHorse Powerより〔HP〕、仏馬力はドイツ語のPferdestarke(馬の力)から〔PS〕で表されます。

 日本ではSI単位の導入以前の旧計量法では1馬力=750ワットとしており、これを日本馬力と呼ぶ事もありますが、現在では一般的には仏馬力の〔PS〕が使われます。
 何しろもとがお馬さんの力ということもあり、この様に大変紛らわしい単位であるにも関わらず、未だに一般的に使われているのは不思議ですが、現代の乗り物を馬力換算すると、新幹線は2万2800馬力、大型ジェット機が7万馬力ということになります。実際にはあり得ませんが、馬に置き換えた場合を想像すると可笑しくなりますね。

 ジェームズ・ワットもまさかこんな数値が馬力で表されるとは思ってもみなかったでしょう。蛇足ですが、鉄腕アトムの10万馬力(後に改良されて100万馬力)というのはあのサイズでは驚異的であり、よっぽど熱効率が良くないとものすごい発熱で誰も近寄れない、ということになります。
7.やまのひとりごと
 梅雨が明けたと思ったら、途端に真夏の気候になってきましたね。

寒さが続く、真冬の時期には『早く夏にならないかなぁ〜』と言っていたような気もしますが
いざこのような真夏日が続くとなると、身体がついていきません…。毎日、水分だけでなく、塩分も意識して摂るようにして体調を崩さないように心がけています。

今度は『早く冬にならないかなぁ〜』と思ってしまう、自分勝手なやまなのでした。