目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと







1.製品紹介

【低温無負荷モータリング装置】
自動車用トランスミッションの低温・無負荷・高回転での連続耐久・性能試験を行う試験装置です。
●装置仕様
・装置本体
・駆動モータ
・トルクメータ
・ギヤボックス
・供試体固定部
・操作盤
・制御盤
・低温槽

●計測項目
・温度
・駆動回転速度
・トルク
★自動運転設定項目
・回転数
・回転上昇下降スロープ
・保持時間
・目標温度
・一時停止温度
・槽内温度



★制御方法
・手動:ボリュームによる手動操作
・自動:タッチパネルにて運転パターンを設定し自動運転

*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

『育てる』

 大学も独立行政法人化によって、企業との連携共同研究の幅を広げ、より産業へ密着した研究課題で人材を育てるようになってきているようです。

 かつてバブルの頃に大学生に求められていたものはと言えば、「大学生生活では広く教養を身に付ければよい」…だったように思います。だからと言う訳ではないですが、できるだけ専門外にも興味を持つように大学生活を送っていたように思い出されます。就職前の授業による企業訪問の際にも、先輩諸兄から「仕事に通じるスキルはOJTで身に付けるものだ」と異口同音に伺ったように覚えています。

 このように、かつては実践的な力は求められていなかった大学生ですが、最近では即戦力を身に付けていることが就職活動の前提である時代に変わってきたように感じます。これは裏を返せば、企業側も従来の知識や人材だけでは先端の研究開発に追いついていけない実情を反映しているものだと思われます。

 実際にOJTで人材を育てる事にはずっと賛否両論があり、ノウハウ本はたくさん出ていても、いざ実践してみると一筋縄ではいかず、なかなか成果が出ない、とは良く聞く話です。

 弊社でも昨年から若手が入社しています。大企業に比べ人材不足も深刻ですから、社員教育もそこそこにいきなり装置と共にお客様のもとに出張、実戦勝負で案件に取り組んでいるところです。

「ゆとり教育現場」と「グローバル競争現場」のギャップを如何に埋めて成長してくれるかを楽しみに放りっぱなし。自分の案件に手こずりながら手をだすのもままならず、やはりOJTの難しさを感じているところです。

 でも、実はプログラム自体の技術にはそれほど重要度を感じていません。それよりも、プログラムに組み込む為のアルゴリズム基礎力を身に付けることを期待に放任。OJTを経験して、探究心に磨きをかけてくれればと思っています。
 土俵際での粘りが必要な業種ですから実践が第一。一段落後余裕が出てきたら、再設計、再コーディングすると力がつきますよ、O君。
3. 書籍紹介

『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』
半藤一利著 文春新書 2012年10月発行
 リーダーシップ関連の書籍は、中年の経営者や管理者層に常に人気のようで、本屋さんの店頭にはさまざまな書籍が氾濫しています。それらの多くは経営学のマネジメント理論のダイジェスト版・焼直し版であるか、古来の武将や近年の偉大な経営者の伝記風読み物に二分されるように思います。
 前者は典型的なノウハウ本で味気なく、後者は趣味・娯楽本的色彩が強く実際のビジネスに応用できるのかどうか疑問な面もあります。
本書はその中間的な位置づけでしょうか?筆者の豊富でマニアックな戦史の知識と、一流出版社の編集者として培ってきた分析力とがあいまって、独自の世界が広がっています。お手軽に読めるわりには、後で役に立つ部分も多いかもしれません。
4. EV・HEV開発最前線

「パワートレイン系試験装置:交流モータ編」


<MSHモータ試験システム>
自動車パワートレイン系試験装置には、実際にエンジンを動かして動力を伝えることで試験を行う【ファイアリングテストベンチ】と、エンジンの代わりにモータを使う【モータリングテストベンチ】があります。

耐久評価を兼ねる場合は、エンジン性能を超えるモータが必要になり、また環境性・安全性・制御性を優先するとなればモータリングベンチによる試験が必要となります。

試験ベンチとして使用する負荷吸収モータは、現在のEV・HEV系駆動用では、誘導電動機(IM)による高速化が重要です。因みに、回転数は12,000~20,000rpmが主流となり、IMがふさわしいと考えます。

耐高速回転性能としては、SPMは適しません。ネオジム系強力磁石の飛散が考えられる為です。経験としてロータ接着面粗度、接着性能の問題で回転飛散することで、モータ内部はまさに悲惨な状態となります。

負荷モータの選定は供試モータの特性と計測性能を充分に考慮する必要があるのです。

5. -コラム-    

「異なる速度で見る景色」
                    
/青木邦章

 
  大雪や嵐などで新幹線が徐行するとき、いつも通過している場所の景色が妙に新鮮に映ることがあります。カヌーやヨットで岸沿いに進むとき、普段の車からの景色とは違って新たな発見をすることもままあります。天候が変わったり、見る角度が微妙に異なるなどの差があるのかも知れません。

 しかし、もっとも影響を与えているのは移動速度の相違ではないかと思います。動態視力や脳の情報処理速度が著しく低下しつつあるこの歳になると、速いスピードでは見逃してしまうことが多くあるようです。

 若かりし頃は全速力で駅を通過する新幹線や特急の車窓から、苦もなく駅名や地元の看板を読み取っていたのですが、最近は全く読めないこともあります。ちょっと悲しくなります。

 それが先の理由などでゆっくり通過すると、いろいろな情報が眼に飛び込んできて、新しい発見をすることになるのです。その人が許容できる情報量を超えて多くのものが入ってくると、無意識のうちに脳が拒絶してしまうのでしょうか?

 これは旅先の景色だけでなく、さまざまな事柄に当てはまります。長年の習いで早飯が常態化している身としては、食材のおいしさや味付けの妙を見逃していることも多いでしょう。
ビジネスや人生についても同じ。時には立ち止まり、またゆっくりとした時の流れに身をまかせると、本当のことが見えてくるかも知れません。春の暖かな空気の中、時には競争から遠くはなれて、ゆっくりと、じっくりと、人生を考えてみるのも一興でしょうか。
6.技術コラム
「機械部品の表面処理『メッキ』」

 前回は機械部品の表面処理のひとつ、塗装についてお話ししましたが、今回はメッキについてです。

 メッキとは、材料の表面に金属の薄膜を被覆させることで、一般的には酸化(腐食)しやすい金属を酸化しにくい金属膜で覆って保護する事を目的とすることが多いですが、それだけではなく、機能的な部分で表面硬度を上げたり、摩擦係数を減らして耐摩耗性を上げたり、高級感や質感を出すために、場合によってはプラスチックに施されることもあります。

 その種類も様々で、色や光沢などの外観、膜の厚さ、硬度、必要な条件により最適な物を選定し、図面に記入します。もっとも安価で一般的なのは亜鉛メッキで、電解メッキという電気の特性を利用して亜鉛を被覆するものです。トタンと呼ばれているものもこの亜鉛メッキです。

 しかし、亜鉛メッキは膜厚が不安定で外観上もあまりきれいではありません。均一な膜厚で精度を維持し、耐久性が必要な場合にはクロムメッキや無電解ニッケルメッキを指定します。更には硬質クロムメッキやカニゼンメッキという表面硬度を非常に高くするメッキを使う事もあります。

 後処理として研磨を行うことで更に精度を出したり、鏡面の光沢を出したりする事も可能です。
ただし、表面だけを硬くすれば良いのか、局部的な力がかかることは無いのか、など、使用条件により素材の硬度や形状にも十分注意が必要です。

 また、母材とまったく違う性質の高性能材料を表面に生成する「溶射」やダイヤモンド並みの表面硬度を持たせる「DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)コーティング」といった技術も特殊な用途として使われる場合もあります。

7.やまのひとりごと

 皆様は花粉症ではないでしょうか?やまは花粉症の為、くしゃみと鼻水、目の痒みに毎日悩まされています。
 我が家は一家全員花粉症なので、この時期はティッシュを大量に消費しますし、話しかけても「今、くしゃみが出そうだから待って!」と、くしゃみ待ちで会話が出来なくなったりします。

最近知ったのですが、そんなやま家の庭には大きな杉の木が植わっています…。