目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと








1.製品紹介

[エンジン高回転無負荷傾斜モータリング装置]

●装置説明
自動車エンジンを前後・左右に傾斜させ、無負荷高回転で各種機能測定を行う装置です。
また、各油温に於けるエンジン各部の状況を確認することも出来ます。

●装置仕様

●装置本体
●駆動モータ
●駆動軸トルク変換器
●駆動軸回転計
●傾斜機構
●旋回機構
●出力軸
●温調供給装置
●エア供給装置
●スロットル制御装置
●制御盤・操作盤
●パターン設定・計測用PC
 計測値表示 計測値収集・保存
 運転パターンの設定


●設定項目

●目標回転数
●エンジン油温
●エア供給量
●スロットル開度
●傾斜角度(前後)
●旋回角度(左右)


●測定項目
●回転数
●エンジン油温・油圧・吸気圧
●圧力
●温度
●スロットル開度
●潤滑油循環流量
●供給エア流量・温度
●傾斜角度(前後)・(左右)
●その他


●装置イメージ




*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

『装置安全性』

 私達が装置を設計する時、安全面について配慮する事は機能設計と共に重要です。ユーザ各社がそれぞれに装置安全規格を定め、弊社はこれに準じて設計・製造・納入することになります。安全性の考え方にも個人差があり、装置の安全性解釈にばらつきがあることから、2001年6月1日に厚生労働省が「機械の包括的な安全基準に関する指針」で基準化しています。

 そこには、「機械の製造者等が機械の設計、製造等を行なう場合及び事業者が機械を労働者に使用させる場合において、機械のリスクを低減させ、機械の安全化を図るため、すべての機械に適用できる包括的な安全方策等に関する基準を定めたものであり、製造者等による安全な機械の製造等及び事業者による機械の安全な使用を促進し、もって機械による労働災害の防止に資することを目的とするものである。」とあります。

 わかりにくい表現ですが、作業者の行動までは予測できない、ゆえに事故は必ず起こり得るものである。だから事業者は、製造機械装置を安全に作ることを心掛け何か危険な事があった場合でも未然に防げるような機械を導入する義務付けをしているものです。装置には車のようにパッシブセーフティは通用せず、アクティブセーフティのみが許されることなります。被害を最小限にとどめる(パッシブ)設計ではなく、事故は未然に防ぐべきもの(アクティブ)との発想です。

 車なら修復はきくけれども人間は修復がきかない、との思想を持って私達も安全な装置を設計することになります。

 ただ、設備安全規定を全て反映させ過剰に安全性を意識すると、極めて使いにくい装置となり、機械を納めて1年後にメンテナンスに行くと安全監視用のセンサは無効にして使われているケースも多くあります。こんなとき、使い勝手を意識しつつ安全性を確保する機械制御設計は、最適解を得るのも難しいものだ、と感じます。

 近い将来には、装置にもスバルEyeSightのようにステレオカメラをつけて機械の安全性を管理する時代が来るのかもしれません。
3. 書籍紹介

『ラジオのこころ』
小沢昭一著 文春新書 2012年8月発行
 軽快なお囃子と軽妙独自の語り口で、夕方のひと時に彩りをそえたご存知、長寿番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」放映1万回突破を記念して出版された本です。

 放映された中から氏自ら厳選した10篇を活字化しています。
文字を追っていくと、氏独自の話芸が脳の中に復活していくので不思議です。
昨年12月に逝去され、もうその職人芸を生で感じることもできなくなりました。昭和の匂いがまたひとつ失われていきます。
ご冥福をお祈りいたします。
4. EV・HEV開発最前線

先月に関連して、バッテリーをハードウエアとして
捉えた場合の試験システム(HILS)について考えてみます。


 EV・HEVなど二次電池の性能と、ドライバ・駆動モータ・電動アクチュエータなどをルーピングさせて、総合的に効率などを試験すること、およびベンチマークテストなども考慮した融通性と冗長性が整ったシステムがあれば、開発者の使い勝手の良い試験システムができると、つい簡単に思ってしまうのが私の悪い癖でしょうか。

 ただ、そこには長時間試験の過充電や過放電による異常発熱および電解質揮発による発火などに対する十分な保護回路の形成が必要であることは言うまでもないことです。
 
 今や世の中、スマートグリッド革命と称して電力の有効活用によるエネルギー戦略や環境戦略が進められているなか、リチウムイオンやNAS(ナトリウム硫黄)電池など使用分野は違えども、蓄電による環境変化に伴う市場規模は拡大の一途の様です。
(過去にNAS用電源スタックを用いた高精度のPMモータ試験ベンチを作りましたが
 今やバッテリー次第で生活も変わっていくという時代の到来ですね。)

5. -コラム-    

「スポーツの国際化(グローバル化)」
                    
/青木邦章

 
 かつて(私がまだ子供だった頃)、野球やサッカーなどスポーツの世界は、国内と海外は全く別世界として存在していました。テレビでの大リーグや欧州リーグの試合放映は一般的ではなく、深夜の一部で行われていただけだったと記憶しております。今振り返って見ると、その技術レベルもだいぶ違っていたのかもしれません。唯一、五輪のみが例外で、その期間は日本中が今以上に沸き返っていたようにも思います。

 それがいつの頃からか、いろいろな競技の国際試合放映が当たり前となり、日本人選手もごく普通のこととして、世界中を飛び回るようになりました。政治・経済だけではなく、スポーツや文化面でも国境の存在はだいぶ薄れてきています。

 ただ、ここでちょっと引っかかるのはスポーツが国際化したのか?グローバル化したのか?という点です。青ちゃんはその違いを以下のように捉えています。国際化というのは、国それぞれの立ち位置は違うものの、その上で国を超えて活動すること。そして、グローバル化というのは文字通り地球全体を一つのエリアとみなして活動すること。五輪は国旗掲揚に象徴されるように、国どうしの競争であるので国際化。
 最近のWBCなんていうのも同様。それに対してテニスやゴルフの国際試合は、国というよりも個人の存在が基本なので、グローバル化に近いのかもしれません。

 なぜ、このようなことにこだわるのかというと、国際化においてはルールや階級分けなどについて、主催者や協会など、元締め側にいろいろな力学が働き、どうも素直に楽しみながら観戦できない面があるからです。確かに同郷のよしみ、愛国心からの応援は盛り上がりが違うのも事実ですが、勝ち負けにこだわるばかりに、ルールさえも捻じ曲げてしまう現状はいかがなものか?と思ってしまいます。

 そういった怪しげな駆け引きは政治・経済だけの話として、せめてスポーツ応援は純粋な人間賛美に徹したいと思うのは青ちゃんだけでしょうか?もっともそうなると五輪開催や五輪誘致なんてことに、今ほど関心が向かないようになり、ぱっとしないのかもしれません。やっぱり人間というのは群れる生き物、はりあう生き物なのでしょうか?

6.技術コラム
「機械部品の表面処理『塗装』」

 前回まで、機械に使われる材料の熱処理についてお話ししてきましたが、今回は表面処理についてです。

 表面処理とは、その名の通り部品の表面になんらかの処理を施すことで、錆を防止したり、硬度を上げて摩耗しにくくしたり、外観上の品質をあげたり、という目的のために行われます。機械を構成する部品の多くは鉄でできており、ご存じのとおり鉄は錆びるものなので、油中で使用する場合やグリースや防錆油で錆を防げるという場合を除き、何らかの処理をして機械に組み込む事がほとんどです。

 カバーなどの外装については、錆を防止して見た目を良くするために塗装することが多く、焼付塗装という熱を加えて塗料をより強固に付着させる塗装がよく使われます。色については、工場内で統一されている場合が多く、設備規定といわれる会社ごとの決まりごとに規定されている色を番号で指定し、塗装屋さんに色を調合してもらっています。

 指定色についてはお客さんにより様々で、回転物など危険箇所のカバーには装置色と違う黄色を用いること、オイルの配管は茶色・水の配管は水色にすること、ある高さ以上は別の色にしてツートンカラーにすること、など、設備規定を良く確認しておかないと、機械が完成した後に塗装のやりなおし、ということになるので注意が必要です。

 以前、タイへ持っていく装置を製作した際、タイでは黄色は王族の色なので一般的には使ってはいけない、という理由でその部分だけは日本仕様と別の色にしたこともありました。

 また、たかが塗装、と考えがちですが塗装屋さんの腕により、ほこりやごみが塗膜に入っていたり、微妙に色が違っていたり、ということもありますし、装置の第一印象や、見た目のよさも品質のうちですので、デザイナー(設計者)としてはコストや規定といった制約のなかでもこだわりたいところなのです。

7.やまのひとりごと


 先日、浜松市動物園に行った時の事。

 鳥類展示の大型の檻の中から『ホーホケキョ!』と元気な鳴き声が聞こえました。
「まだ2月なのに気の早い鶯もいるもんだなぁ。」と感心しながら声の方を探すと、
鳴いていたのはなんとオウム。『おはよう!』『こんにちは!』の声真似に混じって
鶯の真似をしていたのです。

 春が待ち遠しいのは、どの生き物も同じなのかもしれません。