目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと






1.製品紹介
[ ウォータポンプ性能試験装置 ]



【装置仕様】

 ・装置本体部:架台等
 ・供試体駆動部:駆動モータ、カップリング部、トルク計、圧力計、軸芯調整機構
 ・循環水部:タンク、ヒータ、電動流量調整弁、流量計、自動給水用電動バルブ
 ・制御盤
 ・操作盤
【制御方法】
 ・流量調整弁制御
 ・モータ回転数制御
 ・その他
【測定項目】
 ・回転数
 ・トルク
 ・温度
 ・吐出圧力
 ・吸入圧力

*その他特注仕様、各種オプションにも対応いたします。お気軽にお問い合わせ下さい。



2.技術コラム
[自動運転化技術]
  先月挙げた自動車の安全や自動運転化の政府成長戦略研究は投資額で500億円を超える大きなプロジェクトで、各業界の連携が必須となるようです。

 当然のことながら自動車業界が主体で、既に結びつきつつあるIT業界と家電業界が太くパイプを持って画期的に開発を進めていくことになるようです。

 先般グーグルがテスト走行させている自動運転車映像、車両の屋根の上に取り付けられている3次元センサが特徴的で、印象に残ったのではないでしょうか。何でグーグルが、との疑問を誰もが抱いたことだと思いますが、同社は国防高等研究計画局(DARPA)主催の自動運転車レースで優勝の大学から05年に技術者をスカウトして開発を始め、テスト車はすでに50万kmを走破。期間中、自動運転時に一度も事故を起こしていないとの事です。

 グーグルの先見性は、車をロボットとしてとらえ、スマホOSよろしくロボットOSを自動車業界に先んじて車に適用、自動運転業界を支配することにあります。一方、自動運転車レースを開催している国防高等研究計画局も、これによって生まれる先進技術を偵察機や爆撃機へ応用させようとしており、ドロドロとした開発絵図を感じるとともに、加速度的に開発が進む予感が感じられます。
 実用化に向けての技術的課題として、センサの高精度化、人工知能によるデータの解析技術開発、GPSを核とした位置解析技術の高度化が挙がっており、いずれも、ソフトウェアの力がキーとなります。

 弊社でも、自動化研究の一端となるブレーキ自動化評価装置や、ステアリングのバイワイヤ評価装置を製作する機会が増えてきています。今までに感じることのなかった異次元の解析技術に触れる事で、我々も技術を磨き、東京オリンピック頃には実現されるであろう運転自動化技術に微力ながら貢献させてもらっています。



3. 書籍紹介
『イノベーション・オブ・ライフ』  2012年12月 翔泳社 
『クリステンセン経営論』
2013年7月 ダイヤモンド社
クレイトン・M・クリステンセン他著

 今月は「破壊的イノベーション」、「イノベーションのジレンマ」などで有名なハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の著名教授の著作、2冊同時のご紹介です。

 前者はHBSを巣立つ学生に対しての氏からの最終講義、最高の人生を生き抜くためのアドバイス。企業経営者・超エリート大学MBA教授・敬虔なクリスチャンの顔を持つ氏が長年病魔と闘った末に達観した境地、これからの世界経済を担っていく若者へ伝えたかったメッセージです。
 後者はハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された氏の全論文集。これからの企業経営・事業開発・商品開発に必要なイノベーションの考え方のガイダンス。
興味を覚えた方から手に取っていただくとよいと思います。



4. EV・HEV開発最前線
今月は、ここにきて非常に熱くなってきた「FCV:燃料電池車」     
について注目してみます。
 
 ガソリン車からPRIUSの出現、LEAFの出現、そして究極のハイブリッドFCV車の出現間近との情報も飛び込む中、車好きの諸兄には、1970年代ごろの個性的そしてパワフルエンジンで市場を沸かせた熱きあの時代を彷彿とさせる、ある意味違った形で再来する要素であることは疑う余地はないでしょう。

 水の電気分解の逆利用から電気と水を生成し、捨てるのは水のみという極めてクリーンな車。PM2.5で苦しむ隣国は、喉から手が出るほどでしょう。
 HEVの燃費向上への斬新さとEV普及の難しさなどを考えると、FCVも同様の難しさを抱えることになるのでしょうか?

これからも期待を込めて見ていきたいと思います。



5. -コラム-
「機密漏洩」
                                             /青木邦章
 オバマ大統領が友好国要人への盗聴など諜報活動や、TPPなどの外交文書リーク問題で窮地に立たされています。また、国内でも日本版NSCなど機密漏洩に端を発して、だいぶキナ臭い気配が漂いはじめてきました。一方、民間組織では一連の食品偽装・メガバンクの暴力団融資放置・JR北海道の不祥事など続々と重大問題の露呈が続いていますが、これらも志ある部内者の告発(あるいは恨みを抱いた人間の密告)に起因していると思われます。機密漏洩による体制転覆は、洋の東西を問わず今に始まったものではありませんが、IT技術の発達・グローバル化の加速により、頻度もインパクトもより大きくなってきたと言えます。

 当社の場合、組織も小さくオーナー企業ゆえ社内権力闘争とは無縁ですが、開発試験機製造という業種からお客様との関係も含めると、機密保持にはずいぶん神経を使っています。営業的には製作実績のPRは積極的に行ないたいものの、お客様との機密保持の観点からは簡単にはいきません。本SCNの製品紹介においても、核心には触れないありきたりの紹介で煮え切らない記事のため、読者の皆様のフラストレーションもたまっているのではないかと危惧しております。

 ところで、機密保持に対する心構えとはどのようなものでしょうか?まずはその情報の希少性重要性と、漏洩した時のインパクトを関係者一同が十分認識することが第一。次に、情報の重要度と区分を明確にしたうえで適切に管理することが大切でしょう。また、「人の口に戸は立てられない」とも言いますので、機密を分散管理して、被害を最小限に抑えることも肝要です。そして何より大切なことは、コンプライアンス重視で倫理的におかしな行動は慎むことだと考えます。

 機密保持の重要性は十分認識しておりますが、全ての情報を厳格に規制していくと、業務遂行が煩雑になりビジネスチャンスを逃すことも多く、また、コミュニケーション不足に陥り、組織が正しく機能しないことも懸念されます。要はバランス感覚が大切。一連の事件を他山の石として、常に気配り・目配りを欠かさず問題の先取りをするという姿勢が、企業幹部にはより一層求められてくることでしょう。



6.技術コラム
[温度を測る]

 日常生活においても、室温計、体温計をはじめ、風呂の温度や冷蔵庫やガスコンロの温度を管理するものまで様々な温度センサーが使われていますが、弊社の商品の主な納入先である、自動車の開発工程や生産工程においても多くの種類の温度センサーが使われています。その中で、我々技術者が「温度を計測する」と言った場合に、最初に思いつくのが「熱電対」というものです。一般の方々へはなじみが薄いかもしれませんが、構造がシンプルで比較的安価、高温から低温まで対応でき、小型で様々な形状にも対応できる、と正に良いことずくめの万能選手と言えます。

 この熱電対というのは、異なる材料の2本の金属線を接続しただけの回路で、両端の接点に温度差を与えると、ふたつの金属それぞれで熱による電子の移動が起こり電位差が生じます。金属の種類により発生する電位差に違いがあるので、結果として回路に電流が流れる、「ゼーベック効果」という現象が現れます。これを利用し、片端を開放して電位差により温度を計測するのが熱電対です。



 この様なシンプルな構造と原理ですが、構成材料を変える事で、下はマイナス200℃以下、上は2000℃以上、という幅広い温度計測に利用できるすごい温度計なのです。これを例えばエンジンやトランスミッションのケースの各部に埋め込んで、どこがどの様に温度上昇するかを分析したり、供給する潤滑油のタンク内に入れて温度を計測し、ヒータやクーラで常に一定温度に保つための基準情報としたり、といった具合に使用されています。

 「熱」はエネルギーの一形態であり、自動車の駆動系においては、発熱=損失(投入されたエネルギーのうち、走行力として使われなかったもの)となるため、熱(温度)計測は燃費の良い自動車の開発のために無くてはならない技術なのです。




7.やまのひとりごと
 ここ最近、めっきり寒くなってきましたね。
寒さのせいか、肩凝りが余計にひどくなってきました。頭がジーンと痛くなったり吐き気がしたり…。
お風呂にゆっくり浸かり、肩を温めると多少は良いような気がします。皆さんは体調に問題はありませんでしょうか?
風邪などひいていませんか?
 忙しい年末を何事も無く乗り切って、気持ちよく新年を迎えたいですね。