目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.やまのひとりごと











1.製品紹介

四輪自動車用ブレーキシステム評価装置

[装置概要]

四輪自動車ブレーキシステムの入力条件を制御し
液圧・推力特性や作動音解析・環境試験まで幅広く評価を行う事が可能な装置です。


[製品イメージ]




[製品特長]

 電動サーボによる入力荷重・ストローク制御。
 液圧・推力特性グラフ表示。
 制御盤タッチパネルによる設定・操作・表示。
 PCによる各種グラフ表示、自動運転パターン設定。
 作動音解析の為の移動型無響箱を装置本体と連結可能。
 低温~高温まで対応の環境試験槽を装置本体と連結可能。


[製品仕様]

入力荷重 (ご相談)
入力ストローク (ご相談)
液損模擬部 (ご相談)
環境試験槽 (ご相談)
音響測定 (ご相談)
計測データ処理 (ご相談)
ユーティリティ 電源:3相AC200V、エアー、冷却水負圧配管

*上記仕様以外にも各種オプション、特注仕様にも対応致します。まずはご相談下さい。



2.技術コラム 

「勤勉性への回帰」

 最近のクイズ番組の風潮として、常識の無さや一般基礎知識の欠如を売りに視聴率を稼いでいる傾向が強く感じられます。
テレビリモコンの権利を持たなくなって久しいので多少変わっているのかもしれないですが、平成教育委員会が平成予備校に格下げられたあたりからずっと続いているのではないかと思います。
 
 弊社は技術の提供を売りにする会社、知識や情報を見積提案書などに反映させ、エンジニアリングノウハウの違いを主張することが多いです。
最近、自分を含めその情報の収集の大方をインターネットから得ようとしていることにふと気づき、冒頭と同様な違和感を持つことがあります。

 これは補助金をいただきながらの大学との技術交換の場でも同様。定例会での技術資料の提示が半分以上をインターネットからの引用で済ませていることに安直感をも感じざるを得ません。
「書を捨てよ、町へ出よう」と、当時書斎にこもりきりだった読書家たちに投げかけ、刺激的であった評論集である寺山修司の本とは逆に「ネットを捨てよ、本に戻れ」と感じる古参エンジニアは多いはず。

 この本が出ているころは、文献書からの情報収集がほとんど。大学においては、自学図書館に通いつめ、公立図書館に通いつめ、まだ情報が得られないので他校の図書館に入り浸り、文献をかき集め、知識を深めて独自のロジックを作り上げていたはずです。ところが、最近はお手軽に情報が得られ、そんな苦労が無い。無いばかりか、ロジックを組み立てて設計をすることを怠っているようにさえ感じます。

 前書も独特の世界を描いており奇異に写る事ばかりが目立つかもしれません。でも、町に出たあとも書を捨てられずにいる、出た途端に少しも利口になっていない自分に気づくのは、どんな分野でも同じです。
技術ニッポンを作ったのは、勤勉、読書家の日本人であった筈です。とまれ、ネットを捨て設計書に戻ろう。






3. 書籍紹介
『風が笑えば』
俵万智 著 奥宮誠次 写真  中央公論社 2012年2月発行

 四半世紀前に「サラダ記念日」で日本歌壇に鮮烈デビューを果たした作者の最新作。
穏やかではあるものの独特な感性を平易な言葉で表現する、そのスタイルは昔のままですが、25年前とは確かに違う一人の成熟した女性の、心のさざ波が垣間見えます。

現代社会の中で、とりわけ優しい時の流れる空間のみを切り取った、奥宮氏の写真とのコラボがいっそうそれを際立たせています。

 組織から自立した女性高校教師・おひとりさま・シングルマザーと、常に時代の先端を生きてきた彼女ですが、3.11東北大地震直後の仙台から沖縄への親子逃避行、そしてそれに続く石垣島定住。こんなところにも彼女らしさが現れています。

 清少納言まで遡らなくても、与謝野晶子とか、新しい女性像は常に歌人が時代を先駆けて作ってきているのかも知れませんね。




4. EV・HEV開発最前線
「次世代自動車部品開発試験装置への取組み」

Motor Generator

・次世代産業の創出として、電気自動車(EV)分解研修への参加により、
 スペースクリエイションが提唱する“MSHコントロールシステム”への
 更なる具体化を計画し、カーエレクトロニクスへの新たな提案をしていきます。
・ユーザ志向型モータドライバ開発に向けて進めていくと同時に、システム
 としての完成度向上を目指していきます。




5. -コラム-    


「顧客共創イノベーション」

                    
/青木邦章


 先日、AKB48の総選挙がテレビで放映されていました。敦子と優子の違いも良くは理解していない青ちゃんではありますが、結構興味深く眺めていました。秋元康氏の仕掛けたAKBプロジェクトには、時代に即したビジネスモデルとしての特徴がいくつか見られます。

 ひとつ目は、ダイバーシティ(多様性)時代に適応した新しいアイドル提供スタイル。味はそこそこ(?)ですが、一カ所で和洋中華なんでも選べて、見栄えも良く、値段も手頃で、老若男女誰でも利用できるファミレス方式。AKB・SKE・NMBなど地域色も取り入れているところまで、最近のファミレス店舗展開にそっくりです。

 ふたつ目は、投票方式で顧客ニーズをテンポラリーに反映しているCS(顧客満足)方式。顧客の評価により商品の品質(?)を切磋琢磨させて、常に飽きられないよう進化させていくあたり、この観点からもファミレス・コンビニの商品開発にそっくりです。

 そして三つ目は、握手券や投票券(権)という形で、それを売上げに直結させている点。お付き合いのある取引先若手営業マンが、券ほしさに一人で何枚もCDを購入していると聞いてびっくりです。ちょっと怪しげな匂いも漂いますが、芸能ビジネスの本質をついているのかもしれません。

 我々が携わっている産業資材ビジネスにおいては、お客様のニーズを敏感に察知してタイムリーにそれに合致した商品を開発提供していくというのは、昔からなされていた手法です。特に、当社の提供している開発試験機においては、お客様のご要望も高く常に時代の先端を走っているため、お客様との情報共有・意見交換・コラボレーションはなくてはならない作業工程です。このような過程の中から新しい画期的な技術も生まれ、特許出願に至るケースも存在します。まさに新しいイノベーション創出の一手法です。

 さて、これに加えて握手券・投票券方式をどうやって取り入れれば良いか?新たな経営課題をAKBから突きつけられたように思います。当社の場合、トップスターは誰になるのだろうか?どうも指原ばかりのメンバー構成のようにも思いますが…。
6.技術コラム
「摩擦磨耗の話④摩擦の法則」


 摩擦のあるところには必ず磨耗が伴うのでこの二つの言葉はセットで扱われる事が多いのですが摩擦が大きくても磨耗しにくかったり、その逆だったりする場合もあるので、両者は別に扱う必要があります。摩擦【Friction】は「物体の運動を妨げる、接触面での逆方向の力」を指し磨耗【wearまたはattrition】は「摩擦で生じた力により固体表面がだんだんと減っていく現象」を差します。

 以前、摩擦低減が自動車の効率(燃費)向上につながる、といいましたが、摩擦が低減されても磨耗が増大するような状況では時間経過と共に効率が悪化したり、騒音や故障の原因になったりするので、弊社の製品でも両方を同時に試験・評価できるようなものが多くあります。
 磨耗についても摩擦と同様、部品そのものの性状だけでなく荷重分布や振動、温度、潤滑状態によって多種多様な現象となって表われるので、最終的には実物で試験を行って評価する事が重要となってきます。

 磨耗の種類も様々な分類の仕方があり、ピッチングやスコーリングと呼ばれる機械的な磨耗のほか、腐食や酸化などの化学的な磨耗、アーク損耗や金属イオン移動などの電気的な磨耗も含めると実に多様です。
 弊社が関わることの多いエンジンやトランスミッション開発の現場では、潤滑油のないいわゆる乾燥摩擦(磨耗)の状態を扱う事はほとんど無く、潤滑油を介した状態での摩擦・磨耗の試験が主となります。

 実際の試験機も、エンジンオイルやATFを使用して車体が大きく傾いた時にも潤滑が正しく機能するか、といった試験や、トランスミッション内部の複雑な潤滑油供給経路において各部にバランスよく潤滑油が供給されているか、といった事を試験・計測する、といった内容になります。

 シミュレーション技術が進歩した現在、材料や構造による強度や空力特性などはかなりの精度で解析できますが、こと摩擦・磨耗の分野に関してはまだまだ実験による評価が主流(というか事象が複雑すぎて解析できないのが実状)であり、そこで弊社の製品が活躍している、という訳です。

7.やま のひとりごと

 先日、浜松市内にあるフラワーパークという植物園にてホタルを鑑賞してきました。
ホタルの姿が見られる5月末から6月中旬までの時期だけ夜間入園を行っており、神秘的なホタルの光を楽しむ事ができます。
 蛍光灯やLEDとは全く違う、穏やかな光に癒される貴重な経験でした。
滅多に見られないホタルが見られた事もそうですが、身近にホタルが住める豊かな環境があることにも喜びが沸きますね。