目次
1.製品紹介
2.技術コラム
3.書籍紹介 
4.EV・HEV開発最前線
5.青ちゃんの言いたい放題
6.技術コラム
7.鳩豆のひとりごと




1.製品紹介


自動車用シート耐久試験機


サーボモータによる荷重制御/変位制御で、自動車用シートの座面を繰返し加圧します。

定盤上にシートASSYをそのまま取付
試験条件はタッチパネル設定
サインカーブ加振
荷重グラフ表示(ロードセルアンプ)
非常停止、位置/荷重上限検知機能
試験部全体安全カバー
加圧部形状・種類等、任意製作





最大荷重
 
 ご相談
最大振幅  ご相談
最大加速度  ご相談
電源 

 三相AC200V/3kVA






展示会出展のご案内
Automotive Testing Expo China 2011

【会期】
2011年9月14日(水)~16日(金)
14日(水) 9:30~17:00
15日(木) 9:30~17:00
16日(金) 9:30~15:00

【会場】
Shanghai Everbright Convention and Exhibition Center
(66 Cao Bao Road, Xuhui District, Shanghai P.R. China)
弊社ブース 3048 (入場無料)

【出展製品】
MRP-30 :  動力循環型  CVTベルト試験装置
MSH-10 :  EV・HEV用  モータ性能・耐久試験装置


 




2.技術コラム 

「京コンピュータの恩恵」


 先日、バイオポリス(シンガポール)の番組の中で、招かれた日本人が「1番でないと駄目」と強調するのを聞き「やっぱりな」と感じた方も多いと思います。

 「2番じゃダメなんですか」で決定付けられたスーパコンピュータの開発凍結問題、予算は縮小され、方針を最高速から利用分野重点開発に変更したにもかかわらず、今回TOP500プロジェクトにおいて日本の京コンピュータが1番を獲得しました。

 2012年の目標であった計算速度、京FLOPSの達成を目標前年でクリアしたことは、技術や量産で世界に取り残されつつある印象の強い日本を活気づける、大きなニュースになりました。

 京コンピュータがプロジェクトとして立ち上げられたのが2005年、21世紀に入ってから日本のスーパコンピュータの国際競争力が非常に低下していたことを背景としての立案のようです。

 そのため翌年度から1,000億円以上の予算を計上してのプロジェクトが始められ、それが今回8.162PFLOPSの世界最高速処理の実現により、TOP500プロジェクトにおいて見事1番を獲得しました。最終年度となる来年には10PFLOPSを実現することで1番を維持する模様です。
 
 
 ところで、10PFLOPSは10ペタフロップスと読みこの10Pが億、兆の上にあたる京を示すものであることは理解できるものの、それがどれほどのスピードに相当するのかはピンときませんが、我々が接する高性能PC10万台分とのことです。(やっぱりピンとくるものではありませんが・・・)

 スーパコンピュータの用途は、天気予報・自動車設計VPD、新薬品開発などのシミュレーション用途での高速化、高精度化とのことです。

 ニュースを聞いていて、シミュレーションを生業の1つとしている弊社でも恩恵に与る時が来ることを待ちつつ、同開発者の爪の垢を煎じて、1番を獲得する術を磨いていこうと肝に銘じたところです。

 やっぱり、1番じゃないと儲からないのも世の常ですので・・・。







3. 書籍紹介


『辺境・近境』
 
村上春樹著 1998年6月新潮文庫

『辺境・近境 写真篇』
 松村映三plus村上春樹著 1998年6月新潮文庫
 

   

 作家の住む町イースト・ハンプトン、瀬戸内海に浮かぶ個人所有の無人島からす島、1ヶ月に及ぶメキシコ縦断、讃岐うどん巡り、内モンゴル自治区・モンゴル国の両サイドからアプローチするノモンハン、アメリカ大陸横断、西宮から神戸15kmの徒歩旅行、これら6つの旅(写真篇では讃岐を除く)が本書には収められています。
 
 インターネットが現在ほど普及していない1990年代前半の旅と、著者の場所と時間をめぐる思索が綴られています。

 




4. EV・HEV開発最前線


「試験環境」

 モータ試験において、オイル温調や環境温度は場合によっては-30℃以下、180℃以上が要求されます。

 オイルの粘性を考慮した場合、-30℃以下の流量コントロールについての難易度は、他の冷却媒体の比ではなく、充分な知識と経験が成否を決するといえます。

 また、試験ベンチ、温調(環境・ATF・LLC)、電子負荷装置および防音室など、包括的な統合試験システムを構築することが、今後のモータ試験においては必要となってきます。

 スペースクリエイションは、操作性および監視性を高めた統合システムを追及し、お客様にご満足いただける総合試験システムメーカを目指します。





→→ Key Word ←←


* Viscosity

* Soundproof Booth


~温度試験における重要ポイント~

* オイル循環潤滑による温度特性評価
* オイル粘性による流量確保の難易性
* 急峻的温度変化(ヒートショック)試験
* 最高温度および最低温度継続時間(温度耐久)






5. -コラム-     



「ポストものづくり」
   
                    
青木邦章



 ずいぶん前から、日本の製造業の空洞化(海外移転)が問題視されていますが、東日本大震災・電力不足問題を受けて、その傾向は一段と加速されるものと予想されます。

 英国・米国をはじめとして産業が進んだ先進国には必ず見られる現象であり、それ自体は避けては通れない道。特に、繊維・食品・家電などコモディティ化された商品においては、顕著な傾向です。

 モジュール化しにくいと言われる自動車産業においても、EV化の促進・エンジンの共用化・シャーシのプラットフォーム化により、徐々にその流れが強まってきています。

 自動車産業の技術開発支援中心に事業展開している弊社にとっても真剣に考えなければいけない課題。日々、対応策捻出に逡巡しています。最近、その解決策のひとつの方向としては、「ものづくり」から「ことづくり」への発想の転換ではないかと考えています。

 中国の新幹線事故を例にするまでもないことですが、形あるものは比較的簡単に模倣できるものの、その運転・運用を司る統括的なシステム構築までは一朝一夕に真似できるものではありません。さらに、その商品の哲学思想的な側面まで立ち入って考えると、まだまだ工夫の余地はあるようです。


 自動車を単なるモノと捉えるとそれまでですが、所有者・運転者がそこに見出す価値・思いまでを汲み取ると、ハードそのものよりも、そこにこめる開発者の思想が大切になると思います。

 それらを「ことづくり」と表しましたが、最近流行のソリューションビジネスなんて言葉にも、それに近い匂いを感じ取れます。

 乗馬文化に根ざし、アウトバーンで鍛え上げられたヨーロッパ車が、今なお全世界で根強い支持を得ているのも、その証明と言えます。

 さて日本の自動車産業はそれらにどう対抗していけばよいのでしょうか?

 自動車の販売先が西洋諸国からアジアをはじめとする新興国に移りつつある今日、いつまでも欧米流の「クルマづくり」を後追いするのではなく、東洋文化に根ざした、細やかで温かさや異なるこだわりを持った「くるまづくり」を追求することが大切なのかもしれません。








6.技術コラム


部品図について」
 
 一般的に機械設計という作業の主なアウトプットとして、完成した状態を表す「組図」と、それを構成する個々の部品を表す「部品図」があります。これは自動車や電化製品でも一緒で、エンジンのピストンも、オーブントースターのダイヤルも、テレビのコードの止め金具も、どんなに小さな部品であっても必ずそれぞれに部品図が存在し、その情報に従ってどこかで製造されているのです。

 部品図の役割は、設計者の意図を製造者に伝えることで、部品を作るための全ての情報をそこに集約させる必要があります。たった一枚の図面の中に、材質、形状、寸法、精度、熱処理、表面処理、などの全てを定められたルールに従い記入していくのが部品図作成です。

 機械設計業務の入口として、新人設計者は先輩設計者が描いた組図から部品図を作成するというところからスタートするのですが、実は部品図作成も簡単ではなく、同じ部品でもベテランと新人では、まったく違う図面となり、先輩の検図を受けて真っ赤に添削された図面を描き直して・・・ということになります。

 単に形を表すだけでなく、どの様な加工方法でどういう手順で製作するか、必要以上に高価な材料や加工方法になっていないか、同じ機能・形状であってもつくる数量によって加工方法を変える必要があり、そのような事を全て考慮した上で、設計者の意図を製造者に図面一枚で正確に伝えることができて初めてプロの描いた図面、ということになります。

 当社にも時々、部品加工の依頼先から問合せの電話が来ますが、設計者、加工者がお互いプロ同士であれば、図面の受渡しだけで(問合せなど無く)きちんと部品が出来上がってくる、という状態になるはずですので、そうなるよう図面品質の管理、加工依頼先の技術レベル向上にも努めていきたいと考えています。


   



7.鳩豆 のひとりごと

Automotive Testing Expo China 2011
2011年9月14日(水)~16日(金) (中国・上海)
案内状をお送りいたします。
下記アドレスまでご連絡下さい!
web-info@spacecreation.co.jp (橋本)